ポルシェ・デザイン時代の終焉
1980年代から1990年代にかけてのIWCは、スポーツウォッチの設計領域においてフェルディナント・アレクサンダー・ポルシェ率いるポルシェ・デザインとの協業に大きく依存していた。1982年に登場したオーシャン2000は、世界初の量産チタンケース・ダイバーズとして2000m防水を達成し、ブランドを象徴する一本となっていた。
しかし1997年、両社のパートナーシップは20年近い歴史を経て終わりを迎える。IWCは社外デザインに依存していたスポーツウォッチ群を、社内デザイナー、マーカス・アイリンガーが手がける新シリーズ「GST」へと置き換えていく。GSTは「Gold(金)・Steel(鋼)・Titanium(チタン)」の頭文字に由来し、同一のケース言語を三つの素材で並列展開する構想を示すものであった。