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Grand Seiko · Quartz · 2017

Quartz Titanium / Black / Bracelet

2017年、ブランド独立の年に登場した40mmブライトチタンの9Fクォーツ。黒文字盤のブティック限定モデル

SBGV231は、グランドセイコーがセイコーから独立ブランドとして再出発した2017年に発表された、40mmサイズの9Fクォーツモデルである。Cal.9F82を軽量なブライトチタンのケースとブレスレットに収め、サンレイ仕上げの黒文字盤と組み合わせる。同時期に発表された銀文字盤のSBGV229、青文字盤のSBGV233とともに、直営ブティック専売モデルとしてグランドセイコー店舗ネットワークで供給された一本である。

Ref. SBGV231
発表年 2017
状態 現行品
限定 通常生産
コレクション Quartz
キャリバー 9F82
ケース径 40 mm
防水 100 m
関連人物 服部 金太郎
デイト
01 — Specification

仕様

As of WatchBase sync · 2026.05.11
Case · ケース
素材 Titanium
形状 Round
40 mm
厚さ 10 mm
ガラス Sapphire
裏蓋 Closed
防水 100 m
Movement · ムーブメント
キャリバー 9F82
タイプ Quartz
石数 9 石
Dial · 文字盤 / Hands · 針
文字盤色 Black
インデックス Stick / Dot
Dauphine
i — Editorial

設計思想

Design philosophy

1. ブランド独立とともに登場した40mmチタン

2017年3月、バーゼルワールドでセイコー社はグランドセイコーをセイコーから切り離し、独立ブランドとして展開すると発表した。文字盤12時位置の「Seiko」表記は外され、新たな「GS」ロゴのもとで継続モデルの型番が一斉に再編された。SBGV231はこの転換期に投入された9Fクォーツ40mm世代の一本で、同年5月から6月にかけて発売されている。

ベースとなる設計は、2014年に登場した40mmサイズの9Fクォーツ(ステンレスのSBGV007・SBGV009)に遡る。それまでグランドセイコーのスタンダードな9Fクォーツが37mmの44GS系ケースを中心としていたなか、40mmへのサイズアップに合わせて専用設計されたのがCal.9F82である。SBGV231はこの40mm世代に、ブライトチタンという素材とブティック限定という流通区分を組み合わせた派生として位置付けられる。

2. SBGV229・SBGV233との三本構成

SBGV231は単独で企画されたものではなく、銀文字盤のSBGV229、青文字盤のSBGV233と一括して発表された三本構成のうちの黒文字盤である。3本はケース・ブレスレット・ムーブメント・寸法をすべて共有し、文字盤色のみが異なる。同時期にはステンレス製の40mm通常流通モデル(黒文字盤のSBGV207、銀文字盤のSBGV205、青文字盤のSBGV239など)が並存しており、両系列は素材と流通経路で住み分けられた。

ブティック限定とすることで、グランドセイコーが直営店ネットワークを拡充していく時期に、対面販売の動機付けとなる商品として機能した。チタン採用の直接の理由を公式が説明した資料は確認できないが、ステンレス系の通常モデルより一段上の価格帯に置きつつ、軽量で耐食性の高い素材を選ぶことで「日常用として長く使える上位仕様」という性格を与えていると読める。


ii — Editorial

意匠分析

Visual analysis

SBGV231のケース径は40mm、厚みは10mmで、ブレスレットを含む総重量は約85gという軽量に収まっている。同じ寸法をステンレス鋼で構成した姉妹系列のSBGV207などと比較すると、装着感は明確に変わる。グランドセイコーが「ブライトチタン」と呼ぶ独自素材は、ステンレスに近い光沢を持ちながらも、耐食性と耐傷性を高めた純チタンに近い合金とされる。

ケースの基本形状は、1967年に田中太郎が設計した44GSに端を発するグランドセイコー・スタイルの系譜上にある。平面と平面の境界を直線的に立ち上げ、面ごとにザラツ研磨で歪みのない鏡面を作る手法は、軟質で研磨難度の高いチタンでも踏襲されている。ベゼル外周のヘアライン仕上げと、ラグ側面の鏡面とがコントラストを成す構成は、ステンレス版と意匠的に共通する。

文字盤は黒のサンレイ仕上げで、中心から放射状に伸びる細い筋目が光の角度によって表情を変える。インデックスはバー型と短いドットの組合せ、針はダウフィーヌ型で、いずれも面取りされた切削仕上げが施される。一方で夜光塗料は塗布されておらず、暗所での視認性は備えていない。日常の屋内・屋外使用を前提とした仕様である。

ブレスレットは中央列を鏡面、両側列をヘアライン仕上げとした5列構造で、グランドセイコーのヘリテージモデルに共通する標準仕様である。バックルにはワンプッシュ式の三つ折れクラスプを採用し、ラグ幅は20mmに設定される。ケース裏蓋は獅子の紋章をあしらったスクリューバックで、内部のCal.9F82を密閉する。


iii — Editorial

系譜と歴史

Lineage

2017年3月のバーゼルワールドでグランドセイコーの独立ブランド化が発表され、同年5月から6月にかけてSBGV231を含むヘリテージコレクション9Fクォーツの新ラインアップが発売された。SBGV231は同時発表されたステンレス系の通常流通モデルとは流通区分が分けられ、当初からグランドセイコー直営ブティックでのみ販売される位置付けで供給が始まった。

発売後の数年間は同一仕様で継続生産されており、文字盤・ベゼル・ブレスレットなどに大きな仕様変更があったという公的記録は確認できない。日本国内の参考価格は段階的に改定され、消費税率の改定や原材料コストの反映を受けて当初設定から引き上げられている。

2020年、Cal.9F82の後継となるCal.9F85を搭載したSBGP001・SBGP003・SBGP005が、ステンレス系のSBGV205・SBGV207・SBGV239の置き換えとして発表された。9F85はホイール構造を新設計し、独立した時針調整機構を加えたもので、グランドセイコーは9F85によって9F82を順次置き換える方針を示している。チタン製ブティック限定のSBGV229・SBGV231・SBGV233には直接の後継モデルが投入されないまま、9F82の生産フェーズアウトに伴って流通在庫が縮小し、最終的に生産終了となった。具体的な終了年月は公式には公表されていない。

02 — Derivatives

同型・派生 Ref

Color · material · bracelet variants