本文へ
OMEGA · SERIES

Constellation

コンステレーション

1952年、オメガ初の量産クロノメーター。各時代の意匠で精度を語りつづけ、星と天文台メダリオンだけを変えなかった系譜

41 mm
01 — 概要 / SUMMARY

Constellation(コンステレーション)は、1952年にオメガが発表した、ブランド初の量産クロノメーター・コレクションである。1933年から1952年にかけて同社が天文台クロノメーター競技で収めた成績が、文字盤6時の星とケースバックの天文台メダリオンに刻まれている。1950年代のパイパン・ダイヤル、1964年のジェラルド・ジェンタによるCシェイプ、1982年のマンハッタンの4本の爪、2015年のグローブマスター、そして2026年のオブザーバトリー・コレクション。意匠を大胆に書き換えながら、認定クロノメーターであるという系譜だけを74年間継承してきた、オメガの精度の年代記である。

02 — STORY · 物語

Constellation(コンステレーション)、これまでの軌跡

The story of this series
01

センテナリーから始まる、精度の系譜

1948年、オメガは創業100周年を記念するセンテナリー(Centenary)を発表した。18金製、自動巻き、認定クロノメーター。約6,000本の限定で、設計はのちにコルムを共同創立するルネ・バンワール。反響は予想を上回り、オメガは認定クロノメーターの自動巻き腕時計をシリーズ展開する決意を固める。

その答えが1952年のConstellationだった。当時オメガは、クー=テディントン、ヌーシャテル、ジュネーブの天文台クロノメーター競技で業界屈指の成績を上げ続けていた。シリーズ名、文字盤6時位置の星、そしてケースバックの天文台と8つの星のメダリオン。すべてがその実績を可視化する装置として設計された。

02

「The Swiss Watch」と呼ばれた時代

初代ConstellationはCal. 352/354 — バンパー式の自動巻きキャリバー — を搭載した。Ref. 2648、2652、2782。これらの初期Refからシリーズは主力ドレスウォッチとしての地位を急速に固める。1956年からはフルローター式のCal. 501、505、そして1959年からの551/561/564へと続いた。これらが1960年代の基幹キャリバーとなる。

当時、Constellationは英語圏で「The Swiss Watch」と呼ばれていたとされ、エルヴィス・プレスリーら著名人にも愛用された。アメリカ市場では発売当初、「Constellation」の名称が他社商標と抵触したため「グローブマスター(Globemaster)」の名で販売されていた。解決は1956年ごろとされるが、この名は半世紀を経て別の役割を背負って戻ってくる。

03

パイパン・ダイヤルとドッグレッグ・ラグ

1950年代後半から60年代初頭、Constellationは独自の意匠を確立した。中央が平らで、外周のチャプターリングが12面に折れて下がる立体的なダイヤル。フランス語の douze pans(12面)に由来するとされる「パイパン」の名で呼ばれるこの構造は、光の入射角によって面の表情を変え、シリーズの視覚的アイコンとなった。

ケースには、内側に折れた特徴的なラグ — 形状から「ドッグレッグ(犬の後ろ脚)」と呼ばれる — が組み合わされた。Ref. 14381、14393、167.005などがこのスタイルを纏う。1958年にはConstellation Calendarが加わり、DeluxeとGrand Luxeの仕上げ階層も整備された。

04

1964年、ジェンタが書き換えた顔

1964年、オメガはまだ20代の若手デザイナーに新世代Constellationの設計を委ねる。ジェラルド・ジェンタ — のちにAudemars PiguetのRoyal Oak(1972年)、Patek PhilippeのNautilus(1976年)を生む人物 — による、最初期の本格設計のひとつである。

ジェンタが提示したのが、いわゆる「Cシェイプ」ケースだった。ケースサイドが連続した曲線を描き、フラットなダイヤルにスリムなバトン針と棒状インデックスが載る。パイパン期の装飾感を完全に捨てた、徹底的にモダンな解釈である。Ref. 168.009を嚆矢に、168.017、168.019などが1978年まで14年間Constellationの新しい顔となった。1966年からはフルーテッド・ベゼルも加わる。

05

クォーツの試練、そしてマンハッタン

1974年、Cal. 1511搭載の「Constellation Megaquartz Marine Chronometer」が登場する。2.4MHzの高周波クォーツを擁し、ベズンソン天文台で「マリン・クロノメーター」の称号を得た唯一の腕時計である。日差ではなく年差で語られる精度。Constellationのアイデンティティを、クォーツで再定義する試みであった。

業界全体はクォーツ・ショックの渦中にあった。1982年、オメガはConstellationを抜本的に再設計する。当時26歳のキャロル・ディディスハイムが、製品ディレクターのピエール=アンドレ・アエレンの着想を元に描いたのが、後の「マンハッタン」である。文字盤に侵入する4本の「グリーフェ(爪)」は、当初は機能部品だった。浴室の鏡を留める金具から発想したと伝わるこの爪は、ベゼルを介さずクリスタルとガスケットを保持し、極薄ケースを実現する。樽型ケース、一体型ブレスレット、ローマ数字。最初期型はETAベースのCal. 1422搭載クォーツ、1984年には自動巻マンハッタン(Cal. 1111)が登場し、クロノメーター認定が復活する。

