「グランド・トラディション」という器
ジャガー・ルクルトのMasterは、1992年のMaster Controlに始まる。技術的な厳格さと意匠の抑制を旨とするこの系譜のなかで、ブランドが自社の最も複雑な機構を収める器として整えたのがMaster Grande Traditionである。現在の輪郭が定まったのは2009年前後とされる。ヴァレ・ド・ジューの工房は、創設以来1,200を超えるキャリバーを生み、他社にもムーブメントを供給してきた。「時計師の時計師」と呼ばれる蓄積を、ひとつのコレクションへ集約する試みだった。