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Omega · Railmaster · 2017

Railmaster Omega Co-Axial Master Chronometer 40 Stainless Steel / Grey / Bracelet

2017年、耐磁の出自をCal.8806で取り戻した、40mm・全面サテン仕上げの黒文字盤レイルマスター

220.10.40.20.01.001は、オメガが2017年のBaselworldで披露した40mmのレイルマスターである。そのうち黒文字盤とスティールブレスレットを組み合わせた仕様にあたる。縦ヘアラインを施したスティール製文字盤、全面サテン仕上げの対称ケース、閉じた裏蓋という簡潔な構成をとる。搭載するCal.8806はMETAS認定のマスター クロノメーターで、15,000ガウスの耐磁性能を持つ。2003年世代で途切れていた耐磁という出自を、ムーブメントの側から取り戻したRefである。2025年の38mm世代登場に先立ち、生産を終えている。

Ref. 220.10.40.20.01.001
発表年 2017
状態 現行品
限定 通常生産
コレクション Railmaster
カテゴリ フィールド
キャリバー 8806
ケース径 40 mm
防水 150 m
関連人物 ルイ・ブラント / ジョージ・ダニエルズ
01 — Specification

仕様

As of WatchBase sync · 2026.09.22
このモデルを比較する
Case · ケース
素材 Stainless Steel
形状 Round
径 40 mm
厚さ 12.65 mm
ガラス Sapphire
裏蓋 Closed
防水 150 m
Movement · ムーブメント
キャリバー 8806
タイプ Automatic
振動数 25,200 bph
石数 35 石
パワーリザーブ 55 時間
Dial · 文字盤 / Hands · 針
文字盤色 Grey
インデックス Stick / Dot
針 Stick
i — Editorial

設計思想

Design philosophy

1. 60周年の陰で披露された新しいレイルマスター

2017年、オメガはスピードマスター、シーマスター300、レイルマスターの三部作が生まれて60年を迎えた。Baselworld 2017で同社が前面に押し出したのは、1957年の三本を再現した記念限定版である。本機を含む40mmのレイルマスター コレクションは、その傍らで静かに披露された。MonochromeやDeployantは、これを会期中の隠れた注目作として取り上げている。

背景には、2015年のグローブマスターに始まるマスター クロノメーター化の流れがある。この認定はMETAS(スイス連邦計量・認定局)の試験で、15,000ガウスへの耐性まで確認する。耐磁時計として生まれたレイルマスターの出自と重なる基準である。記念限定版が過去を再現する役割を担ったのに対し、本機はその出自を現行の技術基準で語り直す通常生産モデルとして置かれた。

2. 前任世代から取り戻したもの

直接の前任にあたるのは、2003年にアクアテラの系譜で復活した世代である。2503.52.00に代表されるこの世代は、Cal.2403を積んで名前と意匠を継いだ。しかし初代のような耐磁機構は備えていなかった。本機は、そこで途切れていた耐磁という存在理由をレイルマスターの名に戻した。

ただし、その手段は初代とも異なる。本機はケースに軟鉄の覆いを持たず、耐磁性能はCal.8806自体が担う。同じCal.8806は38mmの記念限定版220.10.38.20.01.002にも搭載された。2017年の二つのレイルマスターは、中身を共有しながら外装で役割を分けたことになる。

3. 復刻ではなく、現代の道具として

限定版が38mmで初代を忠実に再現したのに対し、本機は40mmへ拡大し、現代的な外装を与えられた。限定版の防水性能が60mとされるのに対し、本機はねじ込み式リューズで150m防水を確保している。スティール製の文字盤に縦ヘアラインを施す処理も、歴史的な裏付けを持つものではないとMonochromeは指摘した。本機が目指したのは古い時計の再現ではなく、1950年代の道具時計が持っていた簡潔さを現代の仕様で組み直すことであった。

本機は、METAS認定のムーブメントを、回転ベゼルもクロノグラフも持たない簡素な外装に収めた。機能を足さずに認定ムーブメントを据えるこの構成が、40mm世代のレイルマスターの性格を決めている。

4. 黒文字盤とブレスレット、そして後継へ

3色で展開された40mm世代のなかで、本機は黒文字盤にスティールブレスレットを合わせた仕様である。暗い文字盤と金属の外装が途切れなく続く外観は、この世代の道具的な性格をそのまま映している。

2025年に登場した後継の38mm世代は、アクアテラと共通の意匠を持つケースに研磨面を加えた。文字盤はグラデーションとなり、裏蓋はシースルーに改められた。スモールセコンドのCal.8804を積む派生も用意されている。全面サテンのケースと閉じた裏蓋という本機の構成は、結果として40mm世代だけの表現となった。


ii — Editorial

意匠分析

Visual analysis

ケースは直径40mmのステンレススティール製で、リューズガードを持たない左右対称の形状をとる。ベゼルは平坦で、ラグは竪琴のように湾曲するリラ型である。ケースからブレスレットまで、表面はすべてサテン仕上げで統一された。反射を抑えた外装は、計器としての性格を前に出す選択と読める。ラグ全長は47mmに収まり、40mm径のケースを間延びさせない。

