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CALIBER · HUBLOT

HUB4100

自動巻 Automatic Analog

2005年、初代ビッグ・バンを駆動した、ETA/ヴァルジュー7753系をベースとするHublotの自動巻クロノグラフ

OVERVIEW · 概要

HUB4100は、ETA/ヴァルジュー7753をベースとするHublotの自動巻クロノグラフである。毎時28,800振動 (4Hz) で駆動し、約42時間のパワーリザーブを備える。30分積算計を3時に置く左右対称配置と、カム式のクロノグラフ機構を特徴とする。Hublotはローターを自社意匠のスケルトナイズドへ置き換え、堅牢な汎用基盤に独自の表情を与えた。2005年発表のビッグ・バンに初搭載され、現在もビッグ・バン・オリジナルの系譜を支える。デイト機能を備え、9時のスモールセコンドが常時運針する。

SPECIFICATIONS · 仕様
MakerHublot
ReferenceHUB4100
TypeAutomatic
DisplayAnalog
Frequency28,800 bph (4 Hz)
Jewels25 石
Power reserve42 h
Movement ⌀30 mm
HandsHours, Minutes, Small Seconds
DateDate
ChronographChronograph
EDITORIAL · 編纂

系譜と歴史

Genealogy & history

1. 7750という礎

HUB4100の出自を語るには、まずヴァルジュー7750に遡る必要がある。7750は、1973年から74年にかけてエドモン・カプの設計で生まれた自動巻クロノグラフである。カム式の制御機構を採り、堅牢さと量産性を両立させた。直後にクォーツ・ショックが業界を襲い、一度は生産が縮小されたが、機械式時計の復権とともに息を吹き返す。以後、数多のブランドがこの機構を自社クロノグラフの土台として採用し、7750は事実上の業界標準へと育った。

7753は、その一族に2002年ごろ加わった派生である。基本形が12時・6時・9時に小針を配するのに対し、7753は30分積算計を3時へ移し、左右対称の配置を実現した。この配置は後年、ビッグ・バンの文字盤意匠と分かちがたく結びつく。

2. ビッグ・バンという事件

Hublotは1980年、カルロ・クロッコがバーゼルで創業した。金無垢ケースに天然ラバーストラップを組み合わせる発想は、当時として型破りであった。異質な素材を融合させる「フュージョン」の思想は、以後ブランドの背骨となる。

転機は2004年、ジャン-クロード・ビバーがCEOに就いたことで訪れる。翌2005年、ビバーはビッグ・バンを発表した。大径ケース、セラミックやケブラーを織り交ぜた素材構成、そして力強いクロノグラフ。市場は熱狂で応え、Hublotは一躍世界の舞台へ躍り出る。2008年にはLVMHが同社を傘下に収めた。

このビッグ・バンの心臓に据えられたのが、7753をベースとするHUB4100であった。Hublotはローターを自社意匠のスケルトナイズドへ置き換え、仕上げを整えたうえで自社の型番を刻んだ。

3. 供給基盤という選択

完成された汎用機構を土台に用いる手法は、時計史において珍しいものではない。名門の多くも、長らく外部供給のエボーシュや専業メーカーの機構に依拠してきた。堅牢で実績ある基盤を選ぶことは、合理的な設計判断の一つである。

一方でHublotは、量産の枠を超えた独自機構への道も歩んだ。2010年代初頭には自社開発のUNICOクロノグラフを世に問い、コラムホイールとフライバックを備えた一体型機構として展開する。HUB4100は、その自社製ラインと併走しながら、ビッグ・バン・オリジナルの系譜を支える基幹として現在も生き続けている。

MECHANISM · 機構と仕様

技術解説

Technical breakdown

HUB4100は、ETA/ヴァルジュー7753をベースとする自動巻クロノグラフである。7753はヴァルジュー7750系に属し、クロノグラフ機構を地板に組み込んだ一体型(インテグレーテッド)構造を継ぐ。別体のモジュールを上載せする方式と異なり、操作感の確かさと整備性に長所をもつ。

振動数とテンプ

毎時28,800振動 (4Hz) で駆動する。テンプ(時間の基準を刻む調速機)が1秒間に8回振れる計算で、4Hz機は日常使用での安定性と秒運針の滑らかさの均衡点とされる。耐震機構にはインカブロックを備え、落下時の衝撃からテンプの軸(ホゾ)を保護する。ヒゲゼンマイ(テンプの周期を司る渦巻状のばね)とテンワの慣性モーメントが共振の周期を定め、精度の土台を成す。7750系のテンワは歴史的な大型テンプに比べ径が小さく、巻き上げ効率と安定性を優先した構成として知られる。

クロノグラフ機構

作動制御はカム(板カム)式である。コラムホイール式に比べ構造が簡潔で、量産と整備の両面で安定する設計思想に立つ。7753の個性は積算計の配置にある。基本形の7750が12時・6時・9時に小針を置くのに対し、7753は30分積算計を3時へ移し、3時・6時・9時の左右対称(トリコンパックス)配置をとる。これによりダイヤルの均衡が整い、ビッグ・バンの文字盤意匠とも調和する。9時のスモールセコンドは常時運針、6時は12時間積算計、デイトの修正は10時のコレクターから行う。

巻き上げと香箱

ローターは片方向巻き上げで、香箱(ぜんまいを収める容器)に約42時間ぶんのエネルギーを蓄える。Hublotはこのローターをスケルトナイズドの自社意匠へ置き換え、サファイアの裏蓋越しに見える表情を整えた。地板側の輪列(歯車の列)や自動巻機構は7753系の構成を踏襲する。機構が業界に広く普及した結果、構造と挙動がよく知られ、保守の手順や部品の規格が安定している点も、この基盤を選ぶ実利の一つである。特殊な専用工具に頼らずとも整備の見通しが立ちやすい構成といえる。

仕上げと諸元

直径30mm、厚さ7.9mm。石数は7753の標準仕様にならい27とされるが、25と記載する資料もあり、出典により揺れる。地板やローターには面取りや装飾が施され、量産機をベースとしながらブランドの表情を与える。ケース素材を融合させるHublotの「フュージョン」の思想は、実績ある既存機構を自社の文脈へ取り込む姿勢にも通じる。

04 — CARRIERS · 搭載モデル一覧

このキャリバーを搭載する 2 本のリファレンス

This caliber appears in 2 references