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Glashütte Original · Pano · 2019

PanoInverse Platinum / Blue / Alligator / Folding

2019年、手彫りの草花文様をまとったプラチナ製パノインヴァース。世界限定25本の特別版

1-66-08-01-03-50は、2019年にグラスヒュッテ・オリジナルが発表した「パノインヴァース・リミテッドエディション」のショートクラスプ仕様である。42mmのプラチナケースに手巻きCal.66-08を搭載し、通常は裏側に隠れるテンプ受けを文字盤側に反転配置する設計を受け継ぐ。最大の特徴は、ロジウム仕上げの受けの全面に施された手彫りの草花文様で、彫り師の手作業ゆえに25本それぞれが異なる表情を持つ。量産モデルのパノインヴァースを工芸品の領域へ引き上げた限定版である。

Ref. 1-66-08-01-03-50
発表年 2019
状態 現行品
限定 限定 25
コレクション Pano
カテゴリ ドレス
キャリバー 66-08
ケース径 42 mm
防水 50 m
パワーリザーブ
01 — Specification

仕様

As of WatchBase sync · 2026.06.12
このモデルを比較する
Case · ケース
素材 Platinum
形状 Round
径 42 mm
厚さ 12 mm
ガラス Sapphire
裏蓋 Open
防水 50 m
Movement · ムーブメント
キャリバー 66-08
タイプ Handwound
振動数 28,800 bph
石数 31 石
パワーリザーブ 41 時間
Dial · 文字盤 / Hands · 針
文字盤色 Skeleton
インデックス Mixed
針 Alpha
i — Editorial

設計思想

Design philosophy

「反転」という発想の系譜

パノインヴァースの原点は2008年に発表されたパノインヴァースXLに遡る。通常はシースルーバックを通してしか見えないテンプ受けと緩急調整機構を、部品の配置を反転させて文字盤側に置くという発想は、グラスヒュッテ・オリジナルの技術的自負を象徴する試みだった。蝶が羽を広げたような形状から「バタフライブリッジ」と呼ばれる受けと、同社独自のデュプレックス・スワンネック緩急装置(2本のスワンネックばねで歩度と落ち着きを調整する機構)が、時刻表示と同じ面で鼓動し続ける。この構造を担うのが手巻きのCal.66系であり、本機のCal.66-08もその系譜に連なる。

2019年という発表の文脈

本機が発表された2019年は、スウォッチ グループがバーゼルワールドから撤退した最初の年である。同グループは5月にスイスで独自の新作発表会「Time to Move」を開催し、グラスヒュッテ・オリジナルはその場で本機を披露した。前年の2018年にパノインヴァースの構想は誕生10周年を迎えており、本機はその節目を受けて企画された記念碑的な性格を帯びる。新形式の発表会で見せる新作として、機構の新規性ではなく手仕事の密度で勝負する選択は、マニュファクチュールとしての立ち位置を示すものだった。

手彫りという主題

本機の主題は明確で、ムーブメントの表裏を覆う手彫り装飾である。地板を大胆に切り抜くことでバタフライブリッジが空間に浮かぶように見せ、その周囲のロジウム仕上げの受けに、蔓草を思わせる繊細な草花文様を彫り込んだ。彫刻は機械によるパターンの転写ではなく彫り師の手作業であり、公式も「25本それぞれが唯一無二の作品になる」と謳う。量産機の意匠改変ではなく、彫金という伝統工芸を主役に据えた点で、本機はスタンダードなパノインヴァース(Cal.66-06搭載)とは異なる層に位置づけられる。

