1815年生まれの男に捧ぐ
1990年12月、ガラスヒュッテで A. Lange & Söhne の商号が再登録された。創業者フェルディナント・アドルフ・ランゲの曾孫ヴァルター・ランゲが、第二次大戦後の国営化で姿を消したブランドをドイツ再統一の流れの中で蘇らせた瞬間である。1994年10月、ドレスデンのレジデンツ城で発表された最初の四本 ― Lange 1、Saxonia、Arkade、Tourbillon "Pour le Mérite" ― は、復活の宣言であった。
翌1995年、五本目として加わったのが 1815 である。シリーズ名は、F.A.ランゲがドレスデンに生まれた年に由来する。Lange 1 が「未来のランゲ」を語るとすれば、1815 はブランドが背負う過去を腕に巻く装置として構想された。ガラスヒュッテの懐中時計が積み上げてきた語彙 ― レイルウェイ分目盛、アラビア数字、ブルースチール針、3/4プレート ― を現代の腕時計の寸法に再構成すること。それが主題である。