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Piaget · Altiplano

Altiplano 38 White Gold

厚さ6mmのケースに手巻きCal.430Pを宿す、時分表示のみのアルティプラノの基準点

G0A29112は、2000年代半ばに登場したとされるアルティプラノの手巻きモデルである。18Kホワイトゴールド製38mmケースは厚さ6mmに抑えられ、内部には厚さ2.1mmの自社製手巻きCal.430Pが収まる。表示は時針と分針のみで、秒針も日付も持たない。白い文字盤に黒のバトンインデックスと細い針を配した構成は、ドレスウォッチの定義をそのままなぞる。派手な記録更新の陰で、約20年にわたりコレクションの標準であり続けてきた一本である。

Ref. G0A29112
限定 通常生産
コレクション Altiplano
カテゴリ ドレス
キャリバー 430P
ケース径 38 mm
防水 30 m
関連人物 ジョルジュ=エドゥアール・ピアジェ
01 — Specification

仕様

As of WatchBase sync · 2026.06.12
このモデルを比較する
Case · ケース
素材 White Gold
形状 Round
径 38 mm
厚さ 6 mm
ガラス Sapphire
裏蓋 Open
防水 30 m
Movement · ムーブメント
キャリバー 430P
タイプ Handwound
振動数 21,600 bph
石数 18 石
パワーリザーブ 43 時間
Dial · 文字盤 / Hands · 針
文字盤色 Silver
インデックス Stick / Dot
針 Stick
i — Editorial

設計思想

Design philosophy

9Pから430Pへ、薄型の系譜

ピアジェの薄型時計の起点は1957年の手巻きCal.9Pにある。厚さわずか2mmのこのムーブメントは、同社を薄型の名手として世に知らしめた。1960年には厚さ2.3mmの自動巻きCal.12Pが続き、薄さはピアジェの設計言語そのものとなった。1998年、9Pの思想を受け継ぐ手巻きCal.430Pが開発され、同年にこのキャリバーを核とするコレクションとして「アルティプラノ」の名が与えられた。コレクション名は南米の高原地帯に由来し、平坦さ、すなわち薄さの隠喩である。G0A29112はこの430Pを搭載する38mmモデルとして、2000年代半ばに登場したとされる。

記録更新の陰にある基準点

アルティプラノは2010年代、薄さの記録を競う舞台となった。2010年には自動巻きCal.1200Pを積む43mmモデルが当時の自動巻き腕時計の最薄記録を打ち立て、2013年末にはムーブメントとケースを一体化したAltiplano 900Pが手巻き腕時計の最薄記録を更新した。こうした話題作が脚光を浴びる一方、G0A29112は記録に挑まない。厚さ6mmという数値は記録ではなく、日常で扱える薄さと堅牢性の均衡点である。秒針も日付も省いた時分のみの表示、貴金属ケース、40mm未満の径という構成は、ドレスウォッチの古典的な条件をすべて満たす。コレクションの実験性を支える「基準点」としての役割が、このRefの本質といえる。

長期生産と「オリジン」への再編

G0A29112には、シルバー文字盤のピンクゴールド仕様G0A31114という姉妹機が存在する。2017年にはアルティプラノ誕生60周年を記念し、同じ38mmケースとCal.430Pを共有するブルー文字盤の限定版が加わったが、G0A29112自体は標準モデルとして併売が続いた。2021年頃からピアジェは時分表示のみのアルティプラノを「アルティプラノ オリジン」の名で再編しており、本Refも現在は公式サイト上でオリジンとして分類される。設計をほぼ変えぬまま約20年生産が続く例は現代の高級時計では多くなく、その持続自体がこのRefの評価を物語っている。


ii — Editorial

意匠分析

Visual analysis

ケースは18Kホワイトゴールド製で、直径38mm、厚さ6mm。側面から見ると、ほぼ等しい厚みの2層を重ねたサンドイッチ状の構造が現れる。正面では直線的に見えるラグも、側面からは緩やかに成形された曲面を持ち、薄いケースに立体感を与えている。裏蓋はねじ込み式のソリッドバックで、ブランドの紋章とMécaniqueの刻印が入る。シースルーバックを避けたのは装飾を隠すためではなく、サファイア風防を裏側にも組み込めば厚みが増すためである。薄さを優先した設計上の必然といえる。

文字盤は白。偶数時に2本、奇数時に1本の黒いバトンインデックスを配し、12時下にPIAGETのロゴのみを置く。針も黒のバトン型で、白地とのコントラストにより夜光なしでも視認性は確保される。装飾的要素を持たないが、インデックスの本数を交互に変えるリズムが、単調さを避ける唯一の操作になっている。

ムーブメントは手巻きのCal.430P。厚さ2.1mm、131部品、18石で、毎時21,600振動 (3Hz)、パワーリザーブは約43時間。裏蓋越しに見えないにもかかわらず、ブリッジにはサーキュラーコート・ド・ジュネーブ、地板にはペルラージュが施され、面取りと青焼きネジも備える。リューズは小径だが巻き上げの抵抗は明瞭で、毎日の手巻きを前提とした実用性を保つ。防水は30mで、ドレスウォッチとしての性格を裏づける。ストラップは黒のアリゲーターにホワイトゴールド製ピンバックルが組み合わされる。


iii — Editorial

系譜と歴史

Lineage

G0A29112の発表時期を明示する一次資料は乏しいが、リファレンス番号の体系と流通記録から、2000年代半ば、2004〜2005年頃の登場とされる。その後の大きな仕様変更は確認されておらず、製造年の異なる個体が長期にわたり市場で観察できる。2014年や2015年、2018年の保証書を伴う個体の存在は、10年以上の継続生産を裏づける。価格や仕様の告知をともなう派手な発表記録が見当たらない点も、記録更新型の話題作とは異なる、定番モデルらしい経歴である。

2017年、ピアジェはアルティプラノの起点を1957年と位置づける60周年記念展を開催し、同じ38mmケースとCal.430Pを用いたブルー文字盤の限定版460本を発表した。この間もG0A29112は標準モデルとして販売が続いた。2020年にはピンクゴールドケースにブルーラッカー文字盤を組み合わせた38mm手巻きの限定版300本が登場し、同系統のケースとキャリバーが引き続き使われていることを示した。

2021年頃、ピアジェは時分表示のみのアルティプラノを「アルティプラノ オリジン」として再編し、G0A29112も公式サイト上でこの名の下に分類されるようになった。2026年現在も公式カタログへの掲載が確認でき、登場から約20年を経てなお現行であり続けている。


Sources

出典

本文の執筆にあたって参照した資料。閲覧日は内容を確認した日を示す。

  1. 01 専門メディア Reviewing the Piaget Altiplano - the Perfect Hand-Wound Dress Watch 専門メディア · Monochrome Watches · 2026.08.15 閲覧 Monochrome Watches · 2026.08.15
  2. 02 専門メディア Piaget caliber 430P 専門メディア · WatchBase · 2026.08.15 閲覧 WatchBase · 2026.08.15
02 — Derivatives

同型・派生 Ref

Color · material · bracelet variants