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ROLEX · SERIES

Datejust 31

デイトジャスト 31

36mmと26mmの中間に置かれた31mm。デイトジャストの意匠を凝縮した、境界のサイズ。

01 — 概要 / SUMMARY

デイトジャスト 31は、1945年に始まるロレックス デイトジャストの中間サイズである。36mmの標準モデルと26/28mmのレディースの間を埋める31mmケースとして、1970年代後半に輪郭を得た。回転しないベゼル、3時位置の日付、サイクロップスレンズという本流の意匠をそのまま受け継ぐ。現行はオイスタースチールからロレゾール、無垢金までを揃え、オイスター/ジュビリー/プレジデントの各ブレスから選べる。シリコン製のSyloxiひげぜんまいを持つCal. 2236を搭載する世代が、その現在地である。

02 — STORY · 物語

Datejust 31(デイトジャスト 31)、これまでの軌跡

The story of this series
01

中間サイズという問い

デイトジャストは1945年、ロレックスの創業40周年を記念して発表された。自動巻、防水のオイスターケース、そして文字盤上の窓で日付が自動で切り替わる——この三つを一本にまとめた最初の腕時計である。発表時のケース径は36mm、男性用の寸法であった。

日付窓を備えた実用時計という性格は、すぐに幅広い層へ広がる。1957年にはケース径26mmのレディ デイトジャストが加わった。だが36mmと26mmの間には、大きな空白が残された。手首の細い人には36mmは大きく、26mmでは物足りない。その中間を満たす寸法が、まだなかった。

31mmという中間サイズは、この空白を埋めるために整えられていく。男性用とも女性用とも言い切れない、境界に置かれた寸法である。

02

Ref. 6824 — ミッドサイズの輪郭

中間サイズのデイトジャストとして広く知られる初期世代が、Ref. 6824およびRef. 6827である。現存する個体の多くは1970年代後半の製造とされ、31mmのオイスターケースに、無垢ベゼルまたはフルーテッドベゼルを組み合わせる。風防はまだアクリル樹脂であった。

この世代は、デイトジャスト本流の意匠をそのまま縮小した姿をとる。3時位置の日付、サイクロップスレンズ、ジュビリーまたはオイスターのブレス。寸法こそ小ぶりだが、一目でデイトジャストと分かる顔立ちがここで定まった。

ムーブメントには、当時のレディース系自動巻であるCal. 2030系が用いられたとされる。時刻と独立して日付を送るクイックセット機構は、1979年に登場したCal. 2035で導入されたと伝わる。この機能は後の世代へ受け継がれていく。

03

サファイアとクイックセット — 68xxx世代

1983年頃、中間サイズは大きく刷新される。Ref. 68240(無垢ベゼル)やRef. 68274(ホワイトゴールド製フルーテッドベゼル)に代表される68xxx世代である。

最大の変更は風防だった。傷の付きにくいサファイアクリスタルが採用され、アクリル風防の時代は終わる。同時にムーブメントはCal. 2135へ移行し、毎時28,800振動 (4Hz) の現代的なテンポを得た。クイックセット日付も標準となり、日常の使い勝手が一段と高まる。

68xxx世代は長く生産され、中間サイズデイトジャストの基準形となった。スチール、ロレゾール、無垢金と素材の選択肢も広がり、文字盤やベゼルの組み合わせは膨大な数に達する。

04

「デイトジャスト 31」という名 — 78xxx・178xxx

1990年代後半、ムーブメントは再び更新される。Ref. 78240・78274に代表される78xxx世代は、Cal. 2235を搭載した。耐磁性と耐衝撃性を高めた、より新しい設計の自動巻である。

2000年代後半には178xxx世代が続く。リハウト(文字盤外周の内側リング)へのロレックス刻印、より重厚なブレスとクラスプの改良が施された。外観の基本は変わらないまま、つくりの密度が上がっている。

この時期、ロレックスは中間サイズを正式に「デイトジャスト 31」と呼ぶようになる。それまで通称として使われてきた「ミッドサイズ」が、カタログ上の正式名称へ整理された。31という数字が、ケース径そのものを名に冠している。

05

Cal. 2236とシリコンの時代 — 278xxx

2018年、デイトジャスト 31は現行の278xxx世代へ移行する。ケースのプロポーションが見直され、ラグやベゼルの仕上げがより現代的に整えられた。

中核となるのが、ムーブメントのCal. 2236である。このキャリバーは2014年、デイトジャスト パールマスター34で初めて世に出た。ロレックス初のシリコン製ひげぜんまい「Syloxi」を備えた機械である。シリコンは磁気の影響を受けず、温度変化にも強い。パワーリザーブは約55時間に伸びた。

