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Ulysse Nardin · Marine · 2021

Marine Torpilleur Moonphase Stainless Steel / Blue / Alligator

2021年、創業175周年に生まれたトーピリュール初のムーンフェイズ。青文字盤300本限定の転換点

1193-310LE-3A-175/1Aは、ユリス・ナルダンが創業175周年の2021年に発表したマリーン トーピリュール ムーンフェイズの青文字盤仕様である。42mmのステンレススチールケースに、月齢表示を組み込んだ新型自動巻きCal.UN-119を初搭載した。シリコン製ヒゲゼンマイとDIAMonSIL製脱進機を備え、COSC認定クロノメーターでもある。サンレイ仕上げの青いPVD文字盤は300本限定。時刻表示中心だったトーピリュールに、航海と縁の深い複雑機構を加えた最初の一本となった。

Ref. 1193-310LE-3A-175/1A
発表年 2021
状態 現行品
限定 限定 300
コレクション Marine
カテゴリ ドレス
キャリバー UN-119
ケース径 42 mm
防水 50 m
関連人物 ユリス・ナルダン / ロルフ・W・シュナイダー
ムーンフェイズ
01 — Specification

仕様

As of WatchBase sync · 2026.06.12
このモデルを比較する
Case · ケース
素材 Stainless Steel
形状 Round
径 42 mm
厚さ 11.13 mm
ガラス Sapphire
裏蓋 Open
防水 50 m
Movement · ムーブメント
キャリバー UN-119
タイプ Automatic
振動数 28,800 bph
石数 45 石
パワーリザーブ 60 時間
Dial · 文字盤 / Hands · 針
文字盤色 Blue
インデックス Roman Numerals
針 Poire
i — Editorial

設計思想

Design philosophy

175周年が編成した「艦隊」

2021年、ユリス・ナルダンは創業175周年を迎えた。1846年にル・ロックルで産声を上げた同社は、19世紀から20世紀にかけて世界50以上の海軍や天文台にマリンクロノメーターを供給した歴史を持つ。この節目に同社が選んだ舞台は、同年8月末のジュネーブ・ウォッチデイズである。発表されたのは、マリーン トーピリュールの限定モデル7本からなる記念コレクションだった。エナメル文字盤、ムーンフェイズ、年次カレンダー・クロノグラフ、トゥールビヨンと、自社の得意技術を一望させる編成であり、水雷艇を意味する「トーピリュール」の名にふさわしい小艦隊であった。本機はその中核を担うムーンフェイズの青文字盤仕様である。

入門機から複雑機構の担い手へ

トーピリュールは2017年、マリーン コレクションの入門的な位置づけで登場したラインである。当初は時刻と日付、パワーリザーブ表示にとどまる構成だったが、175周年コレクションはここに初めて本格的な複雑機構を持ち込んだ。中でもムーンフェイズは、トーピリュールのみならずマリーン コレクション全体でも初の採用とされる。月は潮汐を支配し、天測航法の基準でもあった。海洋クロノメーターを源流とするコレクションにとって、月齢表示は装飾ではなく出自に根ざした機能だという論理が、この選択を支えている。ユリス・ナルダン自身、19世紀末からムーンフェイズ付き時計を手がけてきた歴史を持つ。

新キャリバーUN-119という核心

本機の発表は、新型ムーブメントCal.UN-119のデビューでもあった。ベースは2012年に登場した自社製自動巻きUN-118で、シリコン製ヒゲゼンマイと、合成ダイヤモンドでシリコンを被覆したDIAMonSIL製のガンギ車・アンクルを受け継ぎながら、月齢表示を統合した。COSC認定も取得しており、175周年コレクションの中で公式にクロノメーター認定を掲げたのは、UN-118搭載機と本機を含むUN-119搭載機だけである。精密時計の家系であることを、機構の系譜で証明する役回りを与えられた一本といえる。

