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Cartier · Tank · 2022

Tank Louis Cartier Large Manual Yellow Gold / Black

2022年登場、ローマ数字を排したブラックラッカー文字盤のタンク ルイ カルティエ。手巻きCal.1917 MCを収めるイエローゴールドの一本

WGTA0091は、2022年のWatches and Wondersで発表されたタンク ルイ カルティエのイエローゴールド・モデルである。33.7×25.5mmのレクタンギュラーケースに、自社製手巻きCal.1917 MCを収める。際立つのは、ローマ数字も鉄道分目盛りも持たないブラックラッカー文字盤であり、ゴールド仕上げのソードハンズとカルティエの署名のほかに何も置かない。1917年以来タンクが保ってきた文字盤の文法を削ぎ落とし、ケースの幾何学だけを浮かび上がらせた一本である。サファイアカボションを抱くビーズ装飾のリューズは従来どおり踏襲する。

Ref. WGTA0091
発表年 2022
状態 現行品
限定 通常生産
コレクション Tank
カテゴリ ドレス
キャリバー 1917 MC
ケース径 25.5 mm
防水 30 m
01 — Specification

仕様

As of WatchBase sync · 2026.06.09
Case · ケース
素材 Yellow Gold
形状 Rectangular
25.5 mm
厚さ 6.6 mm
ガラス Mineral
裏蓋 Closed
防水 30 m
Movement · ムーブメント
キャリバー 1917 MC
タイプ Handwound
石数 19 石
パワーリザーブ 38 時間
Dial · 文字盤 / Hands · 針
文字盤色 Silver
インデックス Roman Numerals
Sword
i — Editorial

設計思想

Design philosophy

色を得たタンク、色を捨てたタンク

2022年のWatches and Wondersで、カルティエはタンクに色彩を持ち込んだ。赤やグレーのラッカー文字盤がそろうなかで、WGTA0091は逆の方向へ振れた一本である。前年の2021年、カルティエはセクター文字盤の手巻きタンク ルイ カルティエ(CRWGTA0059)を世に出し、長くクオーツが主流だったこのモデルに機械式を呼び戻していた。その流れの先で、色を加える代わりに色を引き算したのが、この黒文字盤だった。

伝統的な文字盤からの離脱

タンク ルイ カルティエは、長らくクオーツのRef. 2441(W1529756)に代表される銀のグレイン文字盤が定番であった。黒のローマ数字、鉄道分目盛り、青焼きの針——1917年以来タンクが受け継いできた約束事である。WGTA0091は、その文法をほぼ捨てている。ローマ数字も分目盛りもなく、文字盤に残るのは12時の「Cartier」署名のみ。受け継いだのはケースの幾何学、縦のブランカール、サファイアカボションのリューズ、そしてゴールドのソードハンズだった。変えたのは文字盤、守ったのは輪郭という分担が、このRefの性格を決めている。

幾何学だけを残す

文字盤から記号が消えると、残るのはタンクの輪郭そのものになる。レクタンギュラーのケースと縦のブランカールが視線を引きつける唯一の造形要素となり、黒の余白がそれを際立たせる。ローマ数字さえ多いと感じる層に向けた、純粋な形のタンクと言える。装飾を足すのではなく削ることで個性を立てる判断には、定番を崩しても揺らがないという構えがうかがえる。

派生と後続

WGTA0091が開いたラッカー文字盤の系譜は、翌2023年に広がる。赤のWGTA0190と緑のWGTA0191が常設コレクションに加わり、モザイク文字盤のバリエーションも登場した。さらに2025年、カルティエは自動巻きCal.1899 MCを積む大型のタンク ルイ カルティエ オートマティック(CRWGTA0357)を投入する。これに伴い、従来「ラージモデル」と呼ばれた33.7×25.5mmの本機は、公式上の呼称が見直された。手巻きの小さなタンクという位置づけは、変わらず受け継がれている。


ii — Editorial

意匠分析

Visual analysis

WGTA0091の設計を決定づけるのは文字盤である。漆黒のラッカー面には、ローマ数字も鉄道分目盛りも置かれない。残るのは12時の「Cartier」署名と「Swiss Made」、そしてゴールド仕上げのソードハンズだけである。針は無垢の金ではなく非合金鋼にゴールド仕上げを施したもので、黒地の上を細い金色の針だけが指す。コントラストは強いが、要素は最小限に抑えられている。

ケースはイエローゴールド750で、ポリッシュとブラッシュ仕上げを組み合わせる。タンクの象徴である縦のブランカール(側面のレール状の支柱)はそのまま受け継がれ、リューズにはサファイアのカボションがはめ込まれる。ビーズ装飾を施したリューズの造形も、初期タンク以来の意匠を踏まえたものである。

風防には、サファイアではなくミネラルクリスタルが採用される。貴金属のドレスウォッチにあえてミネラルを選んだ例で、販売店によってはサファイアと誤記されることもあるが、公式仕様はミネラルである。平面的で温かみのある見えを意図した選択とも考えられるが、確証はない。

寸法は33.7×25.5mm、厚さ6.60mm。自社製手巻きCal.1917 MCはケース形状に合わせた小型のフォルムムーブメントで、毎時21,600振動(3Hz)、パワーリザーブは38時間。コンパクトな機構ゆえにリザーブは控えめだが、その薄さがケースの厚みを抑え、袖口に収まる薄型のプロポーションを生んでいる。裏蓋はイエローゴールドの無垢で、ムーブメントは見えない。

ストラップはセミマットのブラックアリゲーターで、尾錠(アルディヨンバックル)もイエローゴールド。黒の文字盤、黒の革、金のケースと針という配色が、全体をトーンのそろった一本にまとめている。


iii — Editorial

系譜と歴史

Lineage

WGTA0091は、2022年3月末から開催されたWatches and Wonders 2022で発表された。カルティエがタンクに色彩を導入した年であり、赤やグレーの文字盤がそろうなかで、本機は数字を持たないブラックラッカー文字盤として登場した。イエローゴールドのケースに手巻きCal.1917 MCを積むこのモデルは、限定ではなく常設コレクションに組み込まれている。

翌2023年のWatches and Wondersでは、同じ手巻きタンク ルイ カルティエにラッカー文字盤の兄弟が加わった。赤のWGTA0190と緑のWGTA0191が同年9月から常設で展開され、モザイク文字盤のバリエーションも紹介される。WGTA0091が口火を切ったラッカー文字盤の系譜が、ここで一気に広がった。

2025年のWatches and Wondersでは、自動巻きCal.1899 MCを搭載し、ケースを38.1×27.75mmへ拡大したタンク ルイ カルティエ オートマティックが登場する。これを境に、従来ラージモデルと案内されていた33.7×25.5mmの本機について、カルティエの公式表記上の呼称が見直された。ケース寸法そのものに変更はない。

本機は2026年時点でも現行モデルとして生産が続いており、文字盤色や仕様の中間変更は確認されていない。

02 — Price history

価格推移

2022 · WatchLedger market index
2022-12-31 · EUR 13,300€13,299€13,300€13,300€13,301€13,3012022-122022-12

出典: WatchBase 観測価格 · 通貨タブ(JPY / USD / EUR)で系列を切替できます。

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03 — Derivatives

同型・派生 Ref

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