クルト・クラウス
リューズだけで操作できる永久カレンダーを考案し、1985年のダ・ヴィンチを生んだIWCの時計師(1934-)
- BORN
- 1934年
- DIED
- 存命
- BRAND
- アイ・ダブリュー・シー — 1868年創業
- MODELS
- 1 本
概要
生涯
01IWCの時計師
クルト・クラウスは1934年に生まれ、IWCシャフハウゼンでムーブメントの構造設計を長く担った。SJXは2024年の記事で、クラウスをIWCの長年のムーブメント構造設計の責任者と呼び、90歳を迎えてすでに引退していると書いている。
02クォーツの時代
Monochromeによれば、1980年代初めのスイスの時計産業は、クォーツの台頭による大きな変化に直面していた。IWCのダ・ヴィンチも、1969年の最初の版はIWCが開発に関わったクォーツのベータ21を積んでいた。そうしたなかで、クラウスの技術的な指導のもと、ギュンター・ブリュムラインがIWCの最高経営責任者を務めていた1985年に、ダ・ヴィンチ永久カレンダーが送り出された。Monochromeは、この時計が複雑な機械式ムーブメントの表舞台への復帰を表していると評している。
業績・代表作
01リューズで操作する永久カレンダー
Monochromeによれば、1970年代の終わりにクラウスは、すべての設定をリューズで行え、3針の時計からクロノグラフまで、ほとんどあらゆるムーブメントに容易に取り付けられる永久カレンダーのモジュールを考案した。SJXは、このモジュールを1980年代初めの発明とし、伝統的な48か月のカムと大きなレバーを使う、古典的な構成の永久カレンダーだと説明している。
最大の革新は、ケース側面の修正ボタンをなくし、暦のすべての機能をリューズで操作できるようにした点にある。その代わり、暦は前にしか進められないという制約を伴った。機構は、年、月、日付、曜日、月相を同時に追うよう機械的にプログラムされている。4桁の年表示は、この永久カレンダーを最も特徴づける表示として知られる。
02ダ・ヴィンチ永久カレンダー・クロノグラフ
このモジュールを初めて積んだのが、1985年のダ・ヴィンチ永久カレンダー・クロノグラフ(Ref.3750)である。Monochromeは、これをダ・ヴィンチの歴史のなかで最もよく知られた版と呼び、この時計によってダ・ヴィンチは今日知られる評価を得たと書いている。
03その後の改良
SJXによれば、最初のモジュールの月相表示は、業界の標準である122年で1日の誤差の精度だった。2003年に導入された第2世代では、この誤差が577.5年で1日に縮められた。2017年のダ・ヴィンチ永久カレンダー・クロノグラフは1985年の時計への敬意を示す復刻で、Monochromeは、クラウスの考えたとおりリューズですべての調整を行うモジュールが、新しい自社製のクロノグラフの上に載っていると説明している。
評価・後世への影響
クラウスの永久カレンダーは、IWCを最もよく象徴する複雑機構となった。SJXは、4桁の年表示を持つこの永久カレンダーを、おそらくIWCと最も結びつけられる複雑機構だと書いている。2024年には、このモジュールを発展させ、永年カレンダー(セキュラー・カレンダー)を備えたポルトギーゼ・エターナル・カレンダーが発表された。
Monochromeは、1985年のダ・ヴィンチを、クォーツの時代のさなかに複雑な機械式ムーブメントが表舞台に戻ったことを表す時計と位置づけている。2017年のダ・ヴィンチの刷新でも、IWCは1985年の時計と、その背後にいたクラウスやブリュムラインの名を隠さずに掲げた。
この人物が関わったモデル
出典
本文の執筆にあたって参照した資料。閲覧日は内容を確認した日を示す。