本文へ
Sinn · Diving Watches · 2015

Diving Watch T1 EZM 14 Blue

2015年、軽量チタンのミッションタイマーT1にブルー文字盤として加わった、1000m防水の現場用ダイバー

1014.011は、2015年にSinnが発表したチタン製ダイバー「T1 B」である。2013年に登場した黒文字盤のT1 (1014.010) へ、マットブルー文字盤の派生として加えられた一本だ。直径45mm・厚さ12.5mmのビーズブラスト仕上げチタンケースは1000m防水を確保し、回転防止機構を組み込んだキャプティブ・セーフティベゼルを備える。Sinnのミッションタイマー (実用計時器) 系譜に連なる現場用の時計として、視認性と耐久性を優先した設計が貫かれている。

Ref. 1014.011
発表年 2015
状態 現行品
限定 通常生産
コレクション Diving Watches
カテゴリ ダイバーズ / タフネス
キャリバー A10
ケース径 45 mm
防水 1000 m
関連人物 ヘルムート・ジン / ロタール・シュミット
デイト
01 — Specification

仕様

As of WatchBase sync · 2026.06.10
Case · ケース
素材 Titanium
形状 Round
45 mm
厚さ 12.5 mm
ガラス Sapphire
裏蓋 Closed
防水 1000 m
Movement · ムーブメント
キャリバー A10
タイプ Automatic
振動数 28,800 bph
石数 25 石
パワーリザーブ 42 時間
Dial · 文字盤 / Hands · 針
文字盤色 Blue
インデックス Stick / Dot
Arrow
i — Editorial

設計思想

Design philosophy

1. チタンのダイバーが生まれた文脈

Sinnのダイバーは、長らく「サブマリン・スチール」と呼ぶ高耐食鋼を用いてきた。U1やU2に代表されるこの系統は堅牢だが、素材が密で重い。

その対極として2013年に発表されたのが、グレード5チタンを採用したT1とT2である。T1 (EZM 14) は直径45mm・1000m防水、T2 (EZM 15) は41mm・2000m防水。いずれも軽量なチタンを身にまとい、鋼のダイバーとは異なる装着感を狙った。EZMとはEinsatzzeitmesser、すなわち任務用計時器を指すSinn固有の呼称であり、1997年のEZM 1以来、現場の実用に応える系譜として続いてきた。

2. 2015年、ブルー文字盤という選択

1014.011が属するT1 Bは、その黒文字盤T1から2年を経た2015年に登場した。この時期Sinnは複数のダイバーへブルー文字盤を相次いで投入しており、U200 BやU1000 Bに続く流れの中に、T1 BとT2 Bが並んで加わっている。末尾の「B」はドイツ語で青を意味するBlauに由来し、文字盤色を示す符牒である。

基本構造は黒文字盤のT1と共通する。ケース、ベゼル機構、防水性能、ムーブメントの世代に手は加えられていない。変わったのは文字盤とそれに合わせたストラップの色だけであり、T1 Bはあくまで色違いの派生として位置づけられる。

3. T1 BがSinnのダイバー群で占める位置

ブルー二機種のうち、T1 Bは大きい方にあたる。45mmの径と1000m防水という数値は、より小型で2000m防水のT2 Bと対をなす。両者はDNV GL (第三者認証機関) による潜水時計としての試験を受けており、単なる意匠変更ではなく、青い文字盤のまま実用性能を保証された点に意味がある。鋼のU系が持つ重厚さに対し、チタンのT系は軽さを核とする。T1 Bはその軸を保ったまま、選択肢に色という変数を一つ加えた一本である。


ii — Editorial

意匠分析

Visual analysis

このRefを最も特徴づけるのは、艶を抑えたマットブルーの文字盤である。白いインデックスと針が青地に対して明確なコントラストを生み、光の反射を抑えた表面処理とあいまって、水中や逆光下でも輪郭が崩れにくい。

視認性の設計はミッションタイマーらしく徹底している。時針と分針は形状が異なり、分針には矢印形が与えられる。この矢印形の分針はSinnのダイバーで初めて採用された意匠とされ、設定したメルクツァイト (記憶時刻) を瞬時に読み取らせる狙いがある。さらに分針とベゼルの基準マークには、他の発光部と色を変えた夜光が塗られる。暗所でも「いま読むべき針はどれか」を色で区別させる、現場志向の配色である。

ケースは45mmと大ぶりだが、ラグ間距離は49mmに収まり、ストラップなしの重量は約71gにとどまる。厚さも12.5mmと、1000m防水のダイバーとしては薄い部類だ。ビーズブラストのチタンが鈍く光を散らし、短いラグが手首に素直に落ちる。

ベゼルはキャプティブ・セーフティ式で、押し下げない限り回らない。不意の回転で記憶時刻が狂うことを防ぎ、かつベゼル自体が脱落しない構造を併せ持つ。表面はTEGIMENTと呼ぶ硬化処理で傷に強められている。

視界の確保にも配慮がある。サファイアクリスタルは両面に無反射コーティングを受け、映り込みを抑える。ケース内部にはAr-ドライ技術と呼ぶ乾燥カプセルが収められ、急な温度変化でも風防内側が曇りにくい。ムーブメントは自社製ではなく、スイス製の汎用自動巻きを調達して搭載する。


iii — Editorial

系譜と歴史

Lineage

原型となった黒文字盤のT1 (1014.010) は、2013年のバーゼルワールドで発表された(一部資料では2012年とも伝わる)。その2年後の2015年、本機にあたるブルー文字盤のT1 Bが、小型のT2 Bとともに加わった。発表当初からチタンブレスレットのほか、ブルーのNATOストラップ、および大型の観音開きクラスプを備えたブルーラバーストラップが選べ、ストラップ構成ごとに1014.011や1014.0235といった枝番が割り当てられた。

潜水時計としての適性は、第三者認証機関DNV GLによる試験で確認されている。水中での防水のみならず、温度耐性や欧州の潜水器具規格 (EN250、EN14143) に基づく機能が対象とされた。

ムーブメントには変遷がある。登場時はSoprod A10-2を搭載していたが、生産期間の途中でETA 2892-A2へと切り替えられた。切り替えの正確な時期は確認できていないが、現在Sinnが公表する仕様はETA 2892-A2である。いずれも毎時28,800振動 (4Hz) の自動巻きで、基本性能に大きな差はない。

その後、ブルーのT1 BはSinnの現行型録から外れ、アーカイブへと移された。黒文字盤のT1 (EZM 14) が現行で残るのに対し、本機は現行品ではなくなっている。アーカイブ移行の正確な年は確認できていない。

02 — Price history

価格推移

2015–2017 · WatchLedger market index
2015-07-15 · EUR 2,8002017-10-20 · EUR 2,885€2,800€2,821€2,843€2,864€2,8852015-072017-10

出典: WatchBase 観測価格 · 通貨タブ(JPY / USD / EUR)で系列を切替できます。

※ 上記はアフィリエイト広告です。価格・在庫は各販売サイトでご確認ください。

03 — Derivatives

同型・派生 Ref

Color · material · bracelet variants