文字盤の素材には、一般的な真鍮ではなくスティールが選ばれた。その表面には深い縦方向のヘアラインが刻まれる。公式の色名は黒だが、光の角度によってはグレーにも見え、専門誌はアンスラサイトと表現した。両面に無反射コーティングを施したドーム型サファイアクリスタル越しには、青みを帯びて見えることもあるという。

インデックスは植字(アプライド)ではない。文字盤に設けた窪みに、ヴィンテージ調のスーパールミノヴァ(蓄光夜光塗料)を充填する方式である。3・6・9・12時には細身のアラビア数字が印刷され、中央には十字線、外周には線路を思わせる分目盛りが走る。ベージュで転写された「Railmaster」の文字が、暗い面にわずかな温度を添える。

針はブラッシュ仕上げのスティール製で、インデックスと同じ色調の夜光が塗布される。秒針には先端に円形の夜光部を備えたロリポップ型が採用された。

裏蓋はシースルーではなく、縁に波模様を施したソリッドバックである。ナイアードロック(締め込んでも刻印の向きが揃う機構)により、表記は常に正位置に収まる。ブレスレットはケースに一体化するように取り付けられ、バタフライクラスプで留める。

ムーブメントは自社製のCal.8806である。コーアクシャル脱進機(摩擦を抑えた独自の脱進機構)と、シリコン製ヒゲゼンマイ「Si14」を備える。振動数は毎時25,200振動 (3.5Hz)、パワーリザーブは55時間である。日付機構を省いたCal.8800系の派生にあたる。ロジウムメッキにアラベスク状のジュネーブウェーブを施した仕上げは、閉じた裏蓋に隠れて見えない。この選択を、Deployantは初代に倣った時代考証として評価し、Monochromeはムーブメントが見えない点を惜しんだ。


iii — Editorial

系譜と歴史

Lineage

220.10.40.20.01.001の初出は、2017年3月23日から30日まで開かれたBaselworld 2017である。オメガのブースでは、60周年記念の限定復刻版と同時に展示された。プレスキットにも公式サイトにも掲載されず、その存在は専門誌の現地取材を通じて知られることになった。

公式の仕様書がないまま報道が先行したため、会期中はリューズがねじ込み式か否かをめぐって記述が割れた。4月初旬までにオメガは、150m防水、ねじ込み式リューズ、ケース厚12.65mm、ナイアードロック式の裏蓋を確認している。発表時点の名称は「Seamaster Aqua Terra Railmaster」とされた。

初出時の文字盤は、黒(アンスラサイトとも表現された)とシルバーの2色である。それぞれにスティールブレスレット仕様の220.10系と、ストラップ仕様の220.12系が用意された。本機はその黒文字盤とブレスレットの組み合わせにあたる。同年12月には公式サイトへの掲載が確認されたと伝わる。

2018年には、デニムに着想を得たブルー文字盤が加わった。ブレスレット仕様の220.10.40.20.03.001と、ストラップ仕様の220.12.40.20.03.001である。専門誌による紹介は同年夏に相次いだ。後者には、デニムとレザーを組み合わせたNATOストラップが付属する。これにより40mm世代は3色の構成となった。生産期間を通じて、本機の文字盤やケースに目立った仕様変更は報じられていない。

生産終了の正確な時期は公式に示されていない。2025年5月には、38mmの新世代(235.10.38.20.06.001ほか)が発表された。その時点で、40mm世代はすでに生産を終えていたと報じられている。現在、オメガ公式サイトの本機ページには生産終了の表示が掲げられている。


Sources

出典

本文の執筆にあたって参照した資料。閲覧日は内容を確認した日を示す。

  1. 01 専門メディア New: Omega Denim-inspired Railmaster 専門メディア · Deployant · 2026.10.09 閲覧 Deployant · 2026.10.09
  2. 02 専門メディア Omega Seamaster Railmaster 2025 | INTRODUCING 専門メディア · Time+Tide · 2026.10.09 閲覧 Time+Tide · 2026.10.09
  3. 03 専門メディア Omega 220.10.40.20.03.001 : Railmaster Omega Co-Axial Master Chronometer 40 Stainless Steel / Blue / Bracelet 専門メディア · WatchBase · 2026.10.09 閲覧 WatchBase · 2026.10.09
  4. 04 専門メディア Omega 220.12.40.20.01.001 Railmaster 専門メディア · WatchBase · 2026.10.09 閲覧 WatchBase · 2026.10.09
  5. 05 専門メディア Introducing the Omega Railmaster ‘Denim’ Co-Axial 専門メディア · Watches by SJX · 2026.10.09 閲覧 Watches by SJX · 2026.10.09
02 — Price history

価格推移

2017–2022 · WatchLedger market index
2017-09-29 · EUR 5,0002019-05-01 · EUR 4,9002020-02-20 · EUR 4,9002020-10-01 · EUR 5,2002021-06-21 · EUR 5,2002022-02-07 · EUR 5,500€4,900€5,050€5,200€5,350€5,5002017-092022-02

出典: WatchBase 観測価格 · 通貨タブ(JPY / USD / EUR)で系列を切替できます。

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