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CALIBER · TAG HEUER

TH20-00

自動巻 Automatic Analog

2023年、ホイヤー02を双方向ローターで磨き上げた、タグ・ホイヤー自社製クロノグラフの新基幹

OVERVIEW · 概要

TH20-00は、2023年のウォッチズ&ワンダーズで発表された、タグ・ホイヤーの自社製自動巻きクロノグラフである。同社がシュヴネで製造するホイヤー02を母体とし、コラムホイールと垂直クラッチを核とする一体型クロノ機構を受け継ぐ。毎時28,800振動 (4Hz)、33石、約80時間のパワーリザーブを備え、最大の刷新は単方向だったローターを双方向巻き上げへ改めた点にある。カレラ・クロノグラフのグラスボックスやモナコなど、現行の主力クロノに広く搭載される基幹キャリバーである。

SPECIFICATIONS · 仕様
MakerTAG Heuer
ReferenceTH20-00
TypeAutomatic
DisplayAnalog
Frequency28,800 bph (4 Hz)
Jewels33 石
Power reserve80 h
Movement ⌀32 mm
HandsHours, Minutes, Small Seconds
DateDate
ChronographChronograph, Column wheel
EDITORIAL · 編纂

系譜と歴史

Genealogy & history

1. ホイヤー02からの継承

TH20-00の出自を語るには、タグ・ホイヤーの自社クロノグラフ開発史にさかのぼる必要がある。

2010年代、同社はバルジュー7750系に依存してきたクロノグラフを自社化する課題に直面していた。その解のひとつが、2014年のバーゼルワールドで公開された一体型自動巻きクロノ「CH80」である。コラムホイールと垂直クラッチを備え、80時間のパワーリザーブを掲げたこの機構は、当時としては野心的な設計であった。

しかし当初は量産が見送られ、2016年に世界有数の手頃なトゥールビヨンとして登場したホイヤー02Tの母体として復活する。その基幹機が「キャリバー ホイヤー02」と名を改め、2017年以降はカレラやモナコへ広く展開された。TH20-00は、この系譜を正統に受け継ぐ最新世代にあたる。

2. 双方向巻き上げという刷新

2023年3月のウォッチズ&ワンダーズで、ホイヤー02はTH20-00へと進化した。

同社によれば、約半年をかけてホイヤー02を解析し、2年の設計期間を経て主要な改良点を導いたという。最大の変更は、従来の単方向ローターを双方向巻き上げへ改めた点である。ローターの回転をどちら向きでも巻き上げに変換することで、装着時の巻き上げ効率を高める狙いがある。

あわせて自動巻き機構の部品が見直され、保証期間は2年から5年へと延長された。仕上げの水準も引き上げられ、コラムホイールと垂直クラッチを露出させた構成美は、サファイアケースバックを通して観賞できる。

3. TH20ファミリーの展開

TH20-00という型番は、同社が2023年に導入した新たな命名規則を映している。

「TH20」はホイヤー02系を指し、続く2桁が派生を表す。三つのカウンターと日付を備える標準クロノがTH20-00、トゥールビヨン版がTH20-09、第2時間帯を加えたGMTクロノがTH20-02である。同年にはクロノ系以外にも、自動巻きのTH30-00や、ソーラー駆動のTH50-00「ソーラグラフ」が加わった。横断的な型番体系のもと、TH20-00は同社の機械式クロノグラフの中核を担っている。

MECHANISM · 機構と仕様

技術解説

Technical breakdown

TH20-00は、コラムホイールと垂直クラッチを備える一体型の自動巻きクロノグラフである。母体のホイヤー02と同じく約168個の部品で構成され、三つの大きなブロックを最終工程で組み合わせる構造を採る。この三分割の成り立ちは、組み立てと保守の両面で扱いやすさにつながる。以下、主要な要素ごとに機構を観察する。

クロノグラフ制御機構

クロノグラフの起動と停止を司るのがコラムホイールである。柱状の歯車を回転させ、各レバーの動作を順序立てて切り替える方式で、プッシャー操作に滑らかな感触をもたらす。カム式に比べ部品精度への要求は高いが、操作感と動作の確実性に優れるとされる。

計時の伝達には垂直クラッチを用いる。秒針の駆動を上下方向の摩擦で断続する機構である。水平クラッチに見られる始動時の針飛びを抑え、クロノグラフ秒針を滑らかに走らせる。長時間の連続計時でも針が安定するため、ストップウォッチとしての実用性を高めている。

調速機構と動力

テンプ(調速の中核を担う振動体)は毎時28,800振動 (4Hz) で振動する。1秒間に8回の往復に相当し、4Hzは堅牢性と精度のバランスに優れる現代の標準的な振動数である。脱進機(動力を一定間隔で解き放つ機構)はスイス・レバー式で、耐震装置にはキフを備える。ヒゲゼンマイには金属製を採用しており、シリコン部品による強い耐磁性をうたう構成ではない。精度の土台は、4Hzという比較的高い振動数と、安定した一体型輪列に置かれている。

動力は単一の香箱から供給され、約80時間のパワーリザーブを実現する。週末に外したまま月曜に再び動いている水準であり、一般的な40〜50時間級を上回る余裕を持つ。テンプは手巻きにも対応し、秒針停止機能(ハッキング)により時刻の精密な合わせ込みが可能である。

自動巻きと仕上げ

TH20-00で刷新されたのが自動巻き機構である。ボールベアリング式のローターを双方向巻き上げとし、装着時の動きを効率よく主ゼンマイへ伝える。ローターにはタグ・ホイヤーの盾形ロゴを抜いた意匠が施される。

仕上げはコート・ド・ジュネーブ装飾やロジウムめっき、黒色処理を施した部品で構成され、サファイアケースバックから観賞できる。日付窓の位置はモデルにより12時または6時に配される。なお基準モデルのTH20-00はクロノメーター認定を前提としないが、トゥールビヨンのTH20-09など一部の派生はCOSC認定を受けるとされる。

04 — CARRIERS · 搭載モデル一覧

このキャリバーを搭載する 3 本のリファレンス

This caliber appears in 3 references