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ROLEX · SERIES

Datejust 36

デイトジャスト 36

自動巻と日付の自動切替を結び付けた最初期の一本にして、ロレックスの日常を象徴し続ける実用機の基準

01 — 概要 / SUMMARY

1945年、ロレックスが創業40周年に発表したデイトジャストは、自動巻・防水・自動切替の日付窓を一つにまとめた腕時計である。特定の用途に偏らず、日常から礼装までを一本で担う実用機として、ブランドを象徴する存在になった。現行の中核は、鋼にスムースベゼルの Ref. 126200、白ロレゾールの Ref. 126234、黄ロレゾールの Ref. 126233、エバーローズの Ref. 126231 で、いずれも36mmケースにキャリバー3235を収める。チャーチルやアイゼンハワーら各国の指導者が手元に置いたことでも知られる。

02 — STORY · 物語

Datejust 36(デイトジャスト 36)、これまでの軌跡

The story of this series
01

1945年、日付窓を実用品に変える

1945年、ロレックスは創業40周年に合わせてデイトジャストを発表した。初代 Ref. 4467 は18Kゴールドのオイスターケースを持ち、文字盤の3時位置に日付窓を備えていた。

日付表示そのものは新しい機構ではない。懐中時計の時代から存在し、腕時計でも1910年代には作例があったと伝わる。デイトジャストの新しさは、自動巻・クロノメーター・防水ケースに、深夜に自動で替わる日付窓を組み合わせた点にある。

初代は大型の自動巻キャリバー710を収め、膨らんだ裏蓋を要した。その形状から、イタリアでは「オヴェットーネ」(大きな卵)と呼ばれたと伝わる。五列のジュビリーブレスレットもこのとき生まれた。当初は文字盤に「Datejust」の文字すらなく、シクロプスレンズも備えていなかった。

02

鋼とロレゾール、そして「顔」の確立

1949年前後の Ref. 5030 / 5031 は、金無垢一辺倒だった構成を変えた。ステンレススチール単体と、鋼とゴールドを組み合わせるロレゾールが加わり、より日常的な性格が芽生えた。「Datejust」の文字が一部の文字盤に現れ始めたのもこの頃とされる。

1953年からの Ref. 6304 / 6305 で、日付窓を拡大するシクロプスレンズが初めて加わった。当初は装着しない選択肢も残されたが、これがロレックスの象徴的な意匠として定着する。

1956年の Ref. 6604 / 6605 では、膨らんだ裏蓋を改めた薄型ケースへ移行した。新型のキャリバー1065により、深夜の瞬間日送りも実現している。デイトジャストの「顔」は、この一連の更新でおおむね整った。

03

世界の指導者たちの手元で

戦後、創業者ハンス・ウイルスドルフは、節目の番号を刻んだ個体を著名人へ贈る戦略をとった。1948年、ロレックスは公式クロノメーター10万本目のデイトジャストをウィンストン・チャーチルへ贈ったとされる。ローズゴールドのケースには、本人の紋章が刻まれたと伝わる。

1951年には15万本目の Ref. 6305 がドワイト・アイゼンハワーへ贈られた。黄金のケースには階級を示す五つの星と頭文字が刻まれ、後に雑誌の表紙でもその姿が知られた。西ドイツの首相コンラート・アデナウアーも同様に贈られた一人で、その個体は後年のオークションに登場している。

デイトジャストは、潜水や航空のような特定の用途を持たないまま、公私を問わず身につけられる時計として位置を固めていった。

04

4桁から5桁へ — 日常機の完成

1960年頃に登場した Ref. 1601 は、20年以上生産された定番である。初期にはパイパン文字盤やアルファ針を備えたが、やがて細いバトン針と棒状インデックスへ移行した。現行の36mmにも通じる構成は、この世代でほぼ固まった。搭載キャリバーは1565、のちに毎時19,800振動 (約2.75Hz) の1575へ改められ、1972年にはハック機能(秒針停止)も加わった。

1977年からの5桁リファレンス Ref. 16000系は、技術面の転機となった。新型キャリバー3035がクイックセット機構を備え、時刻を動かさずに日付だけを単独で調整できるようになった。Ref. 16013 は鋼と黄金のロレゾールにフルーテッドベゼルを組み合わせた代表機である。

同じ1977年、ロレックスはクォーツショックへの応答として、独自の角型ケースを持つオイスタークォーツ・デイトジャスト (Ref. 17000 / 17013) も投入している。

05

現代への移行と、サイズの分岐

1988年の Ref. 16234 は、キャリバー3135への更新とともに、風防をアクリルからサファイアクリスタルへ改めた。傷に強い風防の採用は、デイトジャストを現代的な実用機へ押し上げた節目である。

2005年前後の Ref. 116234 では、ケースとブレスレットの構造が刷新された。中留の剛性が高まり、無垢のコマが採用され、ベゼル内側(レユール)には「ROLEX」の刻印が連続して入るようになった。

