1971年、暗闇のための時計
エクスプローラー誕生の1953年から18年後、ロレックスは「II」を冠した新たなモデルを発表する。1971年のRef. 1655である。エクスプローラーが山岳登攀者のために生まれたのに対し、II が想定したユーザーは異なっていた。洞窟探検家(speleologist、spelunker)、そして極夜・白夜のなかで活動する極地観測者である。
これらの環境に共通する課題は一つ — 昼夜の判別が難しいことだった。太陽光を時刻の手がかりにできない場所では、時計の針が指す数字だけが頼りになる。Ref. 1655の解答は、固定式の24時間ベゼルと、文字盤中央を貫く太く短い24時間針の組み合わせである。この針が指すベゼル上の数値を読めば、現在がAMかPMかを確実に判別できる。
なお初代の24時間針は時針と連動して動く仕様で、独立した時刻設定はできなかった。つまり機能上はGMT機ではなく、「24時間表示の日夜インジケーター」としての性格が強い時計であった。