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PANERAI · SERIES

Submersible

サブマーシブル

1956年の軍用潜水時計を源流に、2019年に独立。パネライ唯一の本格派ダイバーズ・コレクション。

42 mm – 47 mm
01 — 概要 / SUMMARY

パネライのサブマーシブルは、1956年にエジプト海軍向けに製作された軍用潜水時計「GPF 2/56」(通称エジツィアーノ)に源流をもつ本格派ダイバーズである。1998年に「ルミノール・サブマーシブル」として民生化され、2019年にルミノールから独立した単独コレクションとなった。回転ベゼルとクッションケースを共通言語とし、現在は42mm、44mm「QuarantaQuattro」、47mmの三サイズで展開する。Bronzo、BMG-TECH、Carbotech、eSteelなど素材革新の舞台でもある。

02 — STORY · 物語

Submersible(サブマーシブル)、これまでの軌跡

The story of this series
01

1956年、エジプト海軍の依頼から始まった原点

サブマーシブルの起源は、1956年にイタリア海軍の承諾のもと、グイド・パネライ&フィリオがエジプト海軍向けに開発した「GPF 2/56」、通称「エジツィアーノ(L'Egiziano)」に遡る。直径60mmのクッションケース、潜水時間を計測するための回転ベゼル、そしてAngelus社製キャリバーによる8日間パワーリザーブ。とりわけ重要なのは、回転ダイバーズベゼルがここで初めてパネライの設計言語に組み込まれたことである。同じ1956年、後にルミノール家系全体の象徴となるリューズ保護ブリッジ機構の国際特許も出願されている。

エジツィアーノは少数しか生産されなかったが、後年のサブマーシブル全機に通じる二つの言語をすでに備えていた。クッションケースと、潜水時間計測のための回転ベゼルである。

02

1998年、民生サブマーシブルの誕生

1993年、長年にわたり軍用機の供給に専念してきたパネライが一般市場向けの商業生産に着手する。1998年、その流れの中で発表されたのが「ルミノール・サブマーシブル」であった。ケース径44mm、防水300m、単方向回転式ベゼル。最初のリファレンスは、ステンレススチール製のRef. PAM00024と、チタン製でクル・ド・パリ装飾文字盤を持つRef. PAM00025の二本立てだった。

ムーブメントはETA Valjoux 7750からクロノグラフモジュールを除いた自動巻きキャリバー「OP III」が搭載された。クロノ機能を取り除くことで信頼性を高めるという、後のパネライらしい設計判断である。

03

「La Bomba」 — 1000mへの挑戦

2000年代前半、サブマーシブルはより極端な性能へと深度を伸ばす。Ref. PAM00064(黒文字盤)とRef. PAM00087(青文字盤)は、防水1000mを実現した過剰設計の象徴であり、その容貌から愛好家には「La Bomba(爆弾)」と呼ばれた。ケース厚は18.2mmに達し、ヘリウムエスケープバルブを備え、ISO 6425の要求水準を遥かに超える耐圧構造を採用した。依然としてキャリバーOP IIIを使うこの世代で、サブマーシブルは「実用に耐える本格派ダイバーズ」という独自の位置取りを確立する。

04

自社キャリバーと素材実験の場へ

2005年にヌーシャテルで自社製キャリバー第1号「P.2002」が誕生し、ダイバーズ向けには2011年に「P.9000」が投入された。ツインバレル、72時間パワーリザーブ、毎時28,800振動 (4Hz)、グルシデュール製テンプを備え、サブマーシブルの長期保守性を一段引き上げた。

同じ2011年、サブマーシブルは別の意味でも転換点を迎える。ブロンズケースの限定モデル「ルミノール・サブマーシブル1950 3 Days Automatic Bronzo」Ref. PAM00382の発表である。1,000本限定、ダークグリーン文字盤、純銅と純錫の合金「CuSn8」によるブロンズが、経年で独特のパティーナを生む。これが現代の高級時計におけるブロンズ採用の嚆矢となった。

2017年にはRef. PAM00692「サブマーシブルBMG-TECH」が登場する。原子配列を意図的に無秩序化したバルク・メタリック・グラスを採用した世界初の機械式時計ケースとして、サブマーシブルは素材研究の最前線という性格を強めた。

05

2019年、ルミノールからの独立

サブマーシブルが個別のコレクションとなったのは2019年、SIHHでの発表に拠る。それまで「ルミノール・サブマーシブル」と呼ばれていたシリーズは、文字盤から「Luminor」の文字が消え、独立コレクション「サブマーシブル」として再出発した。前年の2018年に42mmケース(Ref. PAM00682 / PAM00683、新キャリバーP.900搭載)を加えた直後の決断であり、本格ダイバーズ専業の道を選んだ宣言でもあった。

