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Cartier · Ballon Blue de Cartier · 2007

Ballon Blue de Cartier 36 Automatic Pink Gold / Silver

Ballon Bleu de Cartierの36mm。自動巻で最小の径を、ピンクゴールドとブルーサファイアで仕立てた一本

Ballon Bleu de Cartier W6900456は、2007年に始まった同コレクションの36mmモデルである。18Kピンクゴールドのケースに、シルバーのギヨシェ文字盤、ローマ数字、ブルースティールの剣形針を組み合わせる。フルーテッドのリューズにはブルーサファイアのカボションを留め、これを弧状のガードが覆う。36mmはBallon Bleuの自動巻では最小の径にあたり、男女を問わない中庸の大きさとして位置づけられる。レザーストラップと18Kゴールドの尾錠を選ぶことで、スティールのブレス仕様とは異なるドレス寄りの表情を備える。

Ref. W6900456
発表年 2007
状態 現行品
限定 通常生産
コレクション Ballon Blue de Cartier
カテゴリ ドレス
キャリバー 049 No Date
ケース径 36.6 mm
防水 30 m
01 — Specification

仕様

As of WatchBase sync · 2026.06.09
Case · ケース
素材 Pink Gold
形状 Round
36.6 mm
厚さ 12.05 mm
ガラス Sapphire
裏蓋 Closed
防水 30 m
Movement · ムーブメント
キャリバー 049 No Date
タイプ Automatic
振動数 28,800 bph
石数 21 石
パワーリザーブ 42 時間
Dial · 文字盤 / Hands · 針
文字盤色 Silver
インデックス Roman Numerals
Sword
i — Editorial

設計思想

Design philosophy

36mmという径

Ballon Bleu de Cartierは2007年に発表され、28mmから46mmに及ぶ幅広いサイズで展開された。本Refはそのなかで、自動巻を収める最小の径である36mmを、18Kピンクゴールドで仕立てた一本にあたる。小径の28mmや33mmがクォーツを基本とするのに対し、36mmから上は機械式の自動巻が中心となる。つまり本Refは、機械式として手に取れる最も小ぶりなBallon Bleuであり、男女いずれの腕にも収まる中庸の寸法として選ばれてきた。ピンクゴールドにシルバーのギヨシェ文字盤を合わせ、ストラップをレザーとする構成は、スティールのブレス仕様が持つ日常的な軽さとは異なる、ドレス寄りの落ち着きを意図している。

同じ番号、異なる心臓

本Refを語るうえで欠かせないのが、ムーブメントの世代差である。発表当初に積まれていたのは外注のCal.049で、これはETA 2892-A2を基にした自動巻であった。2015年に自社製のCal.1847 MCが登場すると、カルティエはRef番号を変えないまま、多くの自動巻の中身をこの自社キャリバーへ静かに置き換えていった。結果として、同じW6900456でありながら、製造年の早い個体はCal.049を、後年の個体は1847 MCを積むという併存が生じている。外観の意匠を保ったまま心臓部だけが入れ替わったこの経緯は、本Refの個体差を理解するうえでの要点となる。

宝飾商の自動巻として

ピンクゴールドのケースにブルーサファイアのカボションを留めるという選択は、時計師である前に宝飾商であったカルティエの出自を映している。丸い「小石」のようなケースと、リューズを覆う弧は、機構の合理だけでは説明しきれない造形である。36mmという中庸の径にその意匠を収めた本Refは、宝飾の感性と機械式時計が穏やかに同居する位置に立っている。派手な装飾を加えず、金の地と青いカボションだけで語らせる構成は、ドレスウォッチとしての節度を保っている。


ii — Editorial

意匠分析

Visual analysis

ケースは公称36mm、実寸では約36.6mm、厚さは12.05mmである。前面と裏面の双方が膨らんだ凸面をなし、手首側が湾曲しているため、径の数値よりも収まりがよい。素材は18Kピンクゴールドで、面は深い鏡面に磨かれ、金特有の赤みを強く返す。

リューズは18Kピンクゴールドのフルーテッド(溝入り)で、頂部にブルーサファイアのカボションを留める。スティール仕様では合成スピネルが使われるが、ゴールドの本Refは本物のサファイアを抱く点が異なる。リューズはケースから張り出した弧状のガードに覆われ、その分だけ文字盤の3時側に切れ込みが生じる。本Refでも、この切れ込みに沿って分目盛とローマ数字の並びがわずかに湾曲し、完全な円のなかに非対称の表情を作る。

文字盤はシルバーのギヨシェ・オパーリンで、ラッカーによって仕上げられる。ローマ数字は黒で刷られ、12時のXIIが大きく取られるのはカルティエに共通する手法である。針はブルースティールの剣形で、シルバーの地に対して青が明快なコントラストを置く。

ストラップはアリゲーターのレザーで、留具は18Kピンクゴールドの尾錠(アルディヨン)である。同じ36mmにはゴールドのブレスを合わせた仕様も併存するが、本Refはレザーと尾錠を選ぶことで、装着の軽さよりも端正さに寄っている。

機構は世代によって分かれる。後年の個体が積む自社製Cal.1847 MCは、毎時28,800振動 (4Hz)、約42時間のパワーリザーブを持つとされる。裏蓋は無垢で、機構は外からは見えない。


iii — Editorial

系譜と歴史

Lineage

Ballon Bleu de Cartierは2007年、ジュネーブのSIHH(Salon International de la Haute Horlogerie)で発表された。本Ref(36mm・18Kピンクゴールド・シルバー文字盤)は、その発足期のラインに連なる自動巻として供給が始まったと伝わる。当初に積まれていたのはETA 2892-A2を基にした外注のCal.049であった。転機は2015年に訪れる。カルティエはこの年のSIHHで、自社製の自動巻Cal.1847 MCをクレ・ドゥ・カルティエとともに公開した。以後、同社はカタログ上のRef番号を変えないまま、多くの自動巻Refを1847 MCへ順次置き換えていった。この移行は大きな告知を伴わずに進んだため、同じW6900456でも、製造年の早い個体はCal.049を、後年の個体は1847 MCを積むという併存が残っている。参照番号の体系にも変化がある。W6900456はカルティエ旧来の「W」で始まる番号だが、近年同社は「WGBB」「CRW」で始まる新しい体系への整理を進めている。現行カタログで36mmのピンクゴールド・レザー仕様は別番号(たとえばCRWGBB0009)として並んでおり、本Ref自体が現行カタログに残るかは公式での確認が望ましい。なお、WatchBaseは本Refを「Cal.049 No Date、2007年」として記録している。

02 — Derivatives

同型・派生 Ref

Color · material · bracelet variants