1988年、グランドセイコーの再起動
グランドセイコーは1975年にいったん途絶えている。クオーツショックの波のなかで、機械式の手作業を前提とした「最高峰の腕時計」というブランド像が、時代の論理と噛み合わなくなった。代わってセイコーの高級機の役割を担ったのは、クオーツの Seiko Grand Quartz であったとされる。
そして1988年、グランドセイコーは13年ぶりに復活する。最初の製品はクオーツの95GSで、Cal. 9581(時分秒)と Cal. 9587(日付付き)を搭載したとされる。開発を率いたのは、セイコーエプソンの技術者、名取邦治氏である。記憶を引き継ぐ機械式ではなく、クオーツによる再出発。それは「最も正確な腕時計とは何か」という、グランドセイコー創業時の問いを、新しい技術で言い直す試みでもあった。