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Mühle Glashütte · Teutonia · 2012

Teutonia II Chronograph Blue / Strap

グラスヒュッテの質実なビジネスクロノグラフが2015年にまとった、ナイトブルーのもうひとつの顔

トイトニアII クロノグラフ M1-30-92-LBは、ミューレ・グラスヒュッテの旗艦ファミリー「トイトニア」最上位機のナイトブルー文字盤仕様である。2015年に追加された。直径42.0mmのステンレスケースに、独自の微調整機構を持つ自動巻きCal.MU 9413を搭載する。銀色ギヨシェのM1-30-95と骨格を共有しつつ、放射状のサンレイ仕上げと光沢ニッケルめっきの針で印象を一新した。4時位置に斜めに並ぶ日付・曜日窓が、一目で本機と知らせる目印となる。ブラウンのクロコダイルレザーを合わせる本仕様は約10年カタログに留まり、現在はシルバー仕様が公式ラインアップを引き継いでいる。

Ref. M1-30-92-LB
発表年 2012
状態 現行品
限定 通常生産
コレクション Teutonia
カテゴリ クロノグラフ
キャリバー MU 9413
ケース径 42 mm
防水 100 m
クロノグラフ デイデイト
01 — Specification

仕様

As of WatchBase sync · 2026.06.12
このモデルを比較する
Case · ケース
素材 Stainless Steel
形状 Round
径 42 mm
厚さ 15.5 mm
ガラス Sapphire
裏蓋 Open
防水 100 m
Movement · ムーブメント
キャリバー MU 9413
タイプ Automatic
振動数 28,800 bph
石数 25 石
パワーリザーブ 62 時間
Dial · 文字盤 / Hands · 針
文字盤色 Blue
インデックス Stick / Dot
針 Alpha
i — Editorial

設計思想

Design philosophy

計器の家系が磨いたビジネスウォッチ

ミューレ・グラスヒュッテは1869年、ロベルト・ミューレが地元時計産業向けの精密測定機器工房として興した家系企業を源流とする。現在の時計事業は、1994年にハンス=ユルゲン・ミューレが再興した。以来、ドイツ海難救助協会と開発したS.A.R.レスキュータイマーに代表される計器的な実用時計を看板としてきた。その同社でスーツに収まる役割を担うのがトイトニアである。2000年に入社した5代目ティロ・ミューレが、製品開発者として最初期に手がけた一本だ。2002年の初代は発売年のうちに2,500本超を売り、同年秋には市場から退くほどの成功を収めた。ラテン語で「ドイツ」を意味する名の通り、機能性と直線的な造形を旨とする「機能的ラグジュアリー」の宣言だった。

2005年、このファミリーにクロノメーター、ミディアムとともに加わったのがトイトニアII クロノグラフである。端正な時計に計時機能でスポーティな方向性を与える狙いを持ち、以来ミューレは本機を「機能的腕時計コレクションの頂点」と位置づけてきた。

2015年、ナハトブラウという転回

登場から10年、銀色のギヨシェ文字盤一本で通してきたこのモデルに、2015年、初めての別色が与えられた。ナハトブラウ(ナイトブルー)である。まず限定モデルで試みられた深い青が成功を収め、まもなくクロノグラフを含むトイトニア全機種へ広げられた。M1-30-92はこうして生まれた。

2010年代半ばは、業界全体でブルー文字盤が定番色の座を固めていく時期にあたる。ただしミューレの手つきは単純な流行追随ではない。型押しのギヨシェをサンレイ仕上げに置き換え、針の仕上げまで変える作り込みで、同じ時計に「昼の顔」と「夜の顔」を作り分けた。銀のM1-30-95を置き換えるのではなく、並走する選択肢として加えた点に、変化より継続を重んじる同社の気質が表れている。

量産機構の海で個性を保つ方法

本機の機械的な土台は、セリタSW500-1をベースとするCal.MU 9413である。バルジュー7750の設計を汲むこの系統は無数のクロノグラフに使われており、それ自体は個性にならない。初期のトイトニアII クロノグラフは、7750ベースのMU 9408を積んでいたと伝わる。スウォッチグループがETAの外販を絞った2010年代、ミューレも他の独立系と同じくセリタへ軸足を移したとみられる。