プラチナ限定版という系譜の起点

本機はその後に続くパノインヴァース限定版の起点となった。2021年には手作業のギヨシェ装飾を施したCal.66-09搭載機(1-66-09-01-03-30/-50)が、後年には都市のスカイラインを刻んだCal.66-12搭載機(1-66-12-01-03-62、50本限定)が、いずれもプラチナケースで登場している。装飾技法を変えながらプラチナの限定版を重ねる流れを最初に形にしたのが本機であり、パノインヴァースというラインに「工芸の実験場」という役割を与えた一本と言える。


ii — Editorial

意匠分析

Visual analysis

ケースは42mm径、12mm厚のプラチナ製で、ポリッシュとサテンを使い分けた仕上げが施される。寸法はステンレススチール製のスタンダード機と共通だが、プラチナの重量と鈍い輝きが印象を大きく変える。リューズには青いサファイアのカボションが据えられ、文字盤や針の青系の色調と呼応する。

文字盤は面で覆うのではなく、時分用とスモールセコンド用の2つのリングを左側にオフセット配置するパノ系共通の構成を踏襲する。本機ではこのリングに青のグレイン仕上げラッカーを用い、アプライドのアラビア数字とインデックスを備える。右側にはパワーリザーブ表示が置かれ、残りの面はすべてムーブメントの見せ場となる。地板の切り抜きによってバタフライブリッジは宙に浮かぶように見え、その表面と3/4プレートには手彫りの草花文様が走る。ネジ留めのゴールドシャトン、ルビーの赤、ブルースチールのネジ、金色の彫刻文字がロジウムの地に散り、彫刻と相まって装飾画のような密度を生む。

時分針はホワイトゴールド製で、スケルトナイズされた針が彫刻の視認を妨げない配慮として働く。搭載するCal.66-08は毎時28,800振動 (4Hz)、約41時間のパワーリザーブを持つ手巻きで、ストップセコンド機構により正確な時刻合わせができる。装飾は裏側にも及び、シースルーバックから草花文様の続きとゴールドシャトンが望める。ストラップはダークブルーのルイジアナアリゲーターで、本Ref末尾の「50」はプラチナ製フォールディングクラスプのショート仕様を示す。標準長クラスプの1-66-08-01-03-30とは留め具の長さのみが異なる。


iii — Editorial

系譜と歴史

Lineage

本機は2019年5月14日から16日にかけてスイスで開催されたスウォッチ グループの新作発表会「Time to Move」で公開された。同年バーゼルワールドを離れた同グループが報道関係者約200名を招いて催した初の自社イベントであり、グラスヒュッテ・オリジナルはスポーツライン「スペシャリスト」などとともに本機を発表している。限定数は25本である。リファレンスはクラスプ仕様により2つ設定され、標準のフォールディングクラスプ付きが1-66-08-01-03-30、ショートクラスプ付きが本機1-66-08-01-03-50である。販売はグラスヒュッテ・オリジナルのブティックと一部正規店に限られた。

生産期間中の仕様変更は確認されていない。25本限定という性格上、継続生産されるレギュラーモデルではなく、現在の公式コレクションではCal.66-06搭載のステンレススチール製パノインヴァースが定常ラインを担う。一方で本機が開いたプラチナ限定版の枠組みは継承され、2021年にギヨシェ装飾のCal.66-09搭載機が同じく25本限定で、その後にはスカイライン彫刻のCal.66-12搭載機が50本限定で発表された。本機はこの系譜の最初の一本として、発表から年月を経た現在も参照点であり続けている。


Sources

出典

本文の執筆にあたって参照した資料。閲覧日は内容を確認した日を示す。

  1. 01 公式 Glashütte Original 公式 · 2026.08.15 閲覧 2026.08.15
  2. 02 専門メディア Glashütte Original Serenade Luna 専門メディア · Master Horologer · 2026.08.15 閲覧 Master Horologer · 2026.08.15
02 — Price history

価格推移

2019 · WatchLedger market index
2019-05-01 · EUR 45,800€42,000€44,000€46,000€48,000€50,0002019-052019-05

出典: WatchBase 観測価格 · 通貨タブ(JPY / USD / EUR)で系列を切替できます。

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03 — Derivatives

同型・派生 Ref

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