ヒマラヤから来た系譜
ロレックスと探検の関係は、エクスプローラーの誕生より前の1930年代にさかのぼる。ロレックスはこの頃から、極地や高山へ向かう遠征隊にオイスター時計を託し、探検家から寄せられる報告を時計の改良に生かしていた。過酷な環境で時計がどう振る舞うかを確かめる、事実上のフィールドテストである。
その延長線上に位置するのが、1953年のエベレスト遠征である。5月29日午前11時30分、ジョン・ハント率いる英国隊のエドモンド・ヒラリーとテンジン・ノルゲイが世界最高峰の頂に立った。隊にはロレックスのオイスター・パーペチュアルが供給され、白文字盤のクロノメーター Ref. 6098 は「プレ・エクスプローラー」として知られる。一方で英国のスミス社も隊にデラックスを供給しており、山頂でヒラリーが着けていたのはスミスの時計だった可能性が高いとされる。ロレックス自身は、遠征隊がオイスター・パーペチュアルを携えていたと記すにとどめている。