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Jaeger-LeCoultre · Master Grande Tradition

Master Grande Tradition Gyrotourbillon 3 Pink Gold / Blue

2013年生まれの第三世代ジャイロトゥールビヨンを、隕石とエナメルで装い直した2019年の8本限定ローズゴールド

ジャイロトゥールビヨン 3 メテオライト(Ref. 5032441)は、2019年にジャガー・ルクルトが発表した、マスター・グランド・トラディションの最上位に位置する多軸トゥールビヨン時計である。2013年の創業180周年記念モデル「ジュビリー」(Ref. 5036420)で確立した第三世代の機構を、ローズゴールドのケースと、隕石・アベンチュリン・グランフー・エナメルを束ねた文字盤で装い直した、メチエ・レア(希少手工芸)の作品にあたる。ケース径43.5mm、手巻きのCal.176を搭載し、経過分を瞬間表示するデジタル式モノプッシャー・クロノグラフを併せ持つ。生産は8本に限られる。

Ref. 5032441
限定 限定 18
コレクション Master Grande Tradition
カテゴリ ドレス
キャリバー 176
ケース径 43.5 mm
防水 50 m
関連人物 アントワーヌ・ルクルト
トゥールビヨン
01 — Specification

仕様

As of WatchBase sync · 2026.06.08
Case · ケース
素材 Pink Gold
形状 Round
43.5 mm
厚さ 15.5 mm
ガラス Sapphire
防水 50 m
Movement · ムーブメント
キャリバー 176
タイプ Handwound
振動数 28,800 bph
石数 58 石
パワーリザーブ 50 時間
Dial · 文字盤 / Hands · 針
文字盤色 Blue
インデックス Mixed
Dauphine
i — Editorial

設計思想

Design philosophy

1. 第三世代へ到達したジャイロトゥールビヨン

ジャイロトゥールビヨンは、回転軸を複数持つ多軸トゥールビヨンに対するジャガー・ルクルトの呼称である。2004年の初代、2008年の第二世代を経て、2013年に第三世代へと到達した。その舞台が、創業180周年を記念して発表されたマスター・グランド・トラディション ジャイロトゥールビヨン 3 ジュビリー(Ref. 5036420)であった。

第三世代では、上部のブリッジを持たないフライング構造の球形トゥールビヨンが初めて採られた。さらに、経過分を瞬間的に切り替わる数字で示すモノプッシャー(単一ボタン)式のデジタル・クロノグラフが組み合わされる。手巻きのCal.176は592個の部品からなり、異なる角度で逆向きに回る二つのケージの中心で、青く焼き戻された球形ヒゲゼンマイが時を刻む。

2. 機構ではなく意匠で語り直す

本機Ref. 5032441は、この第三世代の機構をそのまま受け継ぐ。新たな複雑機構を足すのではなく、ジャガー・ルクルトが「メチエ・レア」と呼ぶ希少手工芸によって、同じ機械を別の表現へ置き換えた一本である。

ジュビリーが銀色のオパール文字盤とプラチナケースで端正にまとめられていたのに対し、本機は隕石、アベンチュリン、グランフー・エナメルを文字盤に集約させた。素材はプラチナからローズゴールドへと改められ、金色の濃淡が画面全体を貫く。機構を据え置き、衣装を入れ替えるという選択は、自社が抱える手工芸の層の厚さを示すための判断と読み取れる。

3. 隕石が宿す主題

文字盤と機械に用いられたのは、ナミビアで見つかったギベオン隕石である。鉄とニッケルの合金が宇宙空間で長い時間をかけて冷え、幾何学的な結晶模様を刻んだものとされる。

宇宙を漂っていた金属を文字盤に据えるという発想は、ブリッジを持たず宙に浮くように回る球形トゥールビヨンの佇まいと呼応する。第三世代のジャイロトゥールビヨンが視覚で体現してきた無重力の感覚を、素材の由来から裏打ちした構図といえる。本機は、ジュビリーが示した機構の到達点を、ジャガー・ルクルトの装飾技術の側から照らし直した作品である。


ii — Editorial

意匠分析

Visual analysis

ジャイロトゥールビヨン 3 メテオライトの個性は、文字盤に集約された複数の手工芸にある。中心となるのは隕石の象嵌である。ナミビア産のギベオン隕石は鉄ニッケル合金の結晶構造を持ち、磨き出すと幾何学的な縞模様が浮かぶ。この銀灰色の地に、深い青の輝きを放つアベンチュリンと、白いグランフー・エナメルが組み合わされる。グランフー・エナメルは高温の窯で焼き付ける伝統技法で、退色しにくい澄んだ発色が特徴である。さらに手彫りのギヨシェと彫金が加わり、一枚の文字盤に複数の技が同居する。

3時位置の昼夜表示は、細部まで作り込まれている。24時間の盤を二つの金色の半円で分け、昼側は手彫りのギヨシェと太陽光線の彫りで装い、磨き上げたローズゴールドの太陽を据える。夜側にはローズゴールドの星と月が置かれる。

機構の見せ方も本機の見どころである。球形トゥールビヨンは上部ブリッジを持たないフライング構造で、二つのケージが異なる角度・速度で逆向きに回り、宙に浮いて見える。経過分は数字が瞬時に切り替わるデジタルカウンターで読み、クロノグラフの秒は通常の針が担う。

ケースはローズゴールド製で、径43.5mm、厚さ15.8mm。ポリッシュとサテン(ヘアライン)仕上げを面ごとに切り分け、貴金属の量感を整理している。シースルーバックの先には隕石をあしらった地板とブリッジが続き、赤いルビーと金色の部品が対比をつくる。面取りや沈め彫りは手作業で磨かれている。プラチナを採ったジュビリーに対し、本機がローズゴールドを選んだことで、太陽・星・月や機械側の金色と色調が揃い、文字盤から裏側まで一貫した暖色の世界が立ち上がる。


iii — Editorial

系譜と歴史

Lineage

マスター・グランド・トラディション ジャイロトゥールビヨンが第三世代へ進んだのは2013年である。同年のSIHHで、ジャガー・ルクルトは創業180周年を記念し、グランドコンプリケーションを集めたイブリス・メカニカ・コレクションの10作目として、ジャイロトゥールビヨン 3 ジュビリー(Ref. 5036420)を発表した。エクストラホワイトプラチナのケースに収められ、生産は75本に限られた。ジュビリーは単体販売のほか、3本組の記念セットの一部としても供給された。

本機Ref. 5032441は、この第三世代を母体とする派生として、2019年10月に公表された。同年初頭のSIHHでは別系統のジャイロトゥールビヨン・ウエストミンスター・ペルペチュエルが披露されており、本機はそれとは独立した、年後半の新作にあたる。

ジュビリーとの差は素材と意匠に集中する。ケースはプラチナからローズゴールドへ、銀色のオパール文字盤は隕石・アベンチュリン・グランフー・エナメルを組み合わせた構成へと改められた。ケース径は43.5mmで共通するが、厚さは15.8mmとされ、ジュビリーの15.5mmからわずかに増している。

生産数は8本に絞られた。発表時の参考価格は55万米ドル前後と伝えられる。少数限定で製作にも長い時間を要する性格上、現行カタログに残るかは時期により異なるため、最新の供給状況は公式情報での確認が望ましい。

02 — Derivatives

同型・派生 Ref

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