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CALIBER · Nomos Glashütte

DUW 5101

自動巻 Automatic Analog デイト

2017年登場、自社製スイングシステムを核に、特許の日付リング機構を継ぐNOMOSの自動巻キャリバー

振動数
21,600 vph · 3 Hz
パワーリザーブ
42 時間
石数
26 石
ムーブメント径
31 mm
NO IMAGE
movement · DUW 5101
01 — OVERVIEW

概要

DUW 5101は、2017年にNOMOS Glashütteが発表した自社製の日付付自動巻キャリバーである。先代Zetaを直接の継承機とし、振動数21,600vph (3Hz)、最大42時間のパワーリザーブ、26石を備える。心臓部には、自社開発の脱進機「NOMOSスイングシステム」と青焼きのヒゲゼンマイが据えられる。日付はリングをムーブメント外周に配する特許構造で送られ、複雑機構を持ちながら薄さを保つ。Zürich dateやClub automatic dateなど、NOMOSの大型自動巻ラインの基幹を担う。

02 — SPECIFICATIONS

仕様

MakerNomos Glashütte
ReferenceDUW 5101
TypeAutomatic(自動巻)
DisplayAnalog
Frequency21,600 vph (3 Hz)
Jewels26 石
Power reserve42 h
Movement ⌀31 mm
HandsHours, Minutes, Small Seconds
DateDate
03 — EDITORIAL

系譜と歴史

Genealogy & history

1. 自社製造への歩みと日付の系譜

NOMOS Glashütteは、東西ドイツ統一直後の1990年、ザクセンの時計の町グラスヒュッテで創業した。当初は他社製ベースムーブメントの仕上げが中心であったが、2005年のAlpha系手巻で本格的な自社設計へ踏み出す。翌2006年には初の自動巻Epsilon、そして日付窓を備えたZetaを発表した。DUW 5101は、このZetaを直接の先代とするキャリバーである。

Zetaが導入した特許機構が、日付リングをムーブメント外周に配する構造である。一般に日付表示は文字板側へ円盤を重ねるため厚みを増すが、NOMOSはリングを輪列の外側へ逃がした。径は31mmへわずかに広がるが、薄さと端正さは保たれる。この構造は先行する手巻の日付付キャリバーで確立され、自動巻へと受け継がれた。

2. スイングシステムの獲得

2010年代、スイス製脱進機の供給を巡る不確実性が業界を揺らした。脱進機(調速機構)とヒゲゼンマイの大半はNivaroxが握り、独立系メーカーは供給を他社に依存していた。NOMOSは2007年に自社脱進機の構想へ着手し、ドレスデン工科大学とフラウンホーファー協会の協力を得て開発を進める。

7年の歳月を投じ、2014年に「NOMOSスイングシステム」を完成させた。初搭載は手巻のDUW 4401であった。テンプ、ヒゲゼンマイ、アンクル、ガンギ車から成るこの機構は、NOMOSを部品供給から技術的に独立させた。青焼きのヒゲゼンマイは、その独立の象徴でもある。

3. 名称の刷新とDUWファミリー

スイングシステムの搭載に合わせ、NOMOSはキャリバー名をギリシャ文字からDUWへ改めた。DUWはDeutsche Uhrenwerke、すなわちドイツ時計工房を意味する。EpsilonはDUW 5001へ、ワールドタイムのXi系はDUW 5201へ、そしてZetaは2017年にDUW 5101へと世代交代した。

スイングシステムを最初に得た自動巻はワールドタイムのDUW 5201であった。DUW 5101は、その自社製脱進機を日付付の基幹キャリバーへ展開した形となる。先代Zetaの輪列構成を保ちつつ、心臓部を自社製へ置き換えた点に、この世代交代の本質がある。

04 — MECHANISM

技術解説

Technical breakdown

スイングシステムという心臓部

DUW 5101の核は、NOMOS自社製の脱進機「スイングシステム」である。脱進機とは、ゼンマイの力を一定間隔で解き放ち、時の歩みを刻む調速機構を指す。これはガンギ車、ルビーの爪石を持つアンクル、テンプ、ヒゲゼンマイから構成される。アンクルの2つのルビーがガンギ車の歯と交互に噛み合い、ゼンマイの力を一度に放たず、計られた分だけ送り出す。

テンプ(往復回転して時を刻む輪)は銅ニッケル合金製で、3本のアームを持つ。これと対を成すヒゲゼンマイ(テンプの振動を司る渦巻状のばね)は鉄ニッケル合金製で、温度変化や磁気の影響を受けにくい。正確な配合は企業秘密とされる。磁気を帯びにくい点は、日常の精度維持にも寄与する。青く焼き戻された色味は外観上の特徴であり、隣接する青焼きビスと調和する。

振動数と精度の根拠

振動数は21,600vph (3Hz)、すなわちテンプは1秒に3往復、毎時21,600回振動する。比較的ゆるやかなこの拍動は、Zeta以来の輪列構成に由来する。精度は調整の質に支えられ、DUW 5101は6姿勢で調整される。

NOMOSは独自の「DUW緩急針システム」を採用する。一般的な緩急針が用いる調整ビスを廃し、緩急針と振り座をテンプ受けのリング上に配して上面から調整する構造とした。竜頭を引くと秒針が止まるストップセコンド機構を備え、秒単位での時刻合わせができる。COSC認定こそ受けないが、各個体はクロノメーター基準に沿って調整されるとされる。

日付機構と仕上げ

日付は、ムーブメント外周に置かれたリングで送られる。文字板側へ円盤を重ねないため、複雑機構を備えながら全体の厚みは4.3mmに収まる。外周へリングを逃がす発想は、薄型化と複雑機構を両立させるNOMOSの設計思想を映す。

自動巻ローターは両方向で巻き上げ、扉を開く程度の腕の動きからも新たな力を得る。香箱にはグラスヒュッテ・ストップワークを備える。輪列を一枚で受けるグラスヒュッテ伝統の3/4プレートは、構造の安定に寄与する。仕上げはグラスヒュッテの意匠で統一される。3/4プレートにはグラスヒュッテ・ストライプ(リブ模様)、地板にはNOMOSペルラージュが施される。巻上げ系の歯車にはグラスヒュッテ・サンバースト(日輪仕上げ)が刻まれ、各所のビスは青焼きとされる。ロジウムめっきの表面が、これらの装飾を静かに引き立てる。

05 — CARRIERS

このキャリバーを搭載する 1 本のリファレンス

This caliber appears in 1 references
06 — SOURCES

出典

本文の執筆にあたって参照した資料。閲覧日は内容を確認した日を示す。

  1. 01 公式 NOMOS Glashütte 公式 · 2026.08.15 閲覧 2026.08.15
  2. 02 専門メディア DUW 6101 - Grail Watch Reference 専門メディア · Grail Watch Reference · 2026.08.15 閲覧 Grail Watch Reference · 2026.08.15