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Ulysse Nardin · Diver

Diver Chronometer Titanium / Black / Yoshida

ヨシダのために誂えられた50本。赤いベゼルを差したダイバー クロノメーターの特別仕様

1183-170LE-7M/92-J.2は、東京の時計店YOSHIDA(ヨシダ)のために製作されたダイバー クロノメーターの限定仕様である。2021年に発表されたとされ、生産は50本。44mmのチタンケースと300m防水という基本骨格は2018年登場のレギュラーモデルを踏襲しつつ、ベゼルの0〜20分をレッドで彩り、文字盤の表記を整理した独自の意匠を持つ。ブルーを差した姉妹機J.1と対をなす、日本市場ならではの一本である。

Ref. 1183-170LE-7M/92-J.
限定 限定 50
コレクション Diver
カテゴリ ダイバーズ
キャリバー UN-118
ケース径 44 mm
防水 300 m
関連人物 ユリス・ナルダン / ロルフ・W・シュナイダー
デイト
01 — Specification

仕様

As of WatchBase sync · 2026.06.12
このモデルを比較する
Case · ケース
素材 Titanium
形状 Round
径 44 mm
ガラス Sapphire
裏蓋 Open
防水 300 m
Movement · ムーブメント
キャリバー UN-118
タイプ Automatic
振動数 28,800 bph
石数 50 石
パワーリザーブ 60 時間
Dial · 文字盤 / Hands · 針
文字盤色 Blue
インデックス Stick / Dot
i — Editorial

設計思想

Design philosophy

一軒の時計店のために作られた限定

1183-170LE-7M/92-J.2は、ユリス・ナルダンが東京・幡ヶ谷の時計店YOSHIDA(ヨシダ)のために製作したスペシャルモデルである。ヨシダは1920年創業の老舗正規販売店であり、ユリス・ナルダンとは継続的な協業関係を持つ。フリーク X カーボンやUFOクロックのグリーン仕様など、同店向けの限定は複数のコレクションにまたがって存在し、本機はその系譜に連なるダイバー版にあたる。

世界規模で流通する数百本単位の限定とは異なり、一軒の店のためだけに50本を仕立てるという形式は、ブランドと販売店の距離の近さを物語る。型番末尾の「J」は日本向けであることを示し、ブルー仕様がJ.1、本機のレッド仕様がJ.2と振り分けられた。

ベースは2018年世代のダイバー クロノメーター

土台となったのは、2018年に発表されたダイバー クロノメーター 44mmである。前身のマリーン ダイバーが持っていた波模様の文字盤や装飾的なディテールを整理し、砂目調の文字盤と直線的な針で視認性を高めた世代で、ユリス・ナルダンのダイバーズが「引き算」へ舵を切った転換点と位置づけられる。

ヨシダ仕様は、この設計思想をさらに一歩進めた解釈と読める。文字盤上の表記を9時側のブランドロゴ中心に整理し、ベゼルの配色で個性を打ち出すという手法は、レギュラーモデルの簡素化路線を限定ならではの形で徹底したものといえる。機構面ではレギュラーと同じ自社製Cal.UN-118を搭載し、仕様の根幹には手を加えていない。

2色一対という構成

本機を語るうえで欠かせないのが、同時に用意されたブルー仕様のJ.1の存在である。黒い砂目調文字盤とチタンの外装を共有しながら、差し色だけを赤と青で振り分けた2本は、単独の限定ではなく一対の企画として成立している。各50本という生産数も共通する。

さらにヨシダ向けには、同じ意匠言語を持つダイバー クロノメーター トゥールビヨン(Ref. 1283-170LE-7M/92-J.1、10本限定)も存在し、3針の本機はその普及版という側面も持つ。レギュラーコレクションの一派生でありながら、特定の店と市場のために編成された小さなファミリーの一員である点が、このRefの固有性といえる。


ii — Editorial

意匠分析

Visual analysis

本機の意匠の核心は、ベゼルの配色にある。レギュラーモデルでは黒一色だった逆回転防止ベゼルの0〜20分域に鮮やかなレッドを差し、潜水経過時間の初期領域を視覚的に区分した。ダイバー クロノメーター特有のすり鉢状にくぼんだベゼルとドーム型サファイアの組み合わせはそのままに、配色だけで印象を一変させている。

文字盤はレギュラー同様の砂目調ブラックだが、表記は9時側に縦組みされたブランドロゴを中心に整理され、すっきりとした表情に仕上げられたとされる。この縦一列のロゴ配置は、同社のマリーン クロノメーターの意匠に由来すると伝わる要素である。12時位置のパワーリザーブ表示と、日付を内包する6時位置の大型スモールセコンドには赤のアクセントが呼応し、ベゼルとの統一感を生む。

ケースは44mm径のチタン製で、ヘアライン仕上げを基調に面の稜線へポリッシュを効かせる。300m防水でありながらシースルーバックを備える点は2018年世代からの特徴で、シリシウム製ヒゲゼンマイとDIAMonSIL(ダイヤモンド被膜シリコン)製脱進機を持つCal.UN-118を裏側から観察できる。毎時28,800振動 (4Hz)、パワーリザーブ約60時間、クロノメーター認定という中身はレギュラーと共通である。

外装で実用上の差となるのが付属品の構成で、チタンブレスレットに加えてブラックのラバーストラップが同梱される。ケースサイドに個体番号が刻まれる点も、50本という生産数を実感させる仕立てである。


iii — Editorial

系譜と歴史

Lineage

本機の前史は、2018年のダイバー クロノメーター 44mmコレクション発表に始まる。マリーン ダイバーに代わる新世代として登場したこのコレクションが、ヨシダ仕様の土台となった。

レッドを差した本機J.2と、ブルーのJ.1は、2021年にYOSHIDAスペシャルモデルとして発表されたとされる。生産は各50本で、ケースサイドには個体番号が入る。流通例の保証書には2022年2月の日付が確認でき、遅くとも同時期には店頭での販売が始まっていたことがわかる。なお流通個体には2025年の日付を持つ保証書も見られ、販売が数年にわたって続いたことがうかがえる。

2023年2月には、ヨシダと連動する時計メディアGressiveの連載でJ.2が紹介され、同年9月の記事でも取り扱いが続いていることが確認できる。この間、仕様変更や追加生産の記録は見当たらず、限定50本という枠組みは発表時のまま維持されている。

姉妹機としては、ブルー仕様のJ.1のほか、トゥールビヨン搭載のダイバー クロノメーター トゥールビヨン(1283-170LE-7M/92-J.1、10本限定)が同じヨシダ向けファミリーを構成する。2026年現在もヨシダの商品リストには本機が掲載されているが、限定モデルの性格上、在庫状況は流動的である。


Sources

出典

本文の執筆にあたって参照した資料。閲覧日は内容を確認した日を示す。

  1. 01 専門メディア Ulysse Nardin Caliber UN118 Watch Movement 専門メディア · Caliber Corner · 2026.08.15 閲覧 Caliber Corner · 2026.08.15
  2. 02 専門メディア Ulysse Nardin caliber UN-118 (movement specification) 専門メディア · Your Watch Hub · 2026.08.15 閲覧 Your Watch Hub · 2026.08.15
02 — Derivatives

同型・派生 Ref

Color · material · bracelet variants