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CALIBER · Landeron

21

手巻 Handwound Analog デイト

2010年代後半、ETA 2804-2系を土台に登場した、復活ランデロンの手巻き。ニヴァダ・グレンヘンの薄型復刻を支える11½型キャリバー

振動数
28,800 vph · 4 Hz
パワーリザーブ
36 時間
石数
18 石
ムーブメント径
23.3 mm
NO IMAGE
movement · 21
01 — OVERVIEW

概要

ランデロン 21は、2010年代後半に名を復活させたランデロン・ブランドが手がける手巻きキャリバーである。歴史的なクロノグラフ専業メーカーの名を継ぐが、本機自体はクロノグラフではなく、三針時計用のムーブメントにあたる。設計はETA 2804-2や、その並行クローンであるセリタ SW215-1と近い系譜にある。直径11½型(25.6mm)、振動数28,800vph(4Hz)、パワーリザーブ約36時間、18石(17石とも)を備え、日付は持たない。薄型で素直な汎用エボーシュとして、ニヴァダ・グレンヘンのアンタークティック 35に採用され、薄いケースプロファイルを実現する基盤となっている。

02 — SPECIFICATIONS

仕様

MakerLanderon
Reference21
TypeHandwound(手巻)
DisplayAnalog
Frequency28,800 vph (4 Hz)
Jewels18 石
Power reserve36 h
Movement ⌀23.3 mm
HandsHours, Minutes, Seconds
03 — EDITORIAL

系譜と歴史

Genealogy & history

ランデロンという名の二つの時代

ランデロンは、本来クロノグラフのために知られた名である。このスイスのムーブメントメーカーは、19世紀後半に源流を持つ。アナトール・ブライトリングの特許を取得した1924年以降、コラムホイール式クロノグラフの主要な供給者となった。特許失効後の1930年代末には、カム(横レバー)式クロノグラフの先駆けとされるCal.47を開発する。これを二プッシャー化したのがCal.48であり、1937年から1970年代まで350万個以上が生産されたと伝わる。コラムホイール式より安価に作れる構造ゆえに、クロノグラフを一般層へと広げた立役者となった。

その名は1980年代のクォーツショックのなかでいったん途絶える。歴史的なランデロンの商標は2015年にデパ・ラグジュアリー・ディストリビューション社が取得した。そして2018年以降、同社のデパ・スイス・ムーブメンツがランデロン名でムーブメント供給を再開する。ランデロン 21は、この復活したブランドが送り出す手巻きキャリバーである。かつてカム式クロノグラフで名を馳せた名が、いまは三針という最も基本的なムーブメントに冠されている。この点は、本機を理解するうえで欠かせない文脈である。

ETA 2804-2系という土台

ランデロン 21の設計は、ETA 2804-2、そしてその並行クローンであるセリタ SW215-1と同じ系譜に属する。ETA 2804-2は、汎用自動巻きの代名詞であるETA 2824-2を手巻き化し、日付を備えた派生である。さらにその無日付版がETA 2801-2にあたる。つまりランデロン 21は、業界で最も広く使われてきた11½型ファミリーのうち、手巻きという枝に連なる存在である。

こうしたETA系エボーシュの供給元が増えた背景には、業界の供給事情がある。スウォッチ・グループが外部ブランドへのムーブメント供給を段階的に絞り、中小ブランドは代替供給元を求めるようになった。セリタをはじめとする供給元が台頭し、復活ランデロンもその一翼を担うことになる。ランデロン 21は技術的な革新を打ち出す類のムーブメントではない。確立された設計を手頃に供給する、共通基盤としての役割を引き受けている。

ニヴァダ・グレンヘンと薄型化

ランデロン 21の実像が最もよく見えるのは、ニヴァダ・グレンヘンのアンタークティック 35での採用である。2023年に登場したこの復刻モデルは、手巻きであるランデロン 21の薄さを活かした。サファイアガラス込みで約10.1mmという薄型ケースを実現している。これはヴィンテージのオリジナル(約11.5mm)よりも薄く、自動巻きでは難しい寸法である。

興味深いことに、1950年代のオリジナルのアンタークティックは自動巻きを売りにしていた。手巻きのランデロン 21を選んだ現行版は、その点で歴史と異なる選択をしている。とはいえ、これは往年の薄いプロポーションを優先した結果といえる。本機は派手な機構を持たないが、薄型かつ素直な汎用キャリバーとして、復刻時計の設計に確かな選択肢を与えている。

04 — MECHANISM

技術解説

Technical breakdown

基本設計

ランデロン 21は、直径11½型(25.6mm)の手巻きムーブメントである。テンプ(時間の基準を刻む振動体)は毎時28,800回振動する。これは4Hzに相当し、テンプが1秒間に8回振れることを意味する。28,800vph(4Hz)は現代の実用ムーブメントの標準的なテンポであり、21,600vph世代より秒針の運針が滑らかで、姿勢差にも比較的強い。脱進機(テンプの振動に合わせて輪列のエネルギーを小出しにする機構)はスイスレバー式を採る。

香箱(ぜんまいを収める部品)はひとつで、満巻きからのパワーリザーブは約36時間とされる。これは土台となったETA 2804-2の約42時間より短く、本機が同系でありながら固有の仕様を持つことを示している。設計の範とされる2804-2は3時位置に日付を持つが、確認できる搭載例のアンタークティック 35系はいずれも日付を持たない三針仕様である。秒針はテンプを止めて時刻を合わせるハック機能を備えると見られる。

調速と仕上げ

調速はテンプ受けに設けられた緩急針による方式で、ヒゲゼンマイ(テンプの往復を制御する渦巻き状のばね)は平ヒゲを用いる。耐衝撃機構は、この系統で一般的なレバー式の受石機構を備える。なお、テンプやヒゲの素材、緩急装置の細部について、メーカーは公式な技術資料を広くは公開していない。本機はクロノメーター等の外部認定を受けるムーブメントではなく、精度は個体ごとの調整に依存する。実機を評価した専門メディアでは、ニヴァダ搭載例の歩度は良好に整えられていたと報告されている。

仕上げは実用本位で、装飾的な面取りやコート・ド・ジュネーブを前面に押し出す設計ではない。多くの搭載例で裏蓋は閉じられ、ムーブメントは表に現れない。石数は17石とされるが、ニヴァダのケースに収められた個体の文字盤には「18 Rubis」と記される例があり、表記には差異が見られる。

系譜のなかでの位置

機構面でのランデロン 21の核心は、独自技術ではなく、確立された11½型・手巻きという設計を踏襲している点にある。同じデパ・スイス・ムーブメンツは、ETA 2824-2に対応する自動巻きのランデロン 24なども展開している。ランデロン 21は、その手巻き版にあたる位置づけである。独創的な脱進機やシリコン部品といった現代的な要素は持たないが、薄さと素直な構成を備える。小径・薄型のケースを志向する時計にとって、扱いやすい基盤となっている。

05 — CARRIERS

このキャリバーを搭載する 2 本のリファレンス

This caliber appears in 2 references
06 — SOURCES

出典

本文の執筆にあたって参照した資料。閲覧日は内容を確認した日を示す。

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