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Tudor · Black Bay GMT · 2018

Black Bay GMT Stainless Steel / Black / Pepsi / Bracelet

2018年バーゼル、Rolex GMTマスターIIと同じ日に登場した、Tudor初の自社製GMTムーブメント搭載モデル

Black Bay GMT (Ref. 79830RB-0001) は、2018年のバーゼルワールドで発表されたTudor初の自社製GMT機構搭載モデルである。41mmのステンレススチールケースに、新規開発のマニュファクチュール・キャリバー MT5652 を搭載。バーガンディと青のアノダイズドアルミニウム製24時間ベゼル、Black Bayの象徴であるスノーフレーク針、リベット意匠のスチールブレスを備える。同じ年に登場した Rolex GMTマスターII Ref. 126710BLRO とは異なる路線で、いわゆる「ペプシ」配色のGMTを世に問うた一本である。

Ref. 79830RB-0001
発表年 2018
状態 現行品
限定 通常生産
コレクション Black Bay GMT
カテゴリ ダイバーズ / GMT
キャリバー MT5652
ケース径 41 mm
GMT デイト
01 — Specification

仕様

As of WatchBase sync · 2026.05.11
Case · ケース
素材 Stainless Steel
形状 Round
41 mm
ガラス Sapphire
裏蓋 Closed
Movement · ムーブメント
キャリバー MT5652
タイプ Automatic
振動数 28,800 bph
石数 26 石
パワーリザーブ 70 時間
Dial · 文字盤 / Hands · 針
文字盤色 Black
インデックス Stick / Dot
Proprietary
i — Editorial

設計思想

Design philosophy

2018年バーゼルで共有された一日

2018年のバーゼルワールドは、ロレックスがステンレススチールケース、ジュビリーブレス、赤青セラミックベゼルの GMTマスターII Ref. 126710BLRO を発表した年として記憶される。十数年にわたり待望されていた鋼製ペプシGMTの登場は会場の主役となるはずであった。しかし同じ日、兄弟ブランドであるTudorが、誰も予期しなかった一本を投じる。それが本機 Black Bay GMT である。価格は GMTマスターII のおよそ三分の一でありながら、自社製ムーブメントと「ペプシ」と同系の赤青配色を備えた本機は、市場へ大きな衝撃を与えた。

Cal. MT5652、Black BayへのGMT機構導入

機構面で本機が果たした役割は大きい。Tudorは2015年から自社製マニュファクチュール・キャリバー MT56系の展開を本格化させていたが、GMT機構を内蔵した派生は本機の発表まで存在しなかった。新規開発の Cal. MT5652 は、ローカル時針を1時間刻みで前後に独立稼働させる、いわゆる「フライヤーGMT」方式を採用する。これは第二時針を後付けするモジュール式ではなく、トラベラーが現地時刻のみを操作して時差調整するための、本格的な内部設計である。シリコン製ヒゲゼンマイ、70時間のパワーリザーブ、COSC認定という基本仕様は、当時のTudorマニュファクチュール・キャリバー群と共通する。

ダイバー意匠のまま、空へ広げた一本

外装上の位置づけも興味深い。Black BayはTudorが1954年に発売したサブマリーナー Ref. 7922 以来のダイバーラインの現代的解釈であるが、本機ではそこに24時間ベゼルと第二時針が加えられた。200m防水を維持しつつGMT機構を内蔵するという折衷は、潜水と航空という本来異なる用途を一つのケースに同居させる試みと言える。続く2022年には、同じ Cal. MT5652 を踏襲した固定ベゼルの Black Bay Pro と、スチール×ゴールドの Black Bay GMT S&G (Ref. 79833MN) が同シリーズに加わり、2024年には METAS認定の Cal. MT5450-U を搭載するより小径の Black Bay 58 GMT が別ラインとして派生した。本機 79830RB-0001 は、その一連の展開の起点に位置する一本である。


ii — Editorial

意匠分析

Visual analysis

41mmのBlack Bay系ケースは厚さ14.6mm、ラグ間22mmという寸法を持つ。三針モデルの Black Bay と外形を共有しつつ、内部に GMT機構を収めた厚みが現れている。ラグは捻りを伴うツイステッドラグ造形で、上面はサテン、側面の面取りはポリッシュが施される。風防はドーム形状のサファイアであり、文字盤側からの曲線が腕の上で柔らかな反射を生む。

ベゼルは48ノッチの双方向回転式で、24時間目盛を刻むアルミニウム製インサートを採用する。バーガンディと青のマットなアノダイズ仕上げは、現行 GMTマスターII がセラミックベゼルに移行したのとは対照的な選択であり、レトロ志向の意匠言語を支える要となる。素材自体は摩耗や色焼けに弱いが、その経年こそ本機の意匠的な核と位置づけられている。

ダイヤルは光沢を抑えた黒、インデックスは矩形のアプライドピースに蓄光を充填したもの。指針はTudorの象徴であるスノーフレーク針で、4本目の24時間針のみが赤く、矢頭の形状で他の三針と区別される。日付は3時位置に白地の窓で配される。

ブレスはスチール製のリベット風意匠を持つ。リベットは1950〜60年代のオイスター系ブレスを参照した装飾であり、実際のリンク連結はスクリュー方式で行われる。フォールディングクラスプにはセーフティキャッチが備わるが、後発の Black Bay 58 GMT で導入された T-fit ラピッドアジャスト機構は本機には搭載されない。ムーブメントはマニュファクチュール・キャリバー MT5652 で、シリコン製ヒゲゼンマイと変動慣性テンプを備える。


iii — Editorial

系譜と歴史

Lineage

本機は2018年3月のバーゼルワールドで発表された。同じ会場では赤青ベゼルのロレックス GMTマスターII Ref. 126710BLRO も披露されており、Rolexグループの兄弟ブランドが同時に鋼製「ペプシ」GMTを世に問うた稀有な一日であった。発表当初の構成は、本機 (-0001) のリベットブレス仕様に加え、レザーストラップの -0002、ファブリックストラップの -0003 の三型であり、ダイヤルはいずれも黒で共通する。

生産は同年から開始された。2022年4月のWatches and Wondersでは、同一の Cal. MT5652 を踏襲した39mm固定ベゼルの Black Bay Pro と、ロレックス「ルートビア」を想起させるスチール×ゴールド配色の Black Bay GMT S&G (Ref. 79833MN) が同シリーズに加わった。

2023年3月のWatches and Wondersでは、ダイヤル色を「オパリン」と呼ばれる銀白色に改めた派生 (Ref. 79830RB-0010、79830RB-0012) が加わり、黒文字盤と並行する形でラインアップが拡張された。2024年には別系統として39mm径・METAS認定の Black Bay 58 GMT (Cal. MT5450-U) が登場するが、これは本機の後継ではなく、より小径・薄型を求める層に向けた並行ラインである。本機 79830RB-0001 は2026年現在も Tudor公式カタログ上で継続販売されている。

02 — Price history

価格推移

2018–2026 · WatchLedger market index
2018-12-05 · EUR 3,6802019-04-01 · EUR 3,7202020-03-20 · EUR 3,8202022-01-05 · EUR 3,9202023-01-01 · EUR 4,2702023-09-01 · EUR 4,3602024-01-01 · EUR 4,4502025-07-21 · EUR 4,6102026-01-09 · EUR 4,840€3,680€3,970€4,260€4,550€4,8402018-122026-01

出典: WatchBase 観測価格 · 通貨タブ(JPY / USD / EUR)で系列を切替できます。

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