なぜいま、ドレスウォッチか
ロレックスのカタログは、長くスポーツモデルとオイスター パーペチュアル、そして装飾的なドレスラインであるチェリーニ(Cellini)で構成されてきた。チェリーニはオイスターケースを持たず、薄型の貴金属ケースにドレスウォッチの役割を担わせた系譜である。ただしスポーツモデルと寸法やムーブメントを共有する面が強く、独自の輪郭を描き切れずにいたとの評価もあった。2023年、ロレックスはこのチェリーニを終了し、新たな「パーペチュアル」コレクションを立ち上げる。その第一作が1908である。「クワイエット・ラグジュアリー」が語られる時代に、派手さではなく仕立ての質でドレスウォッチを定義し直そうとした試みといえる。新コレクションを設定したこと自体が、今後この路線を広げていく意思表示でもあった。