美術館を持つブランド
ビールのオメガ本社には、単一ブランドに捧げられた企業博物館として最古級とされる「オメガ博物館」がある。この博物館には、19世紀末からの懐中時計や、潜水・航空・宇宙の各分野で使われた実機が並ぶ。Museum Collectionは、その収蔵庫を素材に据えた企画である。
着想の前提には、技術の節目があった。ジョージ・ダニエルズが考案したコーアクシャル脱進機を、オメガは1999年のDe Ville Co-Axial(Cal.2500)で量産化していた。古い意匠を忠実に再現しつつ、機械だけは最新世代に置き換える。その実験場として、アーカイブの名品は格好の題材だった。選定の基準は明快で、原則として発表から50年以上を経たモデルに限られた。