ヴィンテージ・コレクションは六本で構成される。各モデルは、現行IWCの主要六コレクションそれぞれの「最初の一本」に対応する。
最も古い参照点は1936年の「Spezialuhr für Flieger」(Ref. IW436)である。耐衝撃ガラス、回転ベゼル、耐磁脱進機を備えた36mmのパイロットウォッチが、Vintage Pilot's Watch Hand-Wound 1936(Ref. IW3254)の原型となった。続く1939年、ポルトガルの卸商人ロドリゲスとテイシェイラの発注で生まれたPortuguese Ref. 325は、マリンクロノメーター級の精度を持つ43mmの大型機。当時としては破格に大きく、商業的には成功しなかったと伝わる。これがVintage Portuguese Hand-Wound 1939(Ref. IW5445)の原型である。
戦後、IWCは技術職向けの実用機を投入する。1955年のIngenieur Ref. 666は、アルベルト・ペラトンが開発した自動巻きCaliber 852と、軟鉄製ファラデーケージによる耐磁性能80,000A/m(約1,000ガウス)を備えた36.5mm機で、Vintage Ingenieur Automatic 1955(Ref. IW3233)の原型となる。1967年のAquatimer Ref. 812(後にRef. 1812)はIWC初の本格的ダイバーズウォッチ。EPSA社製スーパーコンプレッサーケースに2時・4時位置のツインクラウンを備えた37mmで、200m防水を達成し、Vintage Aquatimer Automatic 1967(Ref. IW3231)がこれを継承する。
最も先鋭的な参照は1969年のDa Vinci Ref. 3501である。スイス時計業界が共同開発した世界初の量産スイス製クォーツ「Beta 21」を搭載した、ヘキサゴナル(六角形)ケースの未来主義的な一本。Vintage Da Vinci Automatic 1969(Ref. IW5461)は、これをトノー型41mmと自動巻きCaliber 80111で再解釈する。クォーツを機械式に置き換えるという、コレクション中で最も逆説的な構成である。最後の参照点は1984年のPortofino Ref. 5251。レピーヌ型ポケットウォッチを90度回転させた46mm機で、3時のムーンフェイズと9時のスモールセコンドを配し「目玉焼き(Spiegelei)」と呼ばれた。Vintage Portofino Hand-Wound 1984(Ref. IW5448)は、これらを12時と6時の「正位置」に戻して継承した。