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BREITLING · SERIES

AVI

AVI(Co-Pilot)

Co-Pilotと呼ばれた、計算尺のナビタイマーに対し視認性を突き詰めたパイロット用クロノグラフ

41 mm
01 — 概要 / SUMMARY

1953年にブライトリングが発表した765 AVIは、計算尺を備えたナビタイマーと対をなす、視認性に徹したパイロット用クロノグラフである。12時間表示の回転ベゼルと大ぶりの夜光アラビア数字を備え、「Co-Pilot(コ・パイロット)」の通称で知られた。1970年代末に一度途絶えたが、2020年の765 1953 Re-Editionで復活する。現行は46mmのSuper AVI B04 Chronograph GMTと42mmのClassic AVI Chronograph、そして歴代の復刻モデルが系譜を継ぐ。

02 — STORY · 物語

AVI(AVI(Co-Pilot))、これまでの軌跡

The story of this series
01

ナビタイマーのかたわらで

1950年代初頭に確立されたナビタイマーは、計算尺ベゼルによる飛行計算を武器とするパイロット用クロノグラフであった。一方で操縦席では、一目で経過時間を読み取れる頑健な時計も求められていた。ブライトリングが1930年代から手がけたユイ・アビアシオン(Huit Aviation)部門の機上計器が、その素地となる。1953年、同社はこの要請に応える腕時計として765 AVIを発表した。AVIは航空(aviation)を指し、まもなく「Co-Pilot」の通称で呼ばれるようになる。

初代765 AVIは、当時として大ぶりな41mm径のスチールケースに、12時間表示の双方向回転ベゼルを備えた。マットブラックの文字盤には大型の夜光アラビア数字が並び、操縦席での視認性を最優先する設計である。ムーブメントは手巻コラムホイールのヴィーナス Cal. 178。文字盤は3時位置に「デジタル」式の分計を持つ2カウンター仕様と、3-6-9配置に15分計を備えるトリコンパックス仕様の二系統が用意された。

02

Type XX論争と"Co-Pilot"

765 AVIは、フランスやイタリアの空軍によって検討されたと伝わる。その意匠はのちにフランス軍へ納入されたブレゲ Type 20系と酷似しており、どちらが先行したかは現在も議論が残る。765 AVIの発表は1953年、Type 20の最初の納入は1954年とされるが、軍用契約自体はブレゲやドダンらに与えられ、ブライトリングは民間市場で支持を広げた。

1965年、ブライトリングはカタログ上の名称をAVIからCP(Co-Pilot)へ改める。ベゼルはスチールから陽極酸化アルミへ変わり、全面黒の「Division 12」と、12時間と60分の二重目盛を組み合わせた「Double Scale」が併存した。レガッタ計時用の文字盤を持つYachting CPも派生し、シリーズは用途別に枝分かれしていく。

03

自動巻クロノグラフの時代

1969年は時計史の転換点であった。ブライトリングはホイヤー、ビューレン、デュボア・デプラと共同開発した自動巻クロノグラフCalibre 11を完成させ、「Chrono-Matic」のref. 7651を投入する。直径48mmの大型ケースに、9時側のリューズと2時・4時のプッシャーを備えた異形であった。同年にはケース径が42.4mmへ拡大し、手巻のref. 7650や24時間表示のref. 1765 Unitimeも登場する。1973年にはcal. 12を載せたref. 7661などが続いた。一方でCo-Pilotの名は1969年限りで消え、以後は参照番号のみが各モデルを識別した。

04

途絶と最後のRef

1970年代、安価なクオーツ時計の波が業界を揺らす。そのただ中の1975年、ブライトリングは42mm径に戻したref. 7656 Top Timeを送り出した。リバースパンダのトリコンパックスに、ヴァルジュー Cal. 7736を搭載した一本である。カタログにも広告にも載らなかったこの個体が、初代から続いたAVI/Co-Pilot系の最後となった。1970年代末、シリーズは一度その歴史を閉じる。

