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CALIBER · VACHERON CONSTANTIN

4400 QC

手巻 Handwound Analog

2017年、Cal.4400を母体にトリプルカレンダーを統合した、ヴァシュロン・コンスタンタンの手巻自社製キャリバー

4400 QC
movement · 4400 QC
図: ムーブメント — WatchBase
OVERVIEW · 概要

Cal. 4400 QCは、ヴァシュロン・コンスタンタンが2017年に発表した手巻自社製キャリバーである。2008年から同社の主要な手巻ラインを支えてきたCal. 4400を母体とし、曜日・月・日付からなる完全暦(Quantième Complet)機構を文字盤側に統合した派生機構と位置づけられる。直径29mm、厚さ4.6mm、振動数28,800vph (4Hz)、パワーリザーブ65時間、構成部品225点、石数21石。ジュネーブ・シール(Poinçon de Genève)の認定を受け、伝統的な装飾仕上げが施される。搭載モデルはヒストリーク・トリプル・カレンダー1942(Ref. 3110V)。

SPECIFICATIONS · 仕様
MakerVacheron Constantin
Reference4400 QC
TypeHandwound
DisplayAnalog
Frequency28,800 bph (4 Hz)
Jewels21 石
Power reserve65 h
Movement ⌀29 mm
HandsHours, Minutes, Small Seconds
DateDate, Day, Month
EDITORIAL · 編纂

系譜と歴史

Genealogy & history

1. Cal. 4400ファミリー — 大径手巻きベースの再構築

Cal. 4400 QCの母体となるCal. 4400は、2008年のヒストリーク・アメリカン1921で初搭載されたヴァシュロン・コンスタンタンの自社製手巻きキャリバーである。直径28.6mm、厚さ2.8mm、振動数28,800vph (4Hz)、パワーリザーブ65時間、構成部品127点、石数21石。先行するCal. 1400(直径20mm前後)が小径の手巻きドレスウォッチ向けであったのに対し、Cal. 4400は2000年代後半に主流となった40mm前後のケースに見合う比率を備えた、大径の手巻きベースとして開発された世代である。

ヴァシュロン・コンスタンタンは2007年頃からプロトタイプ段階での試作と改良を重ね、2008年に量産投入した。以降、パトリモニー・トラディショナル、トラディショナル、マルト、ヒストリークなど同社の主要な手巻きラインを横断する基幹ムーブメントとして展開されている。

2. 2017年 — トリプルカレンダーへの拡張

2017年、ヒストリーク・トリプル・カレンダー1942および1948の2機種が発表され、これに合わせてCal. 4400 QCおよびCal. 4400 QCLが投入された。QCはフランス語Quantième Complet(完全暦)の略で、曜日・月・日付の3要素を一括表示する複雑機構を指す。QCLは更にムーンフェイズ(Lune)を追加した仕様で、構成部品が225点から253点へ増える。

この2機種が範とした原型は、1942年に発表された参考番号Ref. 4240(三重暦)と、1948年にムーンフェイズを追加したRef. 4240Lに遡る。当時搭載されていたのは手巻きCal. 485であり、現代のCal. 4400 QC/QCLは設計を一から起こした新世代の派生機構として位置づけられる。

3. 派生機構の系譜

Cal. 4400には、用途に応じた複数の派生機構が存在する。スモールセコンドを6時位置に配したCal. 4400 AS、スケルトン仕上げのCal. 4400 SQ、機械彫りによる装飾を施したCal. 4400/1、そしてトリプルカレンダーのCal. 4400 QC・Cal. 4400 QCL。いずれもベース設計の輪列・香箱・脱進機を共有しつつ、機能と装飾で枝分かれする構成である。Cal. 4400 QC/QCLの場合、カレンダー機構はムーブメント文字盤側(ダイヤル側)に組み込まれており、シースルーバックから見える裏面の景観は、装飾的にはベースのCal. 4400に近い構成を維持する。

MECHANISM · 機構と仕様

技術解説

Technical breakdown

基本仕様 — 数値の意味

Cal. 4400 QCの主要諸元は、直径29mm、厚さ4.6mm、振動数28,800vph (4Hz)、パワーリザーブ65時間、構成部品225点、石数21石である。香箱は単一の大型香箱を採用する。テンプの振動数28,800vphは1秒間に8振動、すなわち4Hzに相当し、現代の機械式時計におけるドレスウォッチ系の標準的な振動数である。振動数を高めることで秒針の動きが滑らかになると同時に、テンプの慣性によって外乱への耐性が高まる。

ベースのCal. 4400(構成部品127点)に対し、Cal. 4400 QCは98点多い。この差分の大半がカレンダー機構を構成する部品で、機構の物理的な複雑性が部品点数からも読み取れる。ムーンフェイズを加えたCal. 4400 QCLは更に28点増の253点となる。

トリプルカレンダー機構 — 文字盤側の構成

QC(Quantième Complet)機構は、曜日・月・日付の3つの暦情報を一括で進める機構である。文字盤上では、12時位置の双子窓に曜日と月、外周にポインター式の日付針が配される、伝統的なクォンティエム・コンプレ型のレイアウトを採用する。

機構自体はムーブメント文字盤側に組み込まれており、24時間で1回転する駆動輪が日送りツメを介して曜日車・日付車を1ステップ進め、月車は31日ごとに1ステップ進む構成である。月の長短(30日・31日)や閏年を自動補正する永久カレンダーや年次カレンダーではなく、奇数月・偶数月の末日や2月末に手動修正を要する仕様である。これはクォンティエム・コンプレの古典的な定義に沿うもので、機構の単純さと修理性を優先した設計と言える。

仕上げとジュネーブ・シール

Cal. 4400 QCはジュネーブ・シール(Poinçon de Genève)の認定を受ける。ジュネーブ・シールは1886年にジュネーヴ州議会が制定した認証制度で、ジュネーヴ州内で組立・調整・ケーシング・最終検査が行われた機械式ムーブメントを対象とし、伝統的な装飾仕上げの基準を定める。2011年の制度改定では、ケーシング後の精度試験(日差±1分/24時間×7日)、防水性、パワーリザーブの実測値検証が加わり、ムーブメント単体ではなく完成時計全体を評価する制度に再編された。

Cal. 4400 QCの仕上げ要素は、ブリッジに施されるコート・ド・ジュネーブ(横筋状のストライプ装飾)、地板のペルラージュ(円弧状の磨き模様)、輪列のサーキュラーグレイン、面取りされたブリッジのエッジ、研磨されたネジ頭、ジュエルの面取りされたシンクなど、要素ごとに伝統的な手法が組み合わされる。香箱表面はサンレイ・ブラッシング(放射状の磨き仕上げ)で仕上げられる。

テンプの調整は緩急針(レギュレーター)による方式を採用しており、可変慣性式のフリースプラング型は用いられない。また、ジュネーブ・シールの伝統的な要件に沿い、機構部にシリコンなどの合成素材は用いられない構成である。

04 — CARRIERS · 搭載モデル一覧

このキャリバーを搭載する 1 本のリファレンス

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