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COMPLICATION · DEAD BEAT SECONDS

デッドビート秒

Dead Beat Seconds

機械式でありながら秒針を1秒ごとに刻み送り、秒の読み取りを助ける表示機構

INVENTOR
ジャン=モイーズ・プーゾ
YEAR
1776
CLASS
時刻表示 · 時間表示拡張
搭載モデル
2 本
01 — OVERVIEW

概要

デッドビート秒(dead beat seconds)は、機械式時計の秒針を1秒ごとに跳ばせて進める表示機構である。フランス語でセコンド・モルト、英語でジャンピング・セコンドとも呼ばれる。通常の機械式時計の秒針は、テンプの振動に合わせて1秒間に何度も小さく進むため、滑らかに動いて見える。デッドビート秒は、この細かな歩みをまとめて1秒ごとに解き放つ。時計の精度を高める機構ではなく、秒を読みやすくするための機構である。1954年のロレックス・トゥルービートや、2015年のジャガー・ルクルトのジオフィジック・トゥルーセコンドなどに採用された。

02 — PRINCIPLE

仕組み・原理

滑る秒針と跳ぶ秒針

機械式時計の秒針は、滑らかに掃くように動いて見えるが、厳密には連続した動きではない。秒針を進めるテンプは1秒間に何度も振動しており、その回数だけ秒針も小さく進む。たとえば毎時28,800振動(4Hz)のムーブメントなら、秒針は1秒間に8回進む。

デッドビート秒は、この細かな歩みを1秒分ためて、まとめて解き放つ機構である。秒針は1秒のあいだ止まり、次の瞬間に1目盛りだけ跳ぶ。

スターとフリルト

SJXによれば、デッドビート秒の作り方には大きく2つの道がある。輪列に付け足す複雑機構として組み込む方法と、ルモントワールを通じて輪列そのものの一部として組み込む方法である。

付け足す方法でよく使われるのが、星形の車(スター)とフリルトと呼ばれるレバーの組み合わせである。SJXは、ジャガー・ルクルトのジオフィジック・トゥルーセコンドのキャリバー770を、その現代の典型例に挙げる。4Hzのテンプを持つこの機械では、ガンギ車の下に星形の車が取り付けられ、脱進機が8回刻む、すなわち1秒が経つたびに、星形の車がわずかに回ってフリルトを解き放つ。補助のヒゲゼンマイを備えたこの仕組みは、1秒ごとに解放される2番目の脱進機のように働く。SJXは、1950年代に広く作られたシェザールのキャリバー115・116も同じような仕組みだったと書いている。

精度との関係

デッドビート秒は、時計を正確にする機構ではない。時計の精度を決めるのはテンプとヒゲゼンマイであり、秒針の運び方を変えても歩度そのものはよくならない。その意義は、秒針が目盛りの上で止まるため、ある瞬間の秒を正確に読める点にある。機構を加えるぶん、エネルギーの消費や調整の手間は増える。

03 — HISTORY

歴史

秒を正確に示すという要求

SJXは、時計の精度を追う時計は、1秒ごとに正確な秒を示さねばならないと書き、振り子時計がデッドビート秒の原点にあることを説明している。振り子時計の振り子は、1秒ごとに秒針を進める周期で振れる。しかし腕時計のテンプははるかに速く振動するため、同じ表示を得るには別の仕組みが要る。

1950年代の腕時計

SJXによれば、2番目の脱進機で跳ぶ秒針を動かす考え方は、腕時計では古いもので、デッドビート秒が流行した1950年代の1954年に登場したロレックスのトゥルービートにも使われた。トゥルービートは、医師が脈拍を測る道具として売り出されたと伝えられる。同じ時代には、シェザールのキャリバー115・116が広く作られた。

現代の復興

デッドビート秒は、21世紀に入って再び注目された。Monochromeによれば、ティムとバートのグロネフェルト兄弟は、時刻用とは別の独立した輪列を持つワン・ハーツを送り出し、この長く忘れられていた複雑機構を、高い精度という本来の場所に据え直した。SJXは、ハブリング²がブランドの創設直後からこの機構を手がけ、エルヴィンを手頃なデッドビート秒の時計として知られるものにしたと書いている。2015年には、ジャガー・ルクルトがジオフィジック・トゥルーセコンドを発表した。

04 — NOTABLE IMPLEMENTATIONS

代表的な実装

ロレックスのトゥルービート(1954年)は、2番目の脱進機で跳ぶ秒針を動かす方式を使った、1950年代の代表的な腕時計である。

ジャガー・ルクルトのジオフィジック・トゥルーセコンドは、キャリバー770にスターとフリルトの仕組みを載せた、現代の量産機の典型例である。

ハブリング²のエルヴィンは、デッドビート秒を手の届きやすい時計に載せた例として知られる。SJXは、デ・ベトゥーンのDB25T ゾディアックや、アーノルド&サンのダイヤル・サイド・トゥルービートも、2番目の脱進機で跳ぶ秒を動かす方式を使うと書いている。

A.ランゲ&ゾーネのリヒャルト・ランゲ・ジャンピングセコンド(キャリバーL094.1)は、ルモントワールを持つ輪列の上に跳ぶ秒を組み込み、ルモントワールが跳ぶ秒を制御する例である。Monochromeによれば、2016年に登場したこのモデルは、定力の脱進機、デッドビート秒、ランゲの特許のゼロリセット機構という3つの技術を組み合わせている。

グロネフェルトのワン・ハーツは、時刻と秒にそれぞれ独立した輪列を持たせる構成で、デッドビート秒のもう一つの答えを示している。

05 — REFERENCES

この機構を搭載する 2 本のモデル

06 — SOURCES

出典

本文の執筆にあたって参照した資料。閲覧日は内容を確認した日を示す。

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