すべては1969年に始まる
ゼニスにとって1969年は特別な年である。1月、同社は自動巻きクロノグラフ用ムーブメント、El Primero(キャリバー3019 PHC)を発表した。コラムホイールと水平クラッチを備え、毎時36,000振動 (5Hz) という高振動で10分の1秒の計測を可能にした機械である。同じ1969年には、ホイヤーらのCaliber 11やセイコー6139も登場しており、「最初の自動巻きクロノグラフ」の称号をめぐる議論は今も続く。El Primeroがスペイン語で「最初のもの」を意味することは、その自負の表れといえる。
ムーブメントだけではない。同じ年、ゼニスは八角形ケースの初代Defy(Ref. A3642)も世に出している。300m防水とねじ込み式リューズを備えた頑丈な造りは「coffre-fort(金庫)」と呼ばれた。El Primeroを積む丸型・トノー型のクロノグラフ群と、八角形のスポーツウォッチ。後年Revivalが立ち戻る原器は、いずれもこの一年に生まれている。