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HUBLOT · SERIES

Classic Fusion

クラシック・フュージョン

ビッグ・バンの奔放を薄型へ静め、金とラバーに始まる1980年の原点を現代へつなぐシリーズ。

33 mm – 42 mm
01 — 概要 / SUMMARY

クラシック・フュージョン (Classic Fusion) は、Hublot が2010年に発表したシリーズである。2005年のビッグ・バンが確立した「ポートホールのケースと6本のH型ビス」という語彙を、薄型化と文字盤の簡素化によって、1980年の原点へ静かに引き戻した。チタンやセラミック、独自の King Gold をまとう三針モデルを軸に、文字盤を開いたアエロフュージョン、創立40周年を機に原型を復刻したオリジナルへと広がる。ビッグ・バンの遊びと原点の抑制、その中間に立つ一群である。

02 — STORY · 物語

Classic Fusion(クラシック・フュージョン)、これまでの軌跡

The story of this series
01

金とラバーの衝突から

1980年、イタリア出身のカルロ・クロッコ (Carlo Crocco) が、バーゼルの見本市で一本の時計を世に問うた。金無垢のケースに、天然ラバーのストラップ。当時の高級時計では考えにくい取り合わせである。クロッコはビンダ・グループの一族に生まれながら家業を離れ、1976年に自らのブランド MDM Genève を構えていた。フランス語で「舷窓」を意味する Hublot の名は、船の窓を思わせる丸いケースに由来する。素材の異質な掛け合わせ——後に Art of Fusion と呼ばれる発想は、この一本から始まった。この原型は今日「クラシック・オリジナル」と呼ばれ、Classic Fusion の直接の祖型となる。

02

ビッグ・バンという増幅

2004年、オメガから移ったジャン-クロード・ビバー (Jean-Claude Biver) が経営を率いる。翌2005年に発表されたビッグ・バンは、原型のポートホール意匠を大胆に増幅した存在だった。多層構造の大型ケース、素材の対比、クロノグラフ。ビッグ・バンは2005年のジュネーブ時計グランプリでデザイン賞を得て、ブランドを一気に表舞台へ押し上げた。2008年には LVMH がブランドを取得し、2009年に自社製造体制を整え、2010年には初の自社製ムーブメント Unico を発表する。ビッグ・バンが切り開いたのは、原点の発想を「強く語る」方向である。

03

2010年、ビッグ・バンを静める

そのビッグ・バンを、もう一度静かな側へ引き戻したのが Classic Fusion だった。2010年に発表されたこのシリーズは、丸いケースとベゼル上の6本のH型ビスというビッグ・バンの語彙を受け継ぎつつ、ケースを薄くし、文字盤を簡素にした。名は、原点の Classic と、ブランドの思想 Fusion を結んだもの。チタン、セラミック、独自の King Gold といった素材を、45mmを軸とするケースに落とし込む。三針日付モデルには Sellita SW300-1 を基礎とする HUB1110 / HUB1112 を載せ、扱いやすい実用機として性格づけた。

04

開いた文字盤と自社の機械

2010年代に入ると、Classic Fusion は機構の幅を広げる。クロノグラフには調達ベースの HUB1143、文字盤を開いたアエロフュージョンには HUB1155 のスケルトン・クロノを与えた。2016年に登場した自社製 Meca-10 (HUB1201) は、2つの香箱で約10日間の駆動を確保した手巻で、後に Classic Fusion にも展開する。トゥールビヨンや、彫刻家リシャール・オルランスキー (Richard Orlinski) と組んだファセットケースのモデルも加わり、薄型シリーズは複雑機構の器にもなった。

05

原点への回帰

2020年、ブランド創立40周年を機に、Classic Fusion は出発点へ立ち返る。45mmの「40 Years Anniversary」は、1980年のクラシック・オリジナルを初めて機械式で復刻したモデルだった。黒ラッカーの文字盤に、ファセットの針とロゴだけを置く抑えた構成。2023年にはこの意匠を33mmから42mmで常設化した「クラシック・フュージョン・オリジナル」が登場し、原型の輪郭が現行ラインへ正式に戻った。33mmはクォーツの HUB2913 を残し、42mmと38mmには HUB1110 を据える。1980年の原型がおよそ36mmだったことを思えば、38mmはその寸法に近い。

