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ROLEX · SERIES

Land-Dweller

ランドドゥエラー

一体型ブレスレットの系譜を機械式で再解釈し、新脱進機ダイナパルスを初めて宿したロレックスの新境地。

01 — 概要 / SUMMARY

ランドドゥエラーは、2025年にロレックスが発表したオイスター パーペチュアルの新コレクションである。10年ぶりの完全新作にして、ケースとシームレスに一体化するフラットジュビリーブレスレットを備える。心臓部には、新脱進機ダイナパルスを初搭載した自社製キャリバー7135。サイズは36mmと40mm、素材はホワイトロレゾール、エバーローズゴールド、950プラチナの三系統で展開する。シードゥエラー、スカイドゥエラーに続く「ドゥエラー」の系譜を、陸の名で完結させた一本である。

02 — STORY · 物語

Land-Dweller(ランドドゥエラー)、これまでの軌跡

The story of this series
01

三部作を完結させた「陸の住人」

ロレックスにとって、まったく新しいコレクションの追加は稀である。直近では2023年のパーペチュアル1908、その前は2012年のスカイドゥエラーまで遡る。ランドドゥエラーは、その系譜に連なる10年ぶりの本格的な新顔として2025年に登場した。名は、深海のシードゥエラー、上空のスカイドゥエラーに続くもの。海と空を冠した二本に、陸を加えて「ドゥエラー」三部作を完結させる狙いが読み取れる。

発表は、ジュネーブの時計見本市ウォッチズ&ワンダーズ2025の初日だった。直前にはブランドアンバサダーのロジャー・フェデラーが未発表のモデルを着用した姿が伝わり、一体型ブレスレットの輪郭が事前から話題を呼んでいた。

02

一度は手放した一体型ブレスレットの記憶

一体型ブレスレットは、ランドドゥエラーが突然生み出した意匠ではない。原型は1970年に遡る。クォーツショックのさなか、ロレックスは初のクォーツ腕時計Ref. 5100を発表した。「テキサノ」の通称で知られるこの時計は、角張ったケースとケース一体型のブレスレットを持っていた。スイスの共同開発ムーブメント、ベータ21を搭載し、約1,000本のみが生産された希少作である。その意匠はジェラルド・ジェンタの手によるとの説も伝わるが、確証はない。

ロイヤルオークやノーチラスといった一体型ブレスレットの名作が世に出る、わずかに前の出来事だった。ロレックスはやがて共同開発から離れ、自社製クォーツを積むオイスタークォーツへと発展させる。1977年に登場したオイスタークォーツは、角型ケースと一体型ブレスレットを量産モデルに定着させた。だが2000年代初頭に生産を終え、この意匠の系譜はいったん途絶える。ランドドゥエラーは、ブランド自身が手放したその記憶を、機械式で呼び戻した一本といえる。

03

ダイナパルスという到達点

ランドドゥエラーが時計界に与えた衝撃は、意匠よりもむしろ機械の側にあった。搭載するキャリバー7135は、ロレックス初の量産ハイビート機である。毎時36,000振動(5Hz)という高い振動数は、理論上は精度の安定に寄与する一方、通常はエネルギー消費が増え、パワーリザーブを削る。この相反を解いたのが、新開発の脱進機ダイナパルスである。

ダイナパルスは全体をシリコンで構成し、2枚の伝え車が転がりながらインパルスを伝える方式をとる。部品が滑らず転がることで摩擦を抑え、スイスレバー脱進機より約30%効率が高いとされる。結果として、高振動でありながら約66時間のパワーリザーブを確保した。テンプの軸にはジルコニウム系セラミックを採用し、シロキシのシリコンひげぜんまいと組み合わせる。本モデル固有の特許は18件、うち16件がこのムーブメントに関するものである。基本設計は2023年のパーペチュアル1908が積むキャリバー7140と共有しつつ、脱進機で一線を画す。

