大型日付という出発点
東西ドイツの再統一を経て、1994年に国営企業の民営化からグラスヒュッテ・オリジナルが生まれた。再興されたばかりのマニュファクチュールにとって、固有の表情をどう築くかは切実な課題であった。
その答えの一つが、1997年にSenator(セネター)コレクションで披露された大型日付「パノラマデイト」である。十の位と一の位を担う二枚の円盤を同一平面・同一軸上に重ね、両者を隔てる線はわずか0.06mmほど。中央に仕切り板を置かずに済むため、二桁が地続きの一塊として読める。日付という最も平凡な機能を、判読性と意匠の両立した表示へ磨き上げた点に、この機構の核心がある。
ただし当初、この日付は左右対称のセネターの文字盤に載っていた。問われていたのは、日付を「足す」ことではなく、日付を中心に一本の時計を組み上げる構想であった。