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BREITLING · SERIES

Chronomat 40 GMT

クロノマット GMT 40

パイロットのクロノグラフから受け継いだ意匠を、第二時間帯を備えた40mmのトラベルウォッチへ凝縮した世代。

40 mm
01 — 概要 / SUMMARY

Chronomat Automatic GMT 40 は、2024年にブライトリングが発表したクロノマットの新しい派生である。1984年に確立されたパイロット・クロノグラフの意匠──ライダータブ付きベゼル、オニオンクラウン、ルーローブレス──を受け継ぎつつ、クロノグラフを外し、第二時間帯を示す24時間表示のGMT機構を備える。ケース径は40mm。クロノグラフを主役とするChronomat B01 42、大型のSuper Chronomat B01 44、小径のChronomat Automatic 36と並び、日常と旅を意識した、時計とGMTに絞った実用機として位置づけられる。

02 — STORY · 物語

Chronomat 40 GMT(クロノマット GMT 40)、これまでの軌跡

The story of this series
01

計算尺から始まった名

「クロノマット」という名は、現在の腕時計より数十年さかのぼる。1940年代初頭、ブライトリングは回転式の円形計算尺を組み込んだクロノグラフの特許を取得し、Ref. 769として1942年ごろに市場へ出したと伝わる。名はchronograph(クロノグラフ)とmathematics(数学)を組み合わせたもので、回転ベゼル上の計算尺で乗除算や単位換算を行えた。技術者やパイロットのための計算具である。回転計算尺を備えた初期の腕時計の一つであり、この発想はのちにナビタイマーへと受け継がれた。1950年代から70年代にかけて名は各種の文字盤に残ったが、ナビタイマーの影に隠れ、70年代末には生産が途絶える。

02

1984年、ライダータブと共に蘇る

転機は1980年代に訪れる。1979年にブライトリングを引き継いだシュナイダー家のもと、1983年、イタリア空軍のアクロバット飛行隊フレッチェ・トリコローリのためのクロノグラフが作られた。青い文字盤、四つの突起(ライダータブ)を持つベゼル、オニオン型のクラウンとプッシャー、そして円筒状のコマを連ねたルーローブレス。翌1984年、創業100周年(1884年創業)を機にRef. 81950として一般販売され、ムーブメントにはValjoux 7750を積んだ。薄型クォーツが主流だった時代に、あえて存在感のある機械式クロノグラフを世に問うた一本である。これがブライトリングの主力商品となり、機械式時計の復権を後押ししたと位置づけられる。名の意味もchronographとautomatic(自動巻)へと読み替えられた。GMT 40がいまも身にまとう設計言語は、ここで定まった。

03

自社製キャリバーとGMTの登場

2009年、ブライトリングは自社初のキャリバーB01を発表する。コラムホイールと垂直クラッチを備え、約70時間の駆動とCOSC認定をもつ自動巻クロノグラフであり、クロノマットはその器となった。2012年には、B01から派生したGMTクロノグラフCal. B04を積むChronomat GMT 44(Ref. AB0420)が加わる。クロノマットが第二時間帯を扱った最初の世代であり、GMT 40が受け持つ旅の機能は、ここに源を持つ。

04

2020年、ルーローの帰還

2020年、ブライトリングは1984年の記念モデルへの敬意としてコレクションを全面刷新した。1984年以来となる一体型ルーローブレスが復活し、ライダータブ付きの回転ベゼルも残された。当初はケース径42mmのChronomat B01 42のみだったが、その後セラミックをベゼルなどに用いるSuper Chronomat B01 44や、32mm・36mmといった小径まで展開を広げた。レトロな意匠を軸に、コレクションは自らを組み直した。

05

40mmという空白を埋める

2024年の時点で、コレクションは32mmから44mmまでをそろえていた。だが多くの人が扱いやすいとする40mmだけが空いていた。Chronomat Automatic GMT 40 はその空白を埋める。クロノグラフを持たず、赤いGMT針が内側のリングに記された24時間目盛を指して第二時間帯を示す。ムーブメントはETA 2893-2をベースとするCOSC認定のCal. 32で、自社製ではない。毎時28,800振動 (4Hz)、駆動は約42時間、防水は200mを確保する。文字盤は5色を用意し、ステンレススチールにプラチナを組み合わせた仕様も加わった。B04のクロノグラフから始まった旅の機能が、ここでは薄く、時計とGMTだけに絞った形へと落とし込まれている。

03 — DESIGN · 設計思想

意匠を貫く設計言語

What this series guards, and what it lets change

クロノマットの設計言語は、1984年のRef. 81950で定まり、いまも崩れていない。GMT 40はその語彙を、旅のための実用機へ翻訳した一本である。

中心にあるのはライダータブ付きベゼルである。四つの突起は、本来は風防への衝撃を受け止める緩衝材であり、同時に15分刻みの目印として機能する。15と45の位置のタブを付け替えれば、カウントアップとカウントダウンを切り替えられた。風防はタブより一段低く沈められたドーム型サファイアで、外からの打撃を避ける構造になっている。グラブをはめたままでも操作できるよう溝を刻んだオニオンクラウン、手首になじむ円筒コマのルーローブレスも、初期から受け継がれた要素である。

GMT 40では、この語彙の役割が少し置き換えられている。第二時間帯を読むための24時間目盛は、ベゼルではなく文字盤内側のリングに移された。ベゼルのライダータブは、計測の主役というより、視覚的なアンカーであり保護材として残る。ケースはサテン仕上げの面に磨き上げた面取りを走らせ、日付窓は6時位置に置かれる。文字盤はバトン型の植字とSuperLumiNovaで視認性を保ち、装飾を足さない。

クロノマットが世代を超えて見分けられるのは、この抑制ゆえである。クロノグラフを前面に立てるChronomat B01 42、セラミックで武装するSuper Chronomat B01 44に対し、GMT 40はクロノグラフを持たない。時刻と第二時間帯の読みやすさ、そして40mmという装着性を優先する。派手な色や大径化、過剰な装飾を避けるという判断も、世代を貫く一貫した姿勢である。ベゼルの輪郭、クラウン、ブレスを変えないことで、機能を引き算してもなお「クロノマットの顔」は保たれている。

04 — MOVEMENT EVOLUTION

ムーブメントの変遷

Calibers across the decades
1941-1978
Venus系 手巻クロノグラフ
円形計算尺と組む手巻クロノグラフ。
1984-2009
Valjoux 7750 (Cal. 13)
復活作を支えた汎用自動巻クロノグラフ。
2009-現在
自社製 Cal. B01
自社初のコラムホイール式クロノグラフ。
2012-2019
Cal. B04
B01から派生したGMTクロノグラフ。
2024-現在
Cal. 32 (B32)
ETA 2893-2ベースのGMTムーブメント。
05 — REFERENCE EVOLUTION

Ref. 変遷

Reference generations
1941-1978

計算尺の初代クロノマット

769
回転計算尺を備えた、数学者と技術者のためのクロノグラフ。
1984-2008

現代クロノマットの原型

81950
ライダータブとルーロー、Valjoux 7750を得た復活作。
2009-2019

自社製キャリバー世代

Chronomat 01 B01
ブランド初の自社製キャリバーB01を搭載した世代。
2020-現在

レトロ意匠での全面刷新

Chronomat B01 42
ルーローを復活させ、現行コレクションを再構築した。
2024-現在

Chronomat GMT 40

A32398 P32398
40mm・第二時間帯。時計とGMTに絞ったトラベル仕様。
06 — ALL REFERENCES

このシリーズの全 2 モデル

2 references in archive