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Jaeger-LeCoultre · Master

Master Grand Tourbillon White Gold / Blue Enamel

2009年のクロノメトリー競技を制したCal.978を、ブルーのパイヨネ・エナメルの星空に据えた白金のグランド・トゥールビヨン

16634E0は、ジャガー・ルクルトのマスター・グランド・トゥールビヨンに属する白金製のエナメル文字盤モデルである。2016年頃に登場した。43mmの白金ケースに、メティエ・ラール工房が手がけたブルーのパイヨネ・エナメル文字盤を組み合わせる。銀と金の薄片を釉薬の上に散らし、焼成と研磨を経て星屑のような輝きを浮かび上がらせた一枚である。6時位置には、2009年の国際クロノメトリー・コンクールで1位を得た自動巻トゥールビヨン、Cal.978のチタン製キャリッジが覗く。装飾芸術と精度の系譜を、一つの文字盤上で交差させた点にこのRefの性格がある。

Ref. 16634E0
限定 通常生産
コレクション Master
カテゴリ ドレス
キャリバー 978
ケース径 43 mm
防水 50 m
関連人物 アントワーヌ・ルクルト
デイト トゥールビヨン
01 — Specification

仕様

As of WatchBase sync · 2026.06.08
Case · ケース
素材 White Gold
形状 Round
43 mm
厚さ 13.3 mm
ガラス Sapphire
裏蓋 Open
防水 50 m
Movement · ムーブメント
キャリバー 978
タイプ Automatic
振動数 28,800 bph
石数 33 石
パワーリザーブ 38 時間
Dial · 文字盤 / Hands · 針
文字盤色 Blue
インデックス Stick / Dot
Alpha
i — Editorial

設計思想

Design philosophy

1. 精度の系譜と装飾芸術が交わる場所

ジャガー・ルクルトには、技術と装飾という二つの系譜がある。前者を象徴するのがCal.978である。2009年、ル・ロックルの時計博物館が1972年以来初めて開いた国際クロノメトリー・コンクールで、このムーブメントを積んだマスター・トゥールビヨンが1位を獲得した。自社製として初の自動巻トゥールビヨン・キャリバーだった。一方の装飾の系譜は、メティエ・ラール(希少技芸)工房に受け継がれてきた。エナメル、彫金、宝石象嵌といった手仕事である。16634E0は、この二つが一枚の文字盤の上で出会ったRefだといえる。

2. 絵付けからパイヨネへ

マスター・トゥールビヨンにエナメル文字盤を載せる試みは、2013年頃の絵付けエナメル(竹と鶴を描いたミニアチュール)から始まったと伝わる。16634E0が選んだのは、それとは異なるパイヨネという技法である。図柄を描くのではなく、金銀の薄片の散乱そのものを文字盤の主題に据えた点が異なる。具体的な絵を持たないぶん、見る角度や光によって表情が変わる。同じ自動巻トゥールビヨンの土台に、絵画とは別種の「夜空」を載せた選択だったといえる。

3. 派生と、その後のトゥールビヨン・エナメル

16634E0は単独で存在するのではなく、メティエ・ラールによる文字盤違いの姉妹を持つ。アベンチュリンを用いた1663406、マザー・オブ・パールの1663417、そしてゴッホの「星月夜」を写した限定版の16634V2などである。素材と図柄は違っても、43mmの白金ケースとCal.978という骨格は共有される。その後、ジャガー・ルクルトのトゥールビヨン・エナメルの系譜は、マスター・ウルトラ・スリン・トゥールビヨンやマスター・グランド・トラディションといった別のラインへ引き継がれていく。Cal.978自体も2019年に大きく刷新され、2025年のモデルにも姿を見せている。16634E0は、その長い系譜の中で、装飾と精度を一枚の文字盤上に同居させた、メティエ・ラール期の代表的なRefの一つに位置づけられる。


ii — Editorial

意匠分析

Visual analysis

このRefの中心は、メティエ・ラール工房が仕上げたパイヨネ・エナメルの文字盤にある。深いブルーの釉薬の層の中に、切り出した銀と金(イエローゴールド)の薄片を一枚ずつ手で配し、窯で焼き付けたのち研磨する。薄片は釉薬の下で光を受けて瞬き、夜空に散る星屑のような像を結ぶ。配置は職人の手に委ねられるため、二枚として同じ文字盤は存在しない。

針はアルファ針、インデックスはスティックとドットの組み合わせで、いずれも装飾を抑えた形状である。文字盤外周の分目盛とブランドロゴは、星空の上に浮かんでいるかのように刷られる。図柄が主張しないぶん、視線は自然と6時位置の開口部へ向かう。そこにはCal.978のトゥールビヨン・キャリッジが据えられる。籠はチタン製で軽量に作られ、磨き上げられたブリッジに支えられて毎時28,800振動 (4Hz)で回り続ける。

ケースは43mmの白金製で、厚みは約13.3mm。エナメル文字盤を収めるための余裕を持たせた、当時の新世代ケースである。風防はサファイアクリスタル。シースルーのケースバックからは、透かし加工を施した22金のローターと、コート・ド・ジュネーブで仕上げたブリッジが見える。50m防水は、潜水のためではなく日常での安心のための値といってよい。

文字盤の装飾は華やかだが、ケースと針の処理は抑制が効いている。装飾芸術のための舞台でありながら、トゥールビヨンという機構を主役に立てる。その均衡が、このRef固有の設計判断である。


iii — Editorial

系譜と歴史

Lineage

本Refが積むCal.978は、2009年に発表された自社製初の自動巻トゥールビヨンである。マスター・トゥールビヨンにエナメル文字盤を載せた特別仕様は、2013年頃の絵付けミニアチュール文字盤から始まったと伝わる。

ブルーのパイヨネ・エナメルを纏った16634E0(別称Q16634E0)が姿を現したのは2016年頃である。発表の正確な月や会場については、確証のある一次情報を確認できていない。

同じCal.978とメティエ・ラール文字盤を共有する姉妹として、アベンチュリン文字盤の1663406、マザー・オブ・パールの1663417、ゴッホの「星月夜」を写した16634V2などが知られる。色や図柄を変えた派生であり、16634E0と前後して展開された。

WatchBaseでは限定生産の指定はないものの、パイヨネ・エナメルは一枚ずつ手で仕上げられるため、製造数はもとより限られる。生産期間中の仕様変更を示す記録は確認できていない。その後、同社のトゥールビヨン・エナメルはマスター・ウルトラ・スリンやマスター・グランド・トラディションへ軸足を移しており、本Refが現行カタログに残るかは、最新の公式情報での確認を要する。

02 — Price history

価格推移

2019 · WatchLedger market index
2019-01-31 · EUR 97,000€96,999€97,000€97,000€97,001€97,0012019-012019-01

出典: WatchBase 観測価格 · 通貨タブ(JPY / USD / EUR)で系列を切替できます。

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