「かたちの時計師」の新しい一手
カルティエは自らを、機構ではなく「かたち」で語る時計師と任じてきた。1917年のタンク、1904年のサントス、2007年のバロン ブルー、2010年のカリブル。数年ごとに新しいケース形状を世に問い、それを定番へ育てる。この系譜の最新章として2015年のSIHHで発表されたのが、クレ・ドゥ・カルティエである。
「クレ(Clé)」はフランス語で「鍵」を意味する。発表の主役は文字盤でも複雑機構でもなく、鍵の形をしたリューズだった。ラウンドとトノーの中間に位置する柔らかなケースは、1960年代から70年代に流行した湾曲ケースを想起させる輪郭を持ちながら、細部の仕上げは現代のカルティエそのものである。