06

グローブマスター、そしてオブザーバトリーへ

2015年、半世紀以上眠っていた「グローブマスター」の名が呼び戻される。Constellation Globemasterはパイパン・ダイヤルとフルーテッド・ベゼルを纏った39mmケースで、コーアクシャル脱進機を持つCal. 8900を搭載した。同時にこれは、世界初のマスタークロノメーター — METASによる完全装着状態での精度認定 — を取得した時計でもある。

2026年3月26日、Constellation Observatory Collectionが発表された。1950年代のパイパン・ダイヤルとドッグレッグ・ラグを纏った39.4mmの9リファレンス。秒針を持たないCal. 8915/8914を搭載し、二針時計として史上初めてマスタークロノメーター認定を取得した。可能にしたのは、2023年設立のLaboratoire de Précisionが開発した音響検査法である。

1952年、Constellationは天文台クロノメーター競技の勝利を文字盤の星に刻んで始まった。74年後、ふたたび天文台の名を冠した自社検査機関の認定を背負い、原点に回帰する。星と天文台メダリオンだけを変えずに、精度の意味そのものを更新しつづける — それがConstellationの歩み方である。

03 — DESIGN · 設計思想

意匠を貫く設計言語

What this series guards, and what it lets change

Constellationの設計言語のうち、74年間変わらなかった要素は二つしかない。文字盤6時位置の星と、ケースバックに刻まれた天文台のメダリオンである。

天文台メダリオンは、クー=テディントン、ヌーシャテル、ジュネーブで開催されたクロノメーター競技でオメガが収めた成績を、8つの星として記録するもの。1952年の初代から現行モデルまで一貫して採用されており、このシリーズが「精度のために設計された時計の系譜」であることを語る、唯一の絶対的な記号となっている。星と天文台。クロノメーターであるという事実そのものが意匠化された、シリーズ全体のアイデンティティの根幹である。

特徴的なのは、この二つを除く他のすべての要素が、時代ごとに大胆に書き換えられてきたことだ。1950年代から60年代のパイパン・ダイヤル — フランス語の douze pans(12面)に由来するとされる呼称 — は、平らな中央部の外側に12面のチャプターリングが折れて下がる立体構造を持ち、光の入射角でリングの一辺ずつが表情を変える。同時期に採用されたドッグレッグ・ラグ、ダイヤモンド型あるいは矢羽根型のインデックス、12面体のクラウン。これらが初代Constellationの顔だった。

1964年、ジェラルド・ジェンタ設計のCシェイプは、その顔を捨てた。ケースサイドが連続した曲面を描き、フラットなダイヤルにスリムなバトン針が載る。装飾を削ぎ、面構成だけで成立させたモダニズムの解釈である。1982年のマンハッタンはさらに飛躍する。キャロル・ディディスハイムが描いた4本の爪(グリーフェ)は、機能としてはサファイア・クリスタルとガスケットを押さえる役割を担いつつ、視覚的にはケースから文字盤上に侵入する独特の輪郭を生み出した。一体型ブレスレット、ローマ数字、樽形ケース。これもまた、紛れもなくConstellationであった。

つまりこのシリーズの設計哲学は、「最も精確な時計は、その時代に最も似合う姿をすべきである」という前提に立っている。視覚言語を保存することではなく、機構の正当性 — 認定クロノメーターであるという事実 — を継承することにこそ重きが置かれる。星と天文台が、世代を超えてその役割を担いつづけてきた。

2015年のグローブマスター、そして2026年のオブザーバトリー・コレクションは、この哲学に新たな章を加えた。1950年代の意匠言語、パイパン・ダイヤルとドッグレッグ・ラグを、現代の精度規格 — METASによるマスタークロノメーター認定 — と組み合わせる。装いに過去を引きながら、中身は現在の最先端を載せる。Constellationの一貫した思想は、ここに最も率直に立ち現れている。

04 — MOVEMENT EVOLUTION

ムーブメントの変遷

Calibers across the decades
1952-1956
Cal. 351 / 352 / 354
バンパーローター自動巻、18,000振動、観測所認定機。
1956-1969
Cal. 500 / 501 / 505
フルローター自動巻に移行、装飾と仕上げで定評。
1966-1980s
Cal. 561 / 564
19,800振動、銅色装飾の名作機、長期生産。
1982-1995
Cal. 1422 / 1111
Manhattan用、クォーツと機械式併行、ETAベース。
1995-2020
Cal. 1120 / 2500
ETA 2892ベース、後期にCo-Axial脱進機へ進化。
2020-現在
Cal. 8800
現行Constellationの基幹、METAS認定機。
05 — REFERENCE EVOLUTION

Ref. 変遷

Reference generations
1952-1956

パイパン誕生

2648 2782
Cal.354バンパー自動巻、観測所メダリオン裏蓋、初の量産クロノメーター。
1956-1969

フルローター期

14381 167.005
Cal.501/561投入、ピーパン文字盤の黄金期、19,800振動精度。
1964-1970s

C-Shape登場

168.017 (C-Shape)
ジェンタ設計の楕円型ケース、近代的なConstellationへの転換点。
1982-1995

マンハッタン誕生

Manhattan初代
4本の爪と一体型ブレスを採用、Cal.1422クォーツによる新世代設計。
1995-2020

機械式現代化

Manhattan改修
Cal.1120投入、後にCo-Axial Cal.2500へ移行、ドーム風防化。
2020-現在

METAS世代

39mm系最新
Cal.8800搭載、Master Chronometer認定、爪・指針を再設計。
06 — ALL REFERENCES

このシリーズの全 1 モデル

1 references in archive