その上で同社は、緩急針を押さえる特許の微調整機構や3/4プレート、自社ローターを組み込む。ベース機を内外装ともに「ミューレ仕様」へ仕立て直すのである。ナイトブルーのM1-30-92は、その実直な設計に都会的な装いを与えた約10年の現行期を経て、現在はシルバー仕様へ役目を引き継いでいる。


ii — Editorial

意匠分析

Visual analysis

本機の眼目は、シルバー文字盤の基幹機M1-30-95と骨格を共有しながら、文字盤まわりの処理で別の時計に見せた点にある。M1-30-95は型押しの細密なギヨシェで光を砕く。対する本機は、中心から放射状に筋目が走るサンレイ仕上げでナハトブラウの深みを際立たせる。インデックスは四方を面取りした手載せのアプライド仕様。針はシルバー版の黒色仕上げから光沢ニッケルめっきへ改められ、暗い地に銀の指針が浮かぶ高コントラストの構成となる。公式資料はナハトブラウ系に、段付きベゼルに代わる直線断面の「Dリュネット」を組み合わせたと説明する。

レイアウトは9時位置のスモールセコンド、12時位置の30分計、6時位置の12時間計という7750系の定石に従う。それでも量産クロノグラフの既視感を断ち切るのが、4時位置に斜めの段違いで並ぶ日付と曜日の小窓である。ディスクの円弧に沿って窓を切ったこの配置は、トイトニアII クロノグラフを一目で識別させる意匠上の署名となっている。

ケースは直径42.0mm、厚さ15.5mm、ラグ間距離52.3mm、ラグ幅22mm。トイトニア共通の特徴として、先端が渦状に内へ巻き込む「ボリュート形」のラグを備える。ケース中央部の縦ヘアラインは手作業で施され、ラグ上面とプッシャーはポリッシュで切り替えられる。風防はドーム型の無反射サファイア、裏蓋はねじ込み式のサファイアシースルーバック、リューズもねじ込み式で、100m防水を確保する。バネ棒ではなくネジ式のバンドステーを用いる点に、計測機器を出自とする同社の実装思想がのぞく。

ストラップは22mm幅のブラウンクロコダイルで、ステンレスのダブルフォールディングクラスプが付属する。シルバー版が黒のクロコを合わせるのに対し、本機が茶系を選ぶのは、ネイビーの文字盤を柔らかくビジネスカジュアル側へ振る判断と読める。

シースルーバック越しのCal.MU 9413は、セリタSW500-1をベースにミューレが改修を加えた自動巻きである。核となるのは2003年に自社開発した特許の微調整機構「ウッドペッカーネック」だ。キツツキの首を模したバネが緩急針を押さえ、衝撃下でも歩度のずれを抑える。3/4プレート、自社設計ローター、青焼きネジにソラリゼーションとペルラージュの装飾が加わり、毎時28,800振動 (4Hz) で駆動。日付と曜日は早送り修正に対応する。


iii — Editorial

系譜と歴史

Lineage

「トイトニアII クロノグラフ」の系譜は2005年に始まる。初代トイトニア(2002年)を起点とするファミリーの拡張期に、クロノメーター、ミディアムとともに投入された。当初の文字盤は銀色のギヨシェ仕上げのみで、ムーブメントにはバルジュー7750をベースとするMU 9408を搭載していたと伝わる。

現行リファレンス体系のM1-30-9x世代について、WatchBaseは生産開始を2012年と記録する。2014年の専門誌レビューではセリタ系のMU 9413搭載が確認でき、この前後にムーブメントの世代交代が完了していたことになる。

ナイトブルー文字盤のM1-30-92が加わったのは2015年である。同年3月のバーゼルワールドで、まずトイトニアII グロースダートゥム・クロノメーターの限定モデルがナハトブラウをまとった。好評を受け、年内にクロノグラフを含むファミリー全体へ展開された。取扱説明書上、両者はシルバー仕様とともに家族番号M1-30-90の下に束ねられる。

公称パワーリザーブは長く48時間とされてきたが、現行の公式仕様では最大62時間へ更新された。ベースムーブメント側の改良を反映したものとみられ、型番や外装の変更は伴っていない。更新の正確な時期は公表されていない。

2026年6月現在、公式コレクションに掲載されるトイトニアII クロノグラフはシルバー文字盤のM1-30-95系のみである。ナイトブルーの本機はラインアップから静かに退いたとみられ、2015年から数えて約10年が、その現行期だったことになる。


Sources

出典

本文の執筆にあたって参照した資料。閲覧日は内容を確認した日を示す。

  1. 01 公式 Teutonia II Chronograph - Mühle-Glashütte 公式 · Mühle-Glashütte · 2026.08.15 閲覧 Mühle-Glashütte · 2026.08.15
  2. 02 専門メディア Muhle Glashutte Teutonia II Chronograph - WATCH REVIEW 専門メディア · Escapement Magazine · 2026.08.15 閲覧 Escapement Magazine · 2026.08.15
02 — Price history

価格推移

2017 · WatchLedger market index
2017-09-25 · EUR 3,190€3,000€3,100€3,200€3,300€3,4002017-092017-09

出典: WatchBase 観測価格 · 通貨タブ(JPY / USD / EUR)で系列を切替できます。

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03 — Derivatives

同型・派生 Ref

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