2002年、トランクの作り手が時計に挑む
ルイ・ヴィトンが腕時計に乗り出したのは1988年、ガエ・アウレンティの手によるクォーツ式モデルが最初とされる。しかし本格的な歩みは2002年、タンブールの発表から始まる。同年、メゾンはスイス・ラショードフォンに時計製造の拠点を構え、最初のコレクションを世に送り出した。
中心となったのは径39.5mmのGMTモデル(Ref. Q11310)である。ブラウンの文字盤に山吹色のGMT針という配色は、1896年に生まれたモノグラム・キャンバスや革製品の縫い糸を想起させ、旅と結びついたメゾンの出自を時計の上で語っていた。名の由来となったドラム型ケースは、底に向かって裾広がりに膨らむ独特の断面を持ち、その側面には「LOUIS VUITTON」の12文字が、偶然にも時字と同じ数だけ刻まれた。