06

現在地

近年は、落ち着いた単色をまとう Essential シリーズ (Grey、Taupe など) のオンライン限定や、2026年の Sage Green 追加など、色とトーンで語る方向が目立つ。同年には小売パートナー The Hour Glass と組み、針が反時計回りに進む HUB1105 を積んだ「クラシック・フュージョン・チタニウム・レトロバース」も発表された。Sage Green は33mmのクォーツ、42mmの自動巻、45mmのクロノグラフで揃えられ、レトロバースは各色30本に限られた地域限定だった。原点の静けさと、ビッグ・バン譲りの遊び。その二つの間に立つことが、Classic Fusion の現在地である。

03 — DESIGN · 設計思想

意匠を貫く設計言語

What this series guards, and what it lets change

Classic Fusion の設計を貫くのは、「ビッグ・バンの語彙を、原点の静けさへ引き戻す」という一点である。

機能設計の中心はケースとベゼルにある。船の舷窓を思わせる丸いケースに、ベゼルを重ねた構成。そのベゼルを留める6本のH型ビスは、1980年の原型から受け継がれた印であり、固定の機能とアイコンを兼ねる。ビッグ・バンが厚みと多層感で迫るのに対し、Classic Fusion は同じ語彙のまま厚みを削ぎ、輪郭を整えた。45mmから33mmまでのサイズ展開も、誇示ではなく装いへ寄せる選択といえる。実用域の防水 (標準で50m防水、5気圧) を保ち、日常で扱える厚みに収める姿勢も一貫している。

意匠の核は、抑制にある。ファセットを施したバトン型の針と植字インデックス、ロゴの位置、サファイアシースルーバック。装飾を足すより引く方向で「フュージョンの顔」を保ってきた。針のファセットは光を拾い、艶のある黒ラッカーやサンレイ仕上げの文字盤と対比して視認性を確保する。ラグからストラップへ続く線も、ケースと一体に流れるよう整えられている。一体感のあるラバーストラップは、金とラバーという原点の対比を、そのまま日常へ運ぶ部品でもある。

素材こそが、このシリーズの「フュージョン」を最も雄弁に語る。Hublot はプラチナを加えて5N金より温かい色を得た独自合金 King Gold、傷に強い Magic Gold、オールブラックのセラミック (Black Magic)、グレード5チタンなどを用い、同じ意匠に異なる質感を与えてきた。形を変えずに素材で語る——この自制が、世代を越えた識別性を支えている。

同時代のラグジュアリースポーツが角張ったケースと一体型ブレスレットという形式を共有したのに対し、Hublot の原点は丸いポートホールとラバーを選んだ。Classic Fusion はその選択を現在へ引き継ぐシリーズであり、競合との差は優劣ではなく、出発点の違いに根ざしている。

04 — MOVEMENT EVOLUTION

ムーブメントの変遷

Calibers across the decades
1980-2009
クォーツ / ETA 系
原型クラシック期、クォーツ駆動が中心。
2010-現在
HUB1110 / HUB1112
Sellita SW300-1基礎の自動巻三針。主力機。
2010年代-現在
HUB1143 / HUB1155
クロノと開放スケルトンの調達系。
2016-現在
HUB1201(Meca-10)
自社開発、約10日巻のスケルトン手巻。
2017-現在
HUB6021 系
自社トゥールビヨン、約5日巻の高複雑機。
05 — REFERENCE EVOLUTION

Ref. 変遷

Reference generations
1980-2004

原点モデル「クラシック」

Classic(MDM Genève)
金無垢×ラバー、ポートホール意匠の祖型。クォーツ駆動。
2010-現在

クラシック・フュージョン

511 542 565 系
ビッグ・バンを薄型化し4サイズ域で再起動した本流。
2010年代-現在

アエロフュージョン世代

525 系
文字盤を開いたスケルトン・クロノの派生。
2020

40周年アニバーサリー

511(40周年)
1980年原型を45mmで初めて機械式復刻した記念作。
2023-現在

オリジナル(原型復刻)

591 542 系 Original
原型意匠を33-42mmで常設化、黒ラッカー文字盤。
06 — ALL REFERENCES

このシリーズの全 2 モデル

2 references in archive