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CASIO · SERIES

Mudmaster

マッドマスター

泥と粉塵の現場で時計を守りきる、G-SHOCK初のアナログMud Resist機構を核とした陸の道具

56.1 mm
01 — 概要 / SUMMARY

Mudmaster(マッドマスター)は、2015年にカシオがG-SHOCKの上位群「Master of G」へ投入した、泥・砂・粉塵にまみれる陸上作業のための系譜である。ボタン周りを筒状ガードと多重ガスケットで封じる「Mud Resist」構造を核に、方位・気圧高度・温度を測るトリプルセンサーやタフソーラー、電波受信を組み合わせる。初代GWG-1000を起点に、電池式ツインセンサーのGG-1000、カーボンコアガードを得たGG-B100、鍛造カーボンのGWG-2000、そしてメタル外装のGWG-B1000へと枝分かれしてきた。重機を扱う作業者や救助の現場を想定した、陸の道具時計である。

02 — STORY · 物語

Mudmaster(マッドマスター)、これまでの軌跡

The story of this series
01

泥にまみれた20年

G-SHOCKが泥への耐性を意識した歴史は古い。1985年のDW-5500Cが、ボタンや隙間からの泥の侵入を抑える構造を初めて備えたとされる。1995年には、正式に「MUDMAN」を名乗るDW-8400が登場し、泥・砂・粉塵に抗うことを主目的とした最初のG-SHOCKとなった。ボタンを覆い、軸をガスケットで封じる——泥を「入れない」という設計思想は、このときすでに固まっていた。だが、その思想を上位の道具として完成させるには、さらに20年を要する。なお、ここで言うMudmanは、より大型でセンサーを備えるMudmasterとは別系統の、小型デジタル機の系譜である。

02

2015年、GWG-1000という到達点

2015年、カシオは「Master of G」にMudmasterを投入する。初代GWG-1000は、カシオ初のアナログMud Resist機構を備えた一本とされ、Mudmanが築いた防塵思想を、より高級な素材とアナログ・デジタル表示へ引き上げたものであった。前年までに評価を得ていたRangeman由来の意匠——前面にビスを露出させた大型ベゼル——を受け継ぎ、方位・気圧高度・温度を測るトリプルセンサー、タフソーラー、Multi-Band 6電波受信を載せる。ケースは200m防水を確保し、重機を操り瓦礫や泥濘へ分け入る作業者や、災害復旧・救助の現場を、具体的な使用者像として描いていた。その狙いは、当初から明快であった。

03

廉価派生と、線の太さ

Mudmasterは一本では終わらなかった。2016年の電池式GG-1000は、センサーを方位と温度のツインに絞り、価格を抑えた「弟分」として現れる。2017年のGWG-100は逆に、ソーラーと電波を持ちながらセンサーを省き、暗所で文字盤と針を照らすネオンイルミネーターを備えた。電波を外したGSG-100も廉価版として並ぶ。一つの系譜が、用途と予算に応じて複数のモデルへ枝分かれする——Mudmasterは、ここで一本の線から幅を持つ面へと広がった。

04

カーボンコアガードと、軽さという課題

大型で重いことは、道具として必ずしも美徳ではない。2019年のGG-B100は、Mudmasterで初めてカーボンコアガード構造を採用し、樹脂にカーボンを織り込んだ筐体で軽量化を果たす。三重センサーに歩数計を加えたクアッドセンサーとBluetoothを備え、廉価帯の枠を超える機能を持った。2021年には、フラッグシップのGWG-2000がこの構造を引き継ぐ。ベゼルにG-SHOCK初とされる鍛造カーボンを用い、厚さを18mmから16.1mmへ削り、サファイアガラスを得た。大きさを保ちながら、なお薄く軽く——世代交代の主題は、ここでは素材であった。

