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CALIBER · BREGUET

567/2

手巻 Handwound Analog

1980年代のレマニアCal. 399を礎に、金製ゴングで音響を磨いたブレゲの手巻ミニッツリピーター

567/2
movement · 567/2
図: ムーブメント — WatchBase
OVERVIEW · 概要

Cal. 567/2は、ブレゲがミニッツリピーターに用いてきた手巻キャリバーである。設計の礎は1980年代にヌーベル・レマニアが手がけたCal. 399にあり、ブレゲは1990年代からこの系譜を打鈴時計に採用してきた。毎時18,000振動 (2.5Hz)で時を刻み、パワーリザーブは40時間、石数は31石。特徴は、18Kゴールド製のゴングをケースミドル側に固定した構造にある。ゴングとケースが同一素材となることで音響インピーダンスが揃い、響きの伝達が高まるとされ、この構造はブレゲが特許を取得している。クラシック・レペティション・ミニッツ7637や、永久カレンダーを備える5447などに搭載されてきた。

SPECIFICATIONS · 仕様
MakerBreguet
Reference567/2
TypeHandwound
DisplayAnalog
Frequency18,000 bph (2.5 Hz)
Jewels31 石
Power reserve40 h
Movement ⌀28.2 mm
HandsHours, Minutes, Small Seconds, Additional 24 Hour Hand (fixed)
AcousticMinute Repeater
EDITORIAL · 編纂

系譜と歴史

Genealogy & history

1. レマニアが遺した設計

Cal. 567/2の出自は、ブレゲ単独の開発史にとどまらない。その基礎を成すのは、ヌーベル・レマニアが1980年代に設計したCal. 399である。レマニアは複雑機構ムーブメントの供給元として知られ、パテック・フィリップやヴァシュロン・コンスタンタンにも機構を納めてきた歴史を持つ。たとえばパテックのCH 27系クロノグラフは、レマニアのCal. 2310を礎とする。

そのレマニアは後にブレゲと同じスウォッチ・グループの傘下に入り、両者の系譜は一本化された。Cal. 399を受け継いだ567/2は、ブレゲが1990年代以降、自社のミニッツリピーターに用いてきた基幹機構である。懐中時計を思わせる古典的な構成が、その出自を物語る。主要部を支えるギター型のブリッジと、輪列を押さえる複数のフィンガーブリッジが、その典型である。

2. 金製ゴングという更新

古典的な土台を保ちながら、ブレゲは要となる部位に手を入れた。ゴング、すなわち音を生む金属線である。一般的なミニッツリピーターでは、鋼製のゴングを地板側に固定する。567/2はこれを18Kゴールド製とし、同じく金製のゴングホルダーを介してケースミドル(ケース中央部)へ直接ねじ留めする。

ゴングをムーブメントではなくケースへ連結する狙いは、音の伝達にある。ゴングとケースがともに金であれば、密度も分子構造も等しく、音響インピーダンスが揃う。これにより響きの伝播が高まるとされ、ブレゲはこの構造で特許を取得している。音色の調律には音響技術者が関わり、ブレゲ固有の響きに近づくよう、ハンマーとゴングの組み付け後に和声的・旋律的な調整が施される。手作業ゆえ、音は個体ごとにわずかに異なる。

3. 1896への世代交代

長く現役を務めた567/2にも、転機が訪れている。2025年、ブレゲはクラシック・レペティション・ミニッツ7365を発表し、新型のCal. 1896を搭載した。径を42mmから39mmへ改め、ゴングを自社の「ブレゲ・ゴールド」製とした、初のミニッツリピーター機である。振動数は3Hz (21,600振動)へ高められ、パワーリザーブは75時間に達する。

これに伴い、567/2は段階的に役目を終え、収集対象へ移ると公表されている。1980年代の設計を土台に、素材と音響で磨きをかけてきた一機が、四半世紀を超える現役を退こうとしている。既存の資産を生かしながら漸進的に改良するという、ブレゲの一つの選択がそこに映る。

MECHANISM · 機構と仕様

技術解説

Technical breakdown

構造の骨格

Cal. 567/2は、径12½リーニュ (約28mm)の手巻ムーブメントである。香箱(ぜんまいを収める部品)は単一で、毎時18,000振動 (2.5Hz)のテンプ(周期を刻む調速輪)を駆動し、40時間のパワーリザーブを確保する。地板上には、ギター型の中央ブリッジと、輪列を支える複数のフィンガーブリッジが配される。時を運ぶ輪列(ゴーイングトレイン)と、音を打つための輪列(ストライクトレイン)が別系統で組まれる点が、ミニッツリピーターの構造的な特徴である。総部品数は358点に及び、その大半が打鈴機構に費やされる。

脱進機とテンプ

調速を担うのは、スイス・アンカー脱進機(エネルギーを一定間隔で逃がす機構)である。石数は31石。ヒゲゼンマイ(テンプの周期を司る渦巻ばね)には、ブレゲ自身が考案した「ブレゲひげ」、すなわち外端を巻き上げたオーバーコイル形状が用いられる。姿勢差による精度のばらつきを抑える、古典的な手法である。

毎時18,000振動という数値は、テンプが1秒間に5回振れることを意味する。現代の実用機に多い4Hz (28,800振動)より低い。低い振動数は、懐中時計に由来する設計や打鈴機構を備えた時計に多く見られ、ゆったりとした運針の律動を生む。

打鈴機構

ミニッツリピーターは、リュウズ脇のスライドを操作することで、現在時刻を音で知らせる。鋼を鏡面に磨いたハンマーが、時・15分単位・分の順にゴングを打ち分ける仕組みである。567/2の要点は、ゴングの素材と固定法にある。一般的な機構が地板にゴングを留めるのに対し、本機は金製ゴングをケース側へ連結する。中空に削り出されたケース内部と、肉抜きされたムーブメントリングが、内部の空気量を増やし、音の伝達を助ける。打鈴の速度は調速機によって制御され、本機はアンカー式の調速機を備えるとされる。この方式は打鈴中にわずかな作動音を伴うが、世代を同じくする打鈴機の典型的な構成でもある。

仕上げ

567/2の意匠を決定づけるのは、ブリッジと地板の全面に施された手彫りの装飾である。唐草を思わせる彫りが地全体を覆い、ブレゲのロゴもまた手彫りされる。各個体には固有の番号が刻まれる。エッジには面取り(アンギャラージュ)が施され、ねじ穴の縁は鏡面に磨かれ、歯車のスポークにも面取りが及ぶ。鋼製ハンマーの鏡面研磨と合わせ、装飾は機構の各所へ行き渡る。これら一連の仕上げは、すべてスイス・ル・シュニの工房で手作業により行われる。

04 — CARRIERS · 搭載モデル一覧

このキャリバーを搭載する 1 本のリファレンス

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