設計思想
1. 5代目コンステレーションの41mm展開
コンステレーションは1952年に登場した、オメガで最も歴史の長いコレクションのひとつである。1982年に発表されたマンハッタンファミリーが、現在まで続く爪状のグリフと一体型ブレスレットの設計言語を確立した。第5世代の刷新は2019年の29mm婦人モデルに始まり、2020年1月に男性向け39mmが、同年7月に41mmが発表され、9月から市場投入された。131.30.41.21.01.001は、この41mm拡張ファミリーの基準モデルとして、全鋼ケースに黒の研磨セラミックベゼルとリキッドメタル製ローマ数字を組み合わせている。
2. 39mm版との明確な差分
41mm化は単なる拡大ではない。39mm版が単一巻Cal.8800を載せるのに対し、41mm版はツインバレル構造のCal.8900を採用し、パワーリザーブは55時間から60時間へ、ジュエル数は35から39へ伸びた。タイムゾーン機能としてのジャンピングアワー機構もCal.8900の特徴である。ケース厚は約13.4mmと39mmより約1mm厚くなり、ラグ間距離は44mm、ストラップ取付幅は24.2mmと指定された。同世代39mm用のブレスレットおよびレザーストラップとも互換性を持つ寸法設計が選ばれており、装着のバリエーションが広い。
3. 1982年マンハッタンへの参照
光沢の高い黒セラミックベゼルは、現代素材によって1982年マンハッタンの縁取りの輝きを再現する意図とされる。ローマ数字はリキッドメタル—チタン、ジルコニウム、銅の非結晶合金—をセラミックに直接接合する技法で得られ、エングレービングではなく無段差で表現される。131.30.41.21.01.001はこの設計言語を最も素朴な形で示す全鋼構成であり、2020年9月の発売以降、2022年の新色・2トーン追加や2024年のミーティオライト文字盤派生に至るまで、41mmレンジの基準点として機能している。
意匠分析
ケースは41mmのバレル型で、両側に4本のグリフ(爪)が伸びて文字盤を圧する。表面はラジアル方向のサテンと直線ヘアラインを面ごとに使い分け、サイドにポリッシュベベルを通して光を集める。マンハッタン以来の意匠言語を踏襲しつつ、第5世代では各エッジが繊細化され、クラウンも面取り処理が加わった輪郭に再設計されている。
ベゼルは固定式の研磨黒セラミックで、ローマ数字はリキッドメタル—チタン、ジルコニウム、銅の非結晶合金—をセラミックに直接接合する技法で表現される。文字部分とベゼル基盤の硬度差から仕上げが分かれ、別素材を埋め込んだような立体感が生まれる。
文字盤は黒のサンブラッシュ仕上げで、6時位置のスター上から放射状にブラッシングが広がる。アプライドのインデックスは三角形のファセットを持ち、上面はブラッシュ、エッジはポリッシュで処理される。インデックス、針、ロゴ、コンステレーション・スターはいずれも18Kホワイトゴールド製と公式が記載する。夜光は細身のセンター時針・分針のみに付与され、視認性よりもドレッシーな印象が優先された設計である。
ブレスレットは全鋼で、ラグ取付幅24.2mm。コンフォートリリース付きのバタフライフォールディングクラスプを備える。クリスタルは両面サファイア、表面はARコート、裏面はトランスペアレントケースバック越しにCal.8900のローターと、ジュネーブストライプ・アラベスク装飾のブリッジが眺められる構成である。
系譜と歴史
2020年7月、オメガは同年1月に発表していた第5世代コンステレーション・ジェンツ39mmに続き、新たに41mmケースの8モデルを発表した。131.30.41.21.01.001は、その発表に含まれた基準モデルである。全鋼ケース、黒セラミックベゼル、サンブラッシュ仕上げの黒文字盤、全鋼ブレスレットの構成で、市場への投入は同年9月とされる。発売当初の北米向け参考価格は6,500米ドル、欧州向けはVAT込み6,200ユーロと公表された。
2022年3月、41mmレンジは新色および2トーン構成で拡張された。白文字盤・青セラミックベゼルの全鋼バリエーション(131.30.41.21.04.001)や、イエローゴールド/セドナゴールドとのコンビモデル群が追加されたが、本リファレンスは継続生産され、レンジの基準点としての位置を保っている。
2024年初頭、Watches and Wondersに合わせて41mmレンジにミーティオライト文字盤の派生群(131.30.41.21.99.001、.99.002、.99.003ほか)が加わった。同時期にミーティオライト派生では41mmとして初めて全鋼ブレスレットが採用されたが、本リファレンスはそれ以前から全鋼ブレスレット仕様であり、2026年時点でも公式カタログに掲載され現行モデルとして流通している。