04

日常のための再設計、そして現在地

ランドドゥエラーは、プロフェッショナル系の道具時計とは性格を異にする。ロレックスのデザイン責任者は、頑健さと優雅さを兼ねた日常の時計として構想したと語っている。薄型のキャリバー7135により、ケース厚は36mm・40mmともに9.7mmに収まった。これは現行オイスター パーペチュアルの中で最も薄い。ねじ込み式リューズと100m防水は保つ。

発表時のラインナップは、サイズが36mmと40mm、素材がホワイトロレゾール、エバーローズゴールド、950プラチナの三系統。文字盤はハニカムモチーフを共通とし、プラチナにはこの素材専用のアイスブルーが与えられた。一部にはダイヤモンドを配した仕様もある。翌2026年のウォッチズ&ワンダーズではオイスターケース100周年が主題となり、ランドドゥエラーに新色や新素材の追加はなかった。発表初年の構成のまま、シリーズはまだ始まったばかりの位置にある。

03 — DESIGN · 設計思想

意匠を貫く設計言語

What this series guards, and what it lets change

ランドドゥエラーの設計は、「何を新しくし、何を譲らなかったか」の線引きが明快である。

新しくしたのは、ケースとブレスレットの関係である。フラットジュビリーと名付けられたブレスレットは、ラグからケースへと途切れずに連なり、上端には磨き上げたベベルが走る。このベベルはブレスのコマまで続き、視線を一本の線でつなぐ。ロレックスがケースに磨きのベベルを通すのは久しぶりのことで、薄型のケースに精緻な表情を与えている。

一方で譲らなかったのは、ロレックスらしさを支える要素である。フルーテッドベゼルは健在だが、溝を広くとって意匠を一新した。40mmのベゼルは60本の溝を持ち、72本のデイデイト40よりも凹凸の単位が大きい。ねじ込み式リューズ、100m防水、視認性を重んじる文字盤構成も受け継ぐ。夜光は塗布ではなく、セラミック粉に蛍光顔料を練り込んで焼き固めた固形のインデックスを用いる。

文字盤のハニカムモチーフは、デイトジャストのフルーテッド模様をより大きな凹凸へと発展させたもの。フェムト秒レーザーで彫られたセル間の細線が光を拾い、ギヨシェに通じる陰影を生む。この紋様は、ロイヤルオークにおけるタペストリーのように、シリーズの視覚的な核となる。

最も周到なのは、目に見えないブレスレットの取り付け部である。ラグ幅は約7mmと狭く、第一コマがバネ棒上で回転するため摩耗が避けがたい。ロレックスはバネ棒の受け穴に超硬合金を用い、セラミックのピンで固定し、さらにケース内側から横方向のネジで留める三重の対策をとった。派手さよりも長期の堅牢性を選ぶ姿勢は、ロイヤルオークやノーチラスが切り開いた一体型ブレスレットの系譜にあって、ロレックスらしい独自の輪郭を描いている。

04 — MOVEMENT EVOLUTION

ムーブメントの変遷

Calibers across the decades
2023-
Cal. 7140 系(基盤)
1908搭載の母体。4Hz・約66時間。
2025-現在
Cal. 7135
5Hz高振動。ダイナパルスを初搭載。
05 — REFERENCE EVOLUTION

Ref. 変遷

Reference generations
1970-1972

前史:初の一体型ブレス

5100
ベータ21搭載。角型ケースと初の一体型ブレスの原型。
1977-2001

前史:オイスタークォーツ

17000 系
自社製クォーツで角型・一体型ブレスを量産化。
2025-現在

ランドドゥエラー登場

127234 ほか
一体型ブレスを機械式で再解釈、Cal.7135を初搭載。
Sources

出典

本文の執筆にあたって参照した資料。閲覧日は内容を確認した日を示す。

  1. 01 公式 Rolex Land-Dweller 公式 · Rolex · 2026.08.15 閲覧 Rolex · 2026.08.15
  2. 02 専門メディア New Release: Rolex Land-Dweller Watch Collection 専門メディア · aBlogtoWatch · 2026.08.15 閲覧 aBlogtoWatch · 2026.08.15
06 — ALL REFERENCES

このシリーズの全 1 モデル

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