道具時計の傍らに置かれた礼装
Orisの主力は、長く実用時計にあった。Aquisのダイバーズ、Big CrownやProPilotのパイロットウォッチ。視認性と堅牢性を前面に出す系譜である。その傍らで、2003年に発足したのがArtelierである。
クォーツ危機を機械式専業として生き延びたブランドが、道具時計とは異なる文脈、すなわち礼装としての時計を改めて掲げた試みだった。同年にはWilliams F1チームとの協業も始まっており、Orisが自社の表現を複数の方向へ広げた時期にあたる。Artelierは、その中で静かなドレスウォッチの役割を担った。