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Nivada Grenchen · Antarctic

Antarctic 35 Black - White Luminova / Stainless Steel / Black

1950年代の探検時計を35mmで再構築したアンタークティック。黒文字盤に白色蓄光を合わせた、手巻きの現行基準仕様

アンタークティック 35mm ブラック・ホワイトルミノバ (Ref. 35002M17) は、2023年に発表された手巻きの現行アンタークティックである。1950年代に南極探検を支えた初代を範とし、316Lスチール製の35mmケースにアールデコ調の文字盤を収める。自動巻きだった初代に対し、本作は薄型の手巻きランデロン21を採用し、ケース厚を抑えた点が大きく異なる。黒文字盤に白色のスーパールミノバを合わせ、視認性とコントラストを高めた構成が本仕様の性格を決めている。日付を持たない3針のみの簡潔な設計で、往年の道具時計の質感を現代へ写し取る。

Ref. 35002M17
限定 通常生産
コレクション Antarctic
カテゴリ フィールド
キャリバー 21
ケース径 35 mm
防水 50 m
01 — Specification

仕様

As of WatchBase sync · 2026.06.14
このモデルを比較する
Case · ケース
素材 Stainless Steel
形状 Round
径 35 mm
厚さ 10.1 mm
ガラス Sapphire
裏蓋 Closed
防水 50 m
Movement · ムーブメント
キャリバー 21
タイプ Handwound
振動数 28,800 bph
石数 18 石
パワーリザーブ 36 時間
Dial · 文字盤 / Hands · 針
文字盤色 Black
インデックス Mixed
針 Proprietary
i — Editorial

設計思想

Design philosophy

小径回帰の時代に放たれた一本

アンタークティック 35mm が発表されたのは2023年11月である。大径化が一巡し、35mm前後の小径ケースが再び評価され始めた時期にあたる。Nivada Grenchen は2020年の再始動以来、往年の設計を過度に再解釈せず、忠実に写し取る方針で支持を集めてきた。本作はその姿勢を端的に示す一本といえる。ケース径35mmは、大径化が進んだ現行の多くの時計に対し、往年のアンタークティックの寸法をそのまま引き継いだものである。流行に逆らう小径への回帰は、結果としてブランドの個性を際立たせている。

初代との連続と断絶

初代アンタークティックは1950年代、防水・耐磁を備えた自動巻きの道具時計として登場した。ブランドの自動巻きライン Aquamatic の系譜に連なる存在である。1955年から56年にかけてのオペレーション・ディープフリーズで南極に渡り、信頼性で名を高めた。現行の35mmは、その文字盤構成と寸法、ドーフィン針までを忠実に継ぐ。一方で駆動方式は明確に断絶する。初代が自動巻きであったのに対し、本作は手巻きのランデロン21を積む。1950年代の広告が「彼らは決して巻かれなかった」と自動巻きを誇示した経緯を踏まえれば、手巻きへの転換は逆説的でもある。これは薄型化を狙った選択であり、初代を下回るケース厚を可能にした。日々リューズを巻く所作が、道具時計らしい身体性を取り戻している。

系列の入口としての役割

アンタークティックはNivada Grenchenで最大の系列である。ダイバー、スーパーアンタークティック、スパイダーなどが並ぶなか、35mmは唯一の純粋な3針時計として系列の入口を担う。回転ベゼルも複雑機構も持たず、文字盤の表情だけで成立する簡潔さが本作の核にある。なかでもRef. 35002系の黒文字盤・白色蓄光は、白色蓄光と温色のオレンジ蓄光という二択のうち、コントラストを重んじた現代的な側に立つ仕様である。


ii — Editorial

意匠分析

Visual analysis

主役は文字盤にある。黒地に映えるアールデコ調のアラビア数字が12・3・6・9時位置に置かれ、その他のインデックスには面取りされた矢羽根状のマーカーが並ぶ。氷柱を思わせる形状で、シリーズ共通の意匠を踏襲する。マーカーの外縁には、点ではなく弧を描く蓄光が刷られる。本仕様はこの蓄光に白色のスーパールミノバを選び、黒文字盤との明暗差を強めている。温色のオレンジ蓄光を選ぶ姉妹仕様に比べ、視認性と現代的な清潔感を優先した構成である。

針はスチール製のドーフィン型で、中央に蓄光のストライプを備える。中央秒針は研磨スチールとブルースチールから選べ、本作の細く伸びた秒針は文字盤に古典的な抑揚を添える。文字盤上には12時下に「Nivada Grenchen」、6時上に「Antarctic」、最下部に「Swiss」が控えめに記される。

ケースは316Lスチール。表面とベゼルを鏡面に磨き、側面はサテン仕上げとすることで、角張ったラグの陰影を際立たせる。ラグは上面が平らで縁が湾曲し、手首に沿って落ちる。厚さはケース単体で7mm、ドーム型サファイアを含めても10.1mmに収まる。この薄さこそ手巻きランデロン21を選んだ成果であり、毎時28,800振動 (4Hz) で約36時間を駆動する。風防は二重ドームのサファイアで、ベゼル上面から盛り上がり、往年のアクリル風防の質感を再現する。リューズは署名入りの押し込み式で、ねじ込み式を採らない。手巻きの操作性を優先し、50m防水との均衡をとった選択である。裏蓋は無垢で、ペンギンを刻んだ金色のメダリオンが歴史への目配せとなる。

ストラップとブレスレットは複数用意され、Ref. 35002M17 はその組み合わせの一つを指す。レザー各色、レーシング、ビーズ・オブ・ライス、フラットリンク、トロピックラバーが揃い、いずれもクイックリリース式で18mmから16mmへ細る。


iii — Editorial

系譜と歴史

Lineage

本作の母体となるアンタークティック 35mm は、2023年11月23日にブランド公式オンライン限定で発表され、同日に受注を開始した。予約期間は同年12月23日までとされ、初回出荷は2024年3月が予定された。当初から正規販売店経由でなく公式サイト主導で供給された点が、初動の特徴である。

文字盤は黒・白・エッグシェルの3色で展開され、各色に白色蓄光と温色のオレンジ蓄光の選択肢が用意された。さらに黒文字盤には、針とインデックスをスチールとするか金色とするかの別もある。本記事が扱うRef. 35002系は、黒文字盤に白色蓄光を組み合わせた構成にあたり、M17はそのストラップ違いの一つである。組み合わせはレザー各色、レーシング、ビーズ・オブ・ライス、フラットリンク、トロピックラバーから選べる。

その後アンタークティックの系列は、38mmケースの追加やグレイシャーなどの派生で広がった。35mmの本作は、こうした展開のなかでも継続して供給される現行モデルである。発表以降、本作の主要仕様に大きな変更は報じられておらず、文字盤・ケース・機械の構成は当初のまま保たれている。


Sources

出典

本文の執筆にあたって参照した資料。閲覧日は内容を確認した日を示す。

  1. 01 公式 Antarctic - Nivada Grenchen 公式 · Nivada Grenchen · 2026.08.15 閲覧 Nivada Grenchen · 2026.08.15
  2. 02 専門メディア Hands-On With The Nivada Grenchen Antarctic 35mm 専門メディア · Fratello Watches · 2026.08.15 閲覧 Fratello Watches · 2026.08.15
02 — Price history

価格推移

2025 · WatchLedger market index
2025-06-06 · EUR 985€925€950€975€1,000€1,025€1,0502025-062025-06

出典: WatchBase 観測価格 · 通貨タブ(JPY / USD / EUR)で系列を切替できます。

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03 — Derivatives

同型・派生 Ref

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