Syloxiは、小径・中径のムーブメント向けに開発された技術とされる。男性用の大型キャリバーが青いParachromひげぜんまいを採るのに対し、デイトジャスト 31はシリコンの系譜に属する。同じデイトジャストでも、サイズによって異なる調速機構を選ぶ。その分岐点に、この31mmは立っている。

現行コレクションは、オイスタースチールからロレゾール、無垢金までを揃える。フルーテッド、ドーム、宝石留めの各ベゼル、そして花柄やマザーオブパールを含む多彩な文字盤。装飾表現の幅広さが、現在のデイトジャスト 31を特徴づけている。

03 — DESIGN · 設計思想

意匠を貫く設計言語

What this series guards, and what it lets change

デイトジャスト 31の設計は、「変えないこと」を軸に組み立てられている。70年以上を経てもデイトジャストと認識できる顔立ちは、いくつかの要素を頑なに保つことで成り立つ。

第一に、回転しないベゼルである。ダイバーズウォッチの相棒たちが計時のために回転ベゼルを持つのに対し、デイトジャストのベゼルは固定されている。スムース、ドーム、フルーテッド、宝石留め。形状は選べるが、いずれも時間を計る道具ではなく、文字盤を縁取る視覚的な額縁として働く。とりわけフルーテッドベゼルは、もともと防水のためケースへねじ込む機能部品であったとされるが、現在では意匠の記号として残る。

第二に、3時位置の日付とサイクロップスレンズ。デイトジャストの名そのものである日付表示は、拡大レンズを伴って常に同じ位置に置かれる。針は直線的なバトン、インデックスはバーかローマ数字か。この構成が、サイズを越えてシリーズの統一感を生む。

中間サイズという寸法そのものも、ひとつの設計判断である。31mmは、視認性を確保しながら手首の上で過度に主張しない均衡点に置かれた。36mmほど存在を誇示せず、26mmほど控えめでもない。ラグの形状やブレスとの一体感も、この均衡を崩さないよう調整されている。

デイトジャスト 31を他のサイズと分けるのは、装飾への傾きである。36mmや41mmが比較的禁欲的な文字盤を保つのに対し、31mmでは宝石留めのベゼル、マザーオブパール、花柄ダイヤルといった表現が積極的に展開される。中間サイズは、デイトジャストの設計言語を保ちながら、最も自由に着飾ることのできる場として育てられてきた。控えめな本流と、装飾の余地。その両立が、この寸法の設計思想である。

04 — MOVEMENT EVOLUTION

ムーブメントの変遷

Calibers across the decades
1970年代後半-1983
Cal. 2030 / 2035 系
中間サイズ初期の自動巻。1979年にクイックセット。
1983-1990年代後半
Cal. 2135
毎時28,800振動化。サファイア世代を支える。
1990年代後半-2018
Cal. 2235
長期の主力。小径のデイトモデルを支えた。
2018-現在
Cal. 2236
Syloxiシリコンひげぜんまい。約55時間巻き。
05 — REFERENCE EVOLUTION

Ref. 変遷

Reference generations
1970年代後半-1983

中間サイズの初代世代

6824 6827
31mmで中間サイズを確立。アクリル風防の初期世代。
1983-1990年代後半

サファイア風防への刷新

68240 68274
サファイア風防とクイックセットを採用。Cal. 2135へ。
1990年代後半-2000年代

Cal. 2235への移行期

78240 78274
Cal. 2235を搭載し、耐磁・耐衝撃性を高めた世代。
2000年代後半-2018

「デイトジャスト 31」確立

178240 178274
正式名称とリハウト刻印を導入。ブレスを改良した。
2018-現在

ケース刷新とSyloxi

278240 278274
ケースを刷新し、Cal. 2236を搭載。Syloxiを採用。
Sources

出典

本文の執筆にあたって参照した資料。閲覧日は内容を確認した日を示す。

  1. 01 専門メディア Rolex 278278-0003 : Datejust 31 Yellow Gold / Fluted / Malachite / Oyster 専門メディア · WatchBase · 2026.10.11 閲覧 WatchBase · 2026.10.11
  2. 02 専門メディア Rolex Begins Using Silicon "Syloxi" Hairsprings In Caliber 2236 Watch Movements 専門メディア · aBlogtoWatch · 2026.10.11 閲覧 aBlogtoWatch · 2026.10.11
06 — ALL REFERENCES

このシリーズの全 1 モデル

1 references in archive