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CALIBER · LONGINES

L595

自動巻 Automatic Analog

ETA 2000-1を母体とする、Longinesの小径自動巻。2892系の設計を径19.4mmに収めた婦人用の基幹機

OVERVIEW · 概要

Cal. L595は、ETA 2000-1を母体とするLonginesの自動巻キャリバーである。径19.4mmと小ぶりで、主に婦人用モデルの動力を担う。振動数28,800vph (4Hz)、パワーリザーブ約40時間、20石。秒針停止機構(ハック)と日付表示を備える。母体のETA 2000-1は、汎用機2892-A2を小径化した設計に連なる。Longinesはこの基盤に独自ローターを載せ、上位にはCOSC認定・シリコンヒゲのL592系を併走させる。コンクエスト・クラシックの婦人用やマスターコレクションの小径モデル、プリマルーナなどに搭載される。

SPECIFICATIONS · 仕様
MakerLongines
ReferenceL595
TypeAutomatic
DisplayAnalog
Frequency28,800 bph (4 Hz)
Jewels20 石
Power reserve40 h
Movement ⌀19.4 mm
HandsHours, Minutes, Seconds
DateDate
EDITORIAL · 編纂

系譜と歴史

Genealogy & history

1. 小径自動巻という課題

Cal. L595の母体は、ETA社の汎用ムーブメント「ETA 2000-1」である。1992年頃から供給される自動巻で、径19.4mm(8.75リーニュ)、厚さ3.60mmと小ぶりにまとめられている。この小ささは偶然ではない。婦人用や小径ケースの時計に機械式の自動巻を収める——その要請に応えるための設計であった。

設計の出自は、ETAの薄型自動巻「2892-A2」にさかのぼる。2892-A2は径25.6mmで、数多のブランドが基盤として採用してきた業界の定番機である。ETA 2000-1は、その設計思想を小径へ写し替えた姉妹機と位置づけられる。大径機の堅実な輪列構成を保ったまま、外径を6mm以上切り詰めた点に、この母体の技術的な妙味がある。

2. グレードの分化

LonginesはSwatch Group傘下のブランドであり、ETA系のムーブメントを自社向けに供給を受け、独自の型番を与えて搭載する。Cal. L595は、その標準グレードにあたる銘板版である。20石、28,800vph (4Hz)、パワーリザーブ約40時間という構成は、母体のETA 2000-1をほぼそのまま受け継ぐ。

このプラットフォームの上位には、L592系が併走する。なかでもL592.4は、COSC(スイス公認クロノメーター検査機関)の認定を受け、シリコン製のヒゲゼンマイを採用した仕様である。2017年に登場したレコード・コレクションは、Longinesにとって初のCOSC認定群であり、婦人用にL592.4、紳士用にL888.4が用いられた。L595が日常域の堅実さを担うのに対し、L592系は精度認定という付加価値を担う。同じ母体から、性格の異なる二つのグレードが枝分かれする構図である。

3. 産業基盤としての位置

ETA 2000-1は、Longines以外の多くのブランドにも採用されてきた小径自動巻の共通基盤である。小径の機械式が求められる場面で、設計者が手に取りやすい選択肢として長く流通してきた。SellitaのSW1000-1は、同じ用途に向けた並走機として知られる。両者は近い思想を持ちつつ、巻き上げ機構や部品設計に各社の流儀が反映されており、優劣ではなく系統の差として理解するのが妥当である。

LonginesにおけるL595の役割は明快である。紳士用の中核を、より大径の2892-A2系を母体とするL619やL888系が担うのに対し、L595は径の小さな婦人用ラインを下支えする。コンクエスト・クラシックの婦人用自動巻、マスターコレクションの小径モデル、プリマルーナといった機種が、この母体の上に成り立っている。

MECHANISM · 機構と仕様

技術解説

Technical breakdown

Cal. L595の機構は、母体であるETA 2000-1の構成をそのまま受け継ぐ。径19.4mm、厚さ3.60mmという小さな地板の上に、自動巻に必要な要素を過不足なく配置した設計である。主要な構成要素ごとに見ていく。

調速機構とテンプ

心臓部の振動数は28,800vph (4Hz)。これは1秒あたりテンプが8回(片道4回)往復することを意味する。テンプとは、ヒゲゼンマイの弾性で一定周期の往復運動を刻む調速輪であり、この周期の安定が精度を左右する。4Hzは現代の実用自動巻で広く採られる振動数で、精度の出しやすさ、耐衝撃性、消費エネルギーの釣り合いが取れた値とされる。標準グレードのL595では、ヒゲゼンマイに金属合金を用い、緩急針(歩度を微調整する部品)で精度を整える方式を採る。脱進機(テンプの動きにあわせて輪列の回転を一定間隔で解き放つ機構)は、量産機で広く用いられるスイスレバー式である。

シリコンヒゲという分岐点

ここが、L595と上位のL592系を分かつ機構上の境界である。L592.4などの上位仕様は、ヒゲゼンマイにシリコンを採用する。シリコンは磁気を帯びず、温度変化による弾性の揺らぎが小さく、軽量で耐衝撃にも有利な素材である。これにより耐磁性能と温度安定性が高まり、COSCの求める日差-4〜+6秒の枠内に収めやすくなる。L595はこの素材を持たない標準機であり、両者の性格差はこの一点に集約される。

自動巻と香箱

動力は、ローターの回転を巻き上げに変換する自動巻機構によって蓄えられる。単一の香箱(ぜんまいを収める部品)で約40時間のパワーリザーブを確保する。4Hzという比較的高い振動数は単位時間あたりの消費エネルギーが大きいため、小径ながら40時間を保つこの構成は、香箱容量と機構効率の釣り合いに配慮した結果といえる。秒針停止機構(ハック)を備え、リューズを引くと秒針が止まるため、秒単位での時刻合わせができる。香箱から放たれた動力は輪列を経てテンプへ伝わり、その途中から日付車へ分岐して日送りを行う。小径の地板にこれらを収めるため、各部品は精緻に小型化されている。

仕上げと認定

L595はソリッドケースバックの婦人用モデルに収まることが多く、仕上げは過度な装飾を避けた実用本位の傾向にある。Longinesは自社向けの仕様として、ローターに独自の装飾や刻印を施す。認定の面では、標準のL595はクロノメーター認定を伴わない実用機であり、精度認定は上位のL592系が担う。同じ母体から出た二つのグレードは、この認定の有無によっても役割を分けている。

04 — CARRIERS · 搭載モデル一覧

このキャリバーを搭載する 1 本のリファレンス

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