05

復活、そして現代

2020年、ブライトリングは初代に範をとった765 1953 Re-Editionを発表する。ヘサライト風防やクリーム色の夜光まで再現し、自社手巻クロノグラフCal. B09を収めた限定モデルである。翌2021年には、46mmケースに自動巻クロノグラフGMTのCal. B04を載せたSuper AVIが登場した。第二次大戦期の名機P-51 Mustang、F4U Corsair、P-40 Warhawk、Mosquitoに着想を得た意匠である。2023年、初代発表から70年を機に、42mmのClassic AVI Chronographと、164本限定の1964 Re-Edition、黒セラミックのMosquito Night Fighterが加わった。

03 — DESIGN · 設計思想

意匠を貫く設計言語

What this series guards, and what it lets change

AVIシリーズを貫く設計思想は、操縦席での視認性の徹底にある。同じパイロット用でも、計算尺で航行計算を担うナビタイマーとは役割が異なる。AVIが引き受けたのは、経過時間を一瞬で読み取らせ、過酷な環境でも機能を保つことであった。

その核となるのが、12時間表示の回転ベゼルである。潜水時計の60分ベゼルやナビタイマーの計算尺とは異なり、12時間スケールは長時間の飛行で経過時間や別の基準時刻を把握するための道具であった。大ぶりのアラビア数字、高コントラストのマット文字盤、太い夜光針も、すべて視認性の一点に収斂する。装飾よりも判読性を優先する姿勢は、初代から一貫している。文字盤上のカウンター配置や余白の取り方も、新旧の復刻で寸分たがわず再現されており、この均衡こそがAVIの顔を保つ要となっている。

意匠面では、厚みを抑えたベゼルのローレット(刻み)加工と、手袋のまま操作できる大型リューズが特徴となる。これらは2021年のSuper AVIにも受け継がれ、ノブ状の太いリューズと刻みベゼルとして強調された。同時代の競合と比べても、ブレゲ Type 20系のフライバックやオメガ スピードマスターのタキメーターとは主眼が異なり、AVIはあくまで読みやすさと計時の確実さに軸足を置く。

変わったものもある。ケース径は41mmから自動巻時代には48mmへ膨張し、現行では46mmと42mmが併存する。ムーブメントも供給品のヴィーナスから自社製へ替わった。一方で、別の基準時刻を読むという発想は、1960年代の24時間表示Unitimeから現代のSuper AVIのGMT機構へと姿を変えて受け継がれている。大型数字と回転ベゼルという二つの要素が、70年を経てもAVIをAVIたらしめている。

04 — MOVEMENT EVOLUTION

ムーブメントの変遷

Calibers across the decades
1953-1973
Venus Cal. 178
手巻コラムホイール、ヴィーナス供給の主力。
1969-1973
Cal. 11
共同開発の自動巻、9時リューズのクロノマティック。
1973-1978
Cal. 12 / Valjoux 7736
改良自動巻と手巻Top Timeの併用。
2020-現在
Cal. B09
自社手巻、B01ベースの復刻向けクロノ。
2021-現在
Cal. B04
自社自動巻クロノグラフGMT、COSC認定。
2023-現在
Cal. 23
Valjoux 7753ベース、42mm用自動巻。
05 — REFERENCE EVOLUTION

Ref. 変遷

Reference generations
1953-1964

初代 Co-Pilot

765 AVI
スチール12時間ベゼルとヴィーナス178、41mmの原型。
1965-1968

CP改称世代

765 CP
AVIからCo-Pilotへ。陽極酸化アルミの二種ベゼル。
1969-1973

自動巻クロノマティック

7650 7651
Cal. 11投入、48mmの大型化と24時間Unitime派生。
1973-1978

終焉のRef

7661 7656
Cal. 12と最後のTop Time、初代系の幕引き。
2020

忠実な復刻

AVI Ref. 765 1953 Re-Edition
初代を再現、自社手巻Cal. B09による限定復活。
2021-現在

現代的再解釈

Super AVI B04 Chronograph GMT 46
46mm、自動巻GMTクロノのCal. B04を搭載。
2023-現在

42mm化と70周年

Classic AVI Chronograph 42
小径化と1964 Re-Edition、夜戦機Mosquito追加。
06 — ALL REFERENCES

このシリーズの全 2 モデル

2 references in archive