兄弟機とその後の広がり

同時発表の兄弟機として、白文字盤の1193-310LE-0A-175が存在し、こちらも300本限定であった。ストラップ違いの末尾記号(/1A、/1B)も用意された。限定で終わるかに見えたムーンフェイズはその後も命脈を保ち、2022年にはローズゴールドケースの恒常モデル、2023年にはアベンチュリン文字盤の限定版へと展開していく。本機は、その系統樹の起点に立つリファレンスである。


ii — Editorial

意匠分析

Visual analysis

ケースは42mmのステンレススチールで、厚さは11.13mmに抑えられる。基準となるマリーン クロノメーターの43mmから1mm縮小され、ラグ間距離も49mmと短い。複雑機構を載せながら薄型を保ったことで、クラシックな顔立ちに見合う収まりの良さを得ている。ベゼルはコレクションの記号であるコインエッジ状のフルート装飾を備え、ケースはポリッシュとサテンを切り分けて仕上げられる。

文字盤はサンレイ仕上げの青いPVDで、兄弟機のブルー・エナメルとは異なり、エナメルではない点が本機の識別点となる。ローマ数字インデックスは刷りで表現され、高研磨のロジウムプレート針が載る。レイアウトは12時位置にパワーリザーブ表示、6時位置にスモールセコンドという、19世紀のマリンクロノメーターに由来するダブルカウンター構成を踏襲する。本機固有の要素は、その6時カウンター内に組み込まれた月齢表示である。星をあしらった青いPVD仕上げのディスク上を転写された月が巡る意匠で、伝統的なレイアウトを崩さずに複雑機構を同居させている。

ムーブメントはCal.UN-119。毎時28,800振動 (4Hz) で駆動し、パワーリザーブは約60時間。シリコン製ヒゲゼンマイとDIAMonSIL製脱進機という耐磁・耐摩耗性に優れた構成は、UN-118から受け継いだものだ。防水は50m防水で、実用域はドレスウォッチに準ずる。ブルーのアリゲーターストラップはフォールディングクラスプ付きで、ラバーストラップやスチールブレスレットへの交換にも対応するとされる。


iii — Editorial

系譜と歴史

Lineage

本機は2021年8月末から9月初頭にかけて開催されたジュネーブ・ウォッチデイズで発表された。創業175周年を記念するマリーン トーピリュール限定コレクション7本の一角としてのデビューであり、リファレンス末尾の「175」はこの周年に由来する。青文字盤の本機は300本限定で、同時に白文字盤の1193-310LE-0A-175も300本限定で発表された。それぞれにブルーアリゲーター(/1A)とブラウンアリゲーター(/1B)のストラップ仕様が設定されている。発表時の搭載ムーブメントCal.UN-119は本コレクションで初公開された新型であった。

発表後の本機自体に大きな仕様変更は確認されていない。一方、本機が開いたムーンフェイズの系統は拡張を続けた。2022年9月、ユリス・ナルダンはローズゴールドケースのマリーン トーピリュール ムーンフェイズ(1192-310-0A/1A)を発表し、限定だった月齢表示モデルを恒常コレクションに昇格させた。さらに2023年には、アベンチュリン文字盤を備えた300本限定の1193-310LE-3A-AVE/1Aが加わり、夜空を思わせる文字盤表現へと発展している。

本機は300本の限定生産であり、追加生産は行われていない。公式サイトには2026年時点でも製品情報が掲載されているが、限定本数を踏まえれば流通は当初の生産分に限られる。


Sources

出典

本文の執筆にあたって参照した資料。閲覧日は内容を確認した日を示す。

  1. 01 公式 Collections - Ulysse Nardin 公式 · Ulysse Nardin · 2026.08.15 閲覧 Ulysse Nardin · 2026.08.15
  2. 02 専門メディア Ulysse Nardin Marine 専門メディア · Chrono24 · 2026.08.15 閲覧 Chrono24 · 2026.08.15
02 — Price history

価格推移

2021 · WatchLedger market index
2021-09-03 · EUR 8,600€8,000€8,250€8,500€8,750€9,000€9,2502021-092021-09

出典: WatchBase 観測価格 · 通貨タブ(JPY / USD / EUR)で系列を切替できます。

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03 — Derivatives

同型・派生 Ref

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