独立記念に用意された三つの「Experience」モデルは、パネライの戦略を象徴する。北極遠征が付帯する「サブマーシブル・マイク・ホーン・エディション」(Ref. PAM00984 / PAM00985、再生チタンEcoTitaniumケース)。イタリア海軍特殊潜水部隊COMSUBINとの訓練が付帯する「サブマーシブル・マリーナ・ミリターレ・カーボテック」(Ref. PAM00961、33本限定)。そしてフリーダイバーのギヨーム・ネリーと潜るフレンチポリネシア体験付きの「サブマーシブル・クロノ・ギヨーム・ネリー・エディション」(Ref. PAM00983、15本限定)。時計と「体験」を結び付ける販売手法は、サブマーシブルを起点に始まった。

06

QuarantaQuattroと現代の到達点

2022年のWatches and Wonders Genevaで、サブマーシブルに新たな中間サイズが加わる。「QuarantaQuattro」(イタリア語で44を意味する)と命名された44mmケースが、既存の42mmと47mmの中間を埋めた。Ref. PAM01229を起点とするこの世代では、95%以上の再生鋼で構成された自社開発素材「eSteel」(Ref. PAM01287等)も初投入され、サブマーシブルは持続可能性の旗手という側面も持つようになる。

2025年にはイタリア海軍航空隊「Aviazione Navale」に着想を得たRef. PAM01697とRef. PAM01698が発表され、2026年にはチタンDMLS(直接金属レーザー焼結)製ケースに防水500mとスケルトン・キャリバーP.4001/Sを組み合わせたRef. PAM01495 Submersible GMTが登場した。同年、ハフニウムを95%以上含む合金「Afniotech」を世界で初めて時計ケースに採用したRef. PAM01089も発表されている。サブマーシブルは現在も、パネライの素材と工法の研究を最前線で担う存在であり続けている。

03 — DESIGN · 設計思想

意匠を貫く設計言語

What this series guards, and what it lets change

サブマーシブルが他のパネライから明確に区別される唯一の意匠は、単方向回転式ベゼルである。それ以外の要素 — クッションケース、リューズ保護ブリッジ、ハイコントラストの文字盤、長大なラグ、骨抜き(スケルトン)状の蓄光ハンド — のすべては、ルミノール家系から受け継いだ言語である。設計の独自性ではなく、設計の継承の上に回転ベゼル一つを乗せた構造こそが、サブマーシブルの個性を支えている。

ベゼルは単に潜水安全のための計時装置ではない。文字盤との視覚的なフレームであり、世代交代における新素材の展示舞台でもある。初期のヘアライン仕上げスチールから、ブロンズ、Carbotech、BMG-TECH、セラミックインサート、Ti-Ceramitech、そしてAfniotechへと、ベゼル素材の選択がそのままパネライのマテリアル戦略を映し出す構造になっている。

文字盤設計は視認性最優先の哲学に貫かれる。アプライドの円形・棒状蓄光マーカー、骨抜きのハンド、12時位置の大型ドット、3時の日付窓と9時のスモールセコンド。同時代のロレックス・サブマリーナーやオメガ・シーマスターが意匠を漸進的に磨き上げる方向を選ぶなか、サブマーシブルは「視認性に必要な要素を必要なサイズで配置する」という直截な姿勢を崩していない。

サイズの自制を放棄してきた点もサブマーシブルらしさである。47mmケースは現代の腕時計としては突出して大きいが、これは流行ではなく、軍用潜水機としての視認性と耐圧性を確保するための機能的選択として扱われてきた。2018年の42mmと2022年のQuarantaQuattro 44mmは用途多様化に応じた拡張であって、初代のスタンスを譲ったわけではない。

04 — MOVEMENT EVOLUTION

ムーブメントの変遷

Calibers across the decades
1998-2010
Cal. OP III
ETA 7750ベース、42時間パワーリザーブ。
2011-現在
Cal. P.9000 / P.9010
初の自社製、ツインバレル72時間PR。
2018-現在
Cal. P.900
42・44mm向け、シングルバレルで72時間PR。
2019-現在
Cal. P.9010 GMT / P.9100
GMT機構やクロノ機構を統合した派生機。
2026-現在
Cal. P.4001/S
スケルトン化GMT、PAM01495搭載の新型。
05 — REFERENCE EVOLUTION

Ref. 変遷

Reference generations
1998-2007

初代ルミノール・サブマーシブル

PAM00024 PAM00025
44mm・300m防水で民生化、サブマーシブルの原点。
2002-2010

「La Bomba」世代

PAM00064 PAM00087
1000m防水・ヘリウムエスケープを備えた過剰設計。
2011-2017

ブロンズとBMG-TECH時代

PAM00382 PAM00692
ブロンズ、BMG-TECHなど新素材を初投入。
2018-2019

42mm版とP.900導入

PAM00682 PAM00683
42mmサイズと新キャリバーP.900を採用。
2019-2021

独立コレクションへの移行

PAM00961 PAM00984
ルミノールから独立、文字盤からLuminor名削除。
2022-現在

QuarantaQuattro世代

PAM01229 PAM01287
44mm追加、eSteel等の新素材を本格採用。
06 — ALL REFERENCES

このシリーズの全 2 モデル

2 references in archive