2009年、ロレックスは初めて41mmへ拡大した Datejust II を発表する。2016年の Datejust 41 はジュビリーブレスレットを復活させ、より均整のとれた大型機となった。サイズが分岐したことで、従来の36mmは「Datejust 36」と呼び分けられるようになった。

06

126xxx世代と現在地

2018年、36mmのデイトジャストは新世代のキャリバー3235を得た。Chronergy脱進機と約70時間のパワーリザーブを備え、日差は -2/+2秒の範囲に収められている。

現行の中核は、鋼にスムースベゼルの Ref. 126200、白ロレゾールの Ref. 126234、黄ロレゾールの Ref. 126233、エバーローズ・ロレゾールの Ref. 126231 である。

文字盤の選択肢は今も広がり続けている。近年はパームモチーフやフルーテッドモチーフが加わり、2026年にはグリーンのオンブレ(グラデーション)文字盤 (Ref. 126200-0026) も登場した。特定の冒険のためではなく、あらゆる日常に寄り添う一本として、デイトジャストはロレックスの基本形であり続けている。

03 — DESIGN · 設計思想

意匠を貫く設計言語

What this series guards, and what it lets change

デイトジャストの設計思想は、特定の用途に最適化しないことにある。潜水のための回転ベゼルも、計時のためのクロノグラフも持たない。代わりに、防水のオイスターケース、自動で替わる日付、高い視認性という、日常に必要な要素だけを過不足なくまとめている。

ロレックスの中では、日付を持たないオイスターパーペチュアルと、曜日も示す金無垢のデイデイトの中間に位置する。サブマリーナーやデイトナのような道具としての性格を持たないことが、かえって用途を選ばない汎用性につながっている。

オイスターケースは、ねじ込み式のリューズと裏蓋によって防水を確保する基本構造である。デイトジャストはこの構造を誇張して主張せず、薄く端正なプロポーションの中に収めてきた。

フルーテッドベゼルは、当初はケースへベゼルをねじ込み防水性を高めるための機能部品だったとされる。後にロレゾールや金無垢を象徴する意匠として残り、スムースベゼルと並ぶ二つの基本形になった。

文字盤の3時位置に置かれた日付窓と、それを拡大するシクロプスレンズは、デイトジャストを象徴する特徴である。細いバトン針と棒状インデックス、控えめなロゴ配置は、1960年代の Ref. 1601 期にほぼ完成し、以後大きく変わっていない。

意匠の一貫性は、変えないことの選択でもある。ケース径は長らく36mmに保たれ、色や装飾を競うことはなかった。2009年に41mmへ拡大した試みはあったが、36mmは独立した基本形として残された。70年以上前の個体と現行機が、遠目には見分けにくいほど似ている事実が、この抑制を物語っている。

一方で、文字盤の自由度は際立って高い。色、素材、装飾の組み合わせは膨大で、同じ「顔」を保ちながら多様な表情を許容する。普遍的な骨格と、可変的な表層。この二層構造が、デイトジャストを一つの様式として成立させている。

04 — MOVEMENT EVOLUTION

ムーブメントの変遷

Calibers across the decades
1945-1956
Cal. 710
初期の大型自動巻。膨らんだ裏蓋を要した。
1956-1960
Cal. 1065
瞬間日送りを実現した薄型世代。
1960-1977
Cal. 1565 / 1575
19,800振動化とハック機能を追加。
1977-1988
Cal. 3035
クイックセット日付を初めて搭載。
1988-2018
Cal. 3135
サファイア時代を支えた長寿命の主力。
2018-現在
Cal. 3235
Chronergy脱進機・約70時間駆動。
05 — REFERENCE EVOLUTION

Ref. 変遷

Reference generations
1945-1949

金無垢の初代デイトジャスト

4467
金無垢・ジュビリーブレス。自動切替の日付窓を備えた起点。
1953-1959

シクロプスと薄型ケース

6305 6605
日付拡大レンズを採用。薄型ケースと瞬間日送りへ。
1960-1981

意匠が固まる4桁世代

1601
バトン針と棒インデックスで現行に通じる顔が確立。
1977-1988

5桁・クイックセット

16013 16030
Cal.3035でクイックセット日付を初搭載した世代。
1988-2005

サファイアと3135

16234
風防をサファイアに。Cal.3135で現代の実用機へ。
2005-2018

ケースとブレスの刷新

116234
中留と無垢ブレスを強化。レユールに刻印を導入。
2018-現在

Cal.3235世代

126234 126200
Chronergy脱進機と約70時間駆動。Datejust 36の現行形。
Sources

出典

本文の執筆にあたって参照した資料。閲覧日は内容を確認した日を示す。

  1. 01 公式 Watches - Rolex 公式 · Rolex · 2026.08.15 閲覧 Rolex · 2026.08.15
  2. 02 専門メディア Rolex 3235 専門メディア · Grail Watch Reference · 2026.08.15 閲覧 Grail Watch Reference · 2026.08.15
06 — ALL REFERENCES

このシリーズの全 1 モデル

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