05

メタルへ、そして現在地

2023年10月、Mudmasterはメタル外装のフラッグシップGWG-B1000に到達する。鍛造で成形した金属ベゼルにDLC処理を施し、樹脂・カーボン・金属の三素材を組み合わせた筐体は、オーバーランディングの無骨さを映す。タフソーラー、電波、トリプルセンサーにBluetoothを加えた組み合わせは、G-SHOCKで初とされる。インダイヤルの小さな針が、アプリに記録した地点の方位を指す——道具としての実用は、こうして現在も更新され続けている。発表当初は作業者向けの道具として企図されたが、その装甲的な存在感は、屋外趣味の愛好家にも広く受け入れられていった。瓦礫の現場のために生まれたMudmasterは、いまや陸の探索全般を担う、「Master of G」の地上の系譜である。

03 — DESIGN · 設計思想

意匠を貫く設計言語

What this series guards, and what it lets change

Mudmasterの設計が最も大切にするのは、時計の中へ異物を「入れない」ことである。その核がMud Resist構造——筒状のボタンガードと、ボタン軸を覆う多重ガスケットによって、微細な砂や泥の侵入を防ぐ。同時にこの筒は、ボタンへの衝撃を吸収し、操作性も高める。重機の振動に耐える耐振動構造と併せ、瓦礫と泥濘の現場で確実に動くことが、すべての出発点に置かれている。

視認性の優先も一貫する。12・3・6・9時位置の大型アラビア数字、警告標識を思わせる先の尖った針、ネオブライトの夜光。グローブを着けたまま押せるよう、ボタンには鋸歯状のローレットが刻まれる。読むため、操作するための意匠であり、装飾のための意匠ではない。防水性能は全世代で200mを保ち、布地を思わせるバンドの質感まで、道具としての一貫性が細部に及ぶ。

外観の言語も明快である。前面にビスを露出させた大型の装甲ベゼル、多面体的に張り出したガード。この「顔」は、初代GWG-1000がRangemanから受け継いだものであり、素材が樹脂からカーボンコアガード、鍛造カーボン、そして金属へと移っても、輪郭は保たれてきた。素材で強さと軽さを更新しながら、シルエットでMudmasterと分かる——この一貫性が、系譜の認識可能性を支えている。

色とサイズには自制が働く。カーキ、デザート、黒といったアースカラーが中心で、過度な装飾や派手な色は避けられる。Frogmanが海中を、Gulfmasterが海を、Rangemanがサバイバルを、Gravitymasterが空を担うなかで、Mudmasterが引き受けるのは陸と泥である。その役割が、道具に徹するという意匠上の判断を導いている。

04 — MOVEMENT EVOLUTION

ムーブメントの変遷

Calibers across the decades
2015-
モジュール 5463
ソーラー電波の三重センサーを初搭載。
2016-
モジュール 5476 / 5561
電池式ツインとソーラー非センサー機へ分化。
2019-
モジュール 5594
クアッドセンサーとBluetoothを初導入。
2021-
モジュール 5678
薄型筐体向けのソーラー電波三重センサー。
2023-現在
モジュール 5713
ソーラー電波・三重センサー・Bluetoothを統合。
05 — REFERENCE EVOLUTION

Ref. 変遷

Reference generations
2015-

初代GWG-1000

GWG-1000
アナログMud Resist初採用。三重センサーとソーラー電波を備えた起点。
2016-

弟分の派生と機能分化

GG-1000 GWG-100
電池式ツインセンサーとソーラー電波機。用途と予算で枝分かれ。
2019-

カーボンコアガード初採用

GG-B100
軽量筐体にクアッドセンサーとBluetoothを搭載した世代。
2021-

鍛造カーボンと薄型化

GWG-2000
厚さ16.1mmへ薄型化、サファイアと鍛造カーボンを得た刷新。
2023-現在

メタル外装フラッグシップ

GWG-B1000
金属外装に全機能を統合。ソーラー電波とBluetoothを両立。
06 — ALL REFERENCES

このシリーズの全 3 モデル

3 references in archive