1987年、復刻という発想
ロンジンが過去の自社製品を現代に蘇らせる試みは、1つの記念モデルから始まった。1987年、チャールズ・リンドバーグによる1927年の大西洋単独無着陸飛行から60年を機に、同社はリンドバーグ・アワーアングル・ウォッチの記念復刻版を発表する。原型は1931年、リンドバーグ自身とウィームズ大尉の航法理論をもとに開発された航法時計であった。経度を素早く割り出すための回転ベゼルと回転インナーディスクを備えたこの一本は、当時のロンジンが航空計時で築いた地位の象徴でもある。
復刻版は予想を超える反響を呼んだ。これが、広大なアーカイブから他の名品を掘り起こすという発想の起点となる。サンティミエの博物館と、手書きの製造台帳まで遺された記録の厚みが、後年の忠実な再刻を可能にした。羽根付き砂時計の商標は1889年にスイスで登録され、WIPOに現存する最古の有効商標とされる。長く変わらぬ記録の蓄積こそ、このコレクションの土台である。