1994年、再興の四本のうち、ただひとつ古典に踏みとどまった一本
1994年10月24日、ドレスデン王宮で四本の腕時計が発表された。Lange 1、Arkade、Tourbillon "Pour le Mérite"、そしてSaxoniaである。前三者が非対称ダイヤル、矩形ケース、トゥールビヨンという主張を持ったのに対し、Saxoniaだけが「主張をしない」という選択を取った。
初代の二本、Ref. 102.001(イエローゴールド)とRef. 102.002はケース径34mm、厚さ9.1mm。文字盤は12時にビッグデート、6時にスモールセコンドという最小構成である。コレクション名はマニュファクチュール所在地のザクセン州にちなみ、19世紀以来のグラスヒュッテ精密時計製造の系譜を継ぐ姿勢を明示した。
ただし、再興期Langeが掲げた「一本ごとに専用ムーブメント」の原則は、Saxoniaでは初めから守られなかった。Ref. 102の中身は、同時発表のArkade用に開発された矩形のCal. L911.3である。ソリッドバックに隠されたこの事実は、当時から議論を呼んだと伝わる。