本文へ
Zenith · Defy · 2023

Defy 21 Ultra Colour Blue

2023年、8セット限定のUltra Colourボックスを構成する青。ゼニスの原点に通じる色をムーブメントに宿したDefy 21

97.9001.9004-6/80.R946.T3/Pは、2023年にゼニスが発表したDefy 21 Ultra Colourボックスを構成する、青の1本である。8セットのみの限定で作られ、開けた文字盤と透明な裏蓋から、青く仕上げられたEl Primero 9004が覗く。44mmのマイクロブラスト・チタンケースに、計時用とクロノグラフ用の2つの脱進機を備えた1/100秒クロノグラフを収める。この青は、2020年のUltraviolet、2021年のUltrablueと続いた色の系譜の延長にあり、星空に由来するとされるゼニスの社名と縁の深い色でもある。

Ref. 97.9001.9004-6/80.R946.T3/P
発表年 2023
状態 現行品
限定 限定 8
コレクション Defy
カテゴリ クロノグラフ / スケルトン
キャリバー El Primero 9004
ケース径 44 mm
防水 100 m
クロノグラフ パワーリザーブ
01 — Specification

仕様

As of WatchBase sync · 2026.06.09
Case · ケース
素材 Titanium
形状 Round
44 mm
厚さ 14.5 mm
ガラス Sapphire
裏蓋 Open
防水 100 m
Movement · ムーブメント
キャリバー El Primero 9004
タイプ Automatic
振動数 36,000 bph
石数 53 石
パワーリザーブ 50 時間
Dial · 文字盤 / Hands · 針
文字盤色 Skeleton
インデックス Stick / Dot
Stick
i — Editorial

設計思想

Design philosophy

高周波を色で語る

Defy 21は、2017年のバーゼルワールドで発表された、El Primero 9004を初めて積んだモデルである。1/100秒を計測する高周波クロノグラフをゼニスの中核に据えた一本で、この機構は計時用とクロノグラフ用に独立した2つの脱進機を持ち、後者は毎時360,000振動 (50Hz) で動く。ゼニスはこの速さを、可視光の周波数すなわち色に置き換えて見せる手法を編み出した。2020年のUltravioletがその出発点であり、グレー一色のケースに対し、ムーブメントだけを鮮烈な色で仕上げるという設計コードがここで定まった。

Ultra Colourボックスは、その発想を1つの製品として完結させた企画である。2023年、ゼニスは8色のDefy 21を1組にまとめ、8セットのみの限定で世に出した。色は黒、青、紫、橙、桃、緑、ターコイズ、カーキの8種。この97.9001.9004-6/80.R946.T3/Pは、そのうちの青を担う1本である。

Ultrablueから受け継いだ青

8色のうち青と紫は、ボックスのために新たに作られた色ではない。紫は2020年のUltraviolet、青は2021年のUltrablueとして、すでに通常コレクションに存在していた色である。事実、単体で販売されたUltrablueの参照番号は97.9001.9004/81.R946であり、本機の番号末尾R946と共通する。両者はストラップと色の系譜を分かち合う、いわば兄弟の関係にある。違いは位置づけにあり、Ultrablueが恒常的なコレクションの一員だったのに対し、本機はボックスを構成する限定の青として作られた。同じ青でありながら、流通の文脈が異なる。

8色のなかの青

青がこの8色のなかで特別な重みを持つのには理由がある。ゼニス創業者ジョルジュ・ファーヴル・ジャコは、星空から着想を得て社名とキャリバー名を定めたと伝わり、青はその夜空に通じる色とされる。1969年に登場したEl Primero搭載機の一つA386でも、青は基調の色だった。8色を横に並べたとき、最も社史と縁の深い色がこの青である。本機はその青を、8セットのみという限定のかたちで一度だけ世に出した個体にあたる。


ii — Editorial

意匠分析

Visual analysis

97.9001.9004-6/80.R946.T3/Pの設計は、無彩色の器と有彩色の機構という対比に集約される。ケースは44mmのチタン製で、表面は微細なブラスト加工により梨地へ整えられ、光を抑えた濃いグレーに沈む。面取りの効いた稜線が走るが、仕上げ全体は均質で、ケースそのものは徹底して色を排している。

その無彩色の器に対し、色を担うのはムーブメントである。開けた文字盤と透明なサファイア裏蓋の双方から、El Primero 9004の地板とブリッジ、そして自動巻きのローター(回転錘)が青く仕上げられているのが見える。文字盤側のクロノグラフカウンターはケースと同じグレーで起こされ、その下層に青が覗く構成をとる。色を文字盤やベゼルではなく機構そのものに与えるこの手法が、Ultraviolet以来の設計コードであり、本機もそれを踏襲する。針とインデックスはロジウムプレートで面取りされ、スーパールミノヴァを備えて、グレーの地に対する視認性を確保する。

機構の振る舞いそのものも意匠の一部となっている。中央のクロノグラフ秒針は、作動時に1秒で文字盤を1周する。これは毎時360,000振動 (50Hz) で動くクロノグラフ用脱進機がもたらす動きで、毎時36,000振動 (5Hz) の計時用脱進機とは独立している。30分計を3時、60秒計を6時、スモールセコンドを9時、クロノグラフのパワーリザーブを12時に配し、開けた文字盤の下で2つの調速機構が並走する様子が見える。

ストラップはケースと対をなす青のコーデュラ調ラバーで、チタンのフォールディングバックルで留める。ケースは無彩色、ストラップと機構は青という色分けが、この個体の性格を決めている。裏蓋には、8セット限定を示す通し番号が刻まれる。


iii — Editorial

系譜と歴史

Lineage

本機が属するDefy 21の系譜は、2017年のバーゼルワールドに遡る。El Primero 9004を初めて搭載したDefy El Primero 21がここで発表され、1/100秒クロノグラフのプラットフォームが立ち上がった。色をめぐる展開はその後に始まる。2020年、ムーブメントを紫に仕上げたUltravioletが登場し、グレーのケースに対して機構だけを彩色する手法が定まった。続く2021年3月、同じ手法を青に適用したUltrablueがブティックおよびオンラインで販売された。本機の青は、このUltrablueに連なる。

97.9001.9004-6/80.R946.T3/Pが世に出たのは2023年である。2月3日、ゼニスはDefy 21を8色そろえたUltra Colourボックスを発表した。8色は黒、青、紫、橙、桃、緑、ターコイズ、カーキで、本機はそのうちの青を担う。ボックスは8セットのみの限定で、ゼニスの直営ブティックと公式オンラインブティックでのみ取り扱われた。

このボックスには番号付けの工夫がある。各時計の裏蓋には1から8の限定番号が刻まれるが、1セット内の8本に同じ番号を与えるのではなく、1から8まで順に割り振る方式が採られた。したがって本機の参照番号も、合計8本のみが存在し、各個体は異なる番号を帯びる。単体で恒常的に販売されたUltrablue(97.9001.9004/81.R946)とは異なり、本機はこの限定ボックスの構成要素として供給された点に、生産上の固有性がある。

02 — Derivatives

同型・派生 Ref

